更新日:2024年12月20日
ここから本文です。
「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
ナス 10kg 塩 1kg 焼きミョウバン 10g 差し水 2リットル 塩(差し水用) 200g 塩(漬け替え用) 1kg |
採り遅れの大きなナス、過熟なナスは内部に硬くなりつつある種子があるので、漬け物原料として好ましくありません。
大きく太いナスは原料としないほうが良いのですが、どうしても大きく太いナスが原料となるなら、仕上げ漬け、調味漬けの時、大きさを生かした漬物に仕上げるか、再調整で細かく刻むなどの工夫が必要になります。
ナスに大小があるなら、漬け込み前に分けると、後に利用する時に手間いらずです。何本かの樽に漬け込むなら大中小に分けて漬け込んでください。 ナスならどんなナスでも利用はできるのですが、表面にカサブタ状の傷ができているもの、果皮・果肉が割れてコルク状に硬くなっているものは漬けあがったときにも硬く、色も良くないので、漬物原料としない方が無難です。量が不足するので、どうしてもこういったナスでも使わなければならないなら、包丁で削り取るような調整が必要です。
塩は並塩を用います。原塩、または粉砕塩があるなら原塩や粉砕塩だけを用いてもよいですし、並塩と混合して用いてもよいでしょう。
塩の量は漬け物の種類、期間、季節によって異なります。即席漬けならば2%前後、早漬けならば4~5%、保存を目的とするなら10~25%の塩を用います。保存期間が短いなら10~15%くらいでも保存できますが、長期保存するには塩が20~25%くらいの濃度になるように使用するのが安心です。
また、塩は必要量を取り分けると、作業が楽になります。
焼きミョウバンが無ければサビ釘を使って下さい。サビ釘の鉄分がナスの色止めになりますが、焼きミョウバンに比べるとやや黒くなります。ピカピカ光った新しい釘は鉄が溶け出難いので、色止めの効果はありません。錆びた古釘を使って下さい。
ミョウバンは温水で溶かし、差し水として、加える方が均一に色止め効果が得られます。結晶状のまま、あるいは粉体として塩に加えても良いのですが、ミョウバンがなかなか均一に回らないので、色むらになることが多くあります。そのため、差し水として加える方が色止め効果が均一になるのです。
差し水はナスに対して使用する食塩と同じ割合にしてください。差し水を利用することで食塩濃度が変わってしまうことに無いようにしてください。この場合はナスの重量に対して10%の食塩を使用しているので、差し水の塩濃度も水に対し10%としてください。
ナスは漬けた容器はナスの色で黒くなりますので、ナス漬け専用の容器としてください。また、ナスの下漬け用の容器は原料の重量が10kgなら20リットルの容積が必要になります。ナスを下漬けするとき、ギューギューに詰め込んでも、容器内には空間がたくさんできるからです。
漬け込んだときは容器の上の方まであっても、一日後には容器に半分くらいに容量になります。
また、大きなビンに水あるいは砂を入れて重石とすることもできます。
でも、意外と便利なのは小砂利をポリエチレン袋に入れたものです。ポリエチレン袋に2~3kg程度の小砂利を入れ、口を閉めてしまうと手軽に取り扱えて便利なものです。
重石は一種類でなければならないということはありません。重石に必要なのは重量ですから、適当に組み合わせて必要な重量の重石としてください。
生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
このページの所管所属は 農業技術センターです。