更新日:2024年2月20日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
材料 | 作り方 | 農産物の上手な利用法の表紙 |
作り方のアドバイス |
ダイコンの皮はつけたままでも、剥いても、どちらでも構いません。皮付きだと均一な色に漬けあがるのに、皮剥きよりもチョッと時間がかかります。歯ざわりは皮付きの方がパリパリした感じに仕上がります。皮を剥いたときには、皮を捨てずに、皮も漬けこんで、ダイコン皮の醤油漬けを作ったり、皮を使った調理をして利用してください。
ダイコンは葉を付けたままの方が洗いやすいので、収穫したばかりのダイコンは葉つきのまま洗ってください。 水を流しながら、スポンジたわしで擦って、泥や汚れをきれいに洗い流してください。
この作り方では8mm厚のイチョウ切りにしていますが、大きさや形はいろいろな形で漬け込むことができます。縦に4つ割りにした長いままのダイコンを漬込んでもよいですし、乱切りにして漬込んでもよいでしょう。長いまま漬込んだときはダイコン中央部分への調味液の浸透が遅くなるので、味と色の変化がついたものとなります。乱切りも大きな切り方と小さく切るとでは調味液の浸透が異なります。
イチョウ切り |
乱切り |
この作り方の調味料の配合で、完全に均一な味になると塩分は2.4%、糖分は7.4%、酸は0.06%になります。糖分は調味料の糖分ですので、ダイコンの糖分が高ければもっと糖分は高くなります。
調味料に砂糖が入っているので、調味料を合わせて加熱し、砂糖を溶かし、均一な調味液としてダイコンとあわせてください。ダイコンにそれぞれの調味料を加えていっても、時間をかければ均一になるのですが、イチョウ切りにしたダイコンでは漬けあがりまでの時間が短いので、砂糖が溶けずに沈んでしまうと味がなかなか均一にならないのです。
漬け込んだダイコンは空気に触れないようしてください。ポリエチレン袋に漬け込んだならば、中の空気を押し出すようにして、口を捻り、重石をかけてください。漬物樽やガラス容器に漬け込んだときは表面にポリエチレンシートをのせてから、押しブタをのせ、重石をしてください。漬け液の表面が空気に触れていると酵母やカビなど、空気があると繁殖する微生物が増殖することになります。また、重石は漬物石でもよいのですが、この作り方ではポリエチレン袋に水を入れて重石に使っています。ポリエチレン袋の大きさに対しチョッと少なめの水を入れて、袋の空気を抜いて縛り、漬物の上に置くと、袋がズーッと全面に広がり、空気を遮断する働きもしてくれます。このダイコンの醤油漬けでは漬け液が出やすいので、押しを強くする必要はないので、重石は軽くてよいのです。
調味液に漬込んだダイコンは1~2日後に天地返しをしてください。漬込んで1~2日後にはダイコンから水分が出てきて、漬け液がジャブジャブになってきています。漬け液がたっぷりあっても調味液の濃さは均一になっていません。天地返しをしないと容器の上下で味が異なってしまいます。上下を均一な味に仕上げるため、必ず天地返しをしてください。
漬けたダイコンを取り出して食べてしまうと調味漬け液が残ります。残った漬け液は調味料を足したり、煮詰めて、次の漬け込みに使ってもよいのですが、元の濃さにするのはチョッと大変です。漬け液は塩分は2.4%、糖分は7.4%、酸は0.06%となっているので、煮ものにも使えますが、そのままでは保存性が低いので、直ぐに利用するか、加熱殺菌してからビンに入れて保存するようになりますが、チョッと手間がかかりすぎます。何かに利用するよう工夫をしてください。
漬け上がったダイコンの醤油漬けは早目に利用してください。そのまま、温度の高い状態でおくと発酵が進み、味が変ってきます。なるべく温度の低いところに置いてください。温度の高い時期に作るならば少量づつ作って、早く食べ、残ったものは冷蔵庫に保管してください。
小袋に詰め、加熱殺菌するならば、袋内の空気を除いてシール機で袋の口をシールし、75℃で30分加熱し、直ぐに冷却してください。袋の大きさ、中に入れるダイコンの醤油漬けの量、あるいは調味液の配合割合によっては殺菌が不十分になることもあります。机の上に置いて、1~2ヶ月様子をみれば保存性があるのか、ないのかは判定できます。
小袋に入れてシール |
恒温水槽に浸ける |
75℃の恒温水槽 |
30分間の加熱 |
水に浸けて冷却 |
保存試験を実施 |
材料 | 作り方 | 農産物の上手な利用法の表紙 |
生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
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