更新日:2024年2月20日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
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材 料 |
イチゴ 600g 砂糖 300g レモン果汁 50ml リンゴペクチン液 200ml |
★イチゴ(strawberry)イチゴの栽培種の歴史は18世紀にオランダで交雑されたイチゴに始まります。しかし、野生種のイチゴは石器時代から利用されていたようで、ヨーロッパ各地の遺跡から種子が出土しています。日本には明治初期にアメリカから伝えられましたが、当時は普及しませんでした。日本でのイチゴの栽培は1899年に福羽逸人氏により、ゼネラルシャンジー種から選抜された「福羽」の育成に始まります。この「福羽」はその後70年近くも栽培され、現在の品種の育成素材としても大きな役割を果たしています。 日本で栽培されているイチゴは生食として利用されるものがほとんどで、ジャム加工用に栽培されているものはほとんどありません。そのため、日本では生食用のイチゴを原料にするジャム加工となるのはやむを得ないことです。 加工専用の品種として「アメリカ種(マーシャル)」はありましたが、日本国内での生産は少なく、日本のメーカーも海外で生産されたものを使っていました。現在、海外では北アメリカで品種改良された生食用にも加工用にも適したCamarosa種、Chandler種が栽培されています。 |
ジャムに加工するイチゴはクズでもよいと言われることが多いのですが、熟度が揃っていないのは避けた方がよいでしょう。大きさや形が揃っていた方が作業は楽なのですが、ここで示す「作り方」のジャムは掌でイチゴを押し潰すので、大きさや形が不ぞろいでも、とくに問題になるようなことはありません。イチゴの形があまり残らないので、イチゴの形は気にせず使ってください。手早く、短時間で色、香りのよいジャムを作ってください。 |
原料とするイチゴの品種が明らかなら、品種別につくると価値の高いものとなります。 | 章姫 |
とちおとめ |
さちのか |
★砂糖砂糖はグラニュー糖や白ザラ糖を使って下さい。グラニュー糖や白ザラ糖がなければ上白糖を使ってください。三温糖や赤ザラメ、黒砂糖などの砂糖は特有の風味を持っているので、イチゴの香りを押さえたり、隠してしまいます。イチゴの特性を生かすのならこれらのような個性のある砂糖は適していません。 |
★レモン果汁レモンは農薬の心配のないものを使って下さい。大きなレモンなら1個から50mlの果汁が取れます。レモンは半分に切り、レモン搾りでキュキュッと搾って下さい。小さな種があるので、ガーゼでこ(濾)して除いて下さい。 |
レモン果汁の代わりにクエン酸を使うこともできます。クエン酸は食品添加物を使ってください。クエン酸を使うときは3gを50mlの水に溶けば、レモン果汁と同じように使うことができます。また、粉末のまま使うこともできますが、この時は砂糖に混ぜて使ってください。 |
★リンゴペクチン液リンゴやカンキツ類を原料にして、ペクチン液を作ることができます。リンゴやカンキツ類の下処理をしてから、材料と水を加熱して、ペクチン抽出を行います。下処理した材料に4~5倍量の水を加え、グツグツと煮込み、ペクチンを溶かします。30~40分加熱したら、網ザルや濾し布で煮汁を取り分けます。煮汁がペクチン液です。材料の品質や加熱条件によってペクチン液に含まれるペクチン量は変わってくるので、いつも同じようにペクチン液を作るには材料の選定・下処理、加水率、加熱条件などに注意しなければなりません。リンゴペクチン液をその都度作るのはちょっと手間がかかって、負担になることがあります。リンゴペクチン液はある程度の量を作り、保存するのがよいでしょう。1回に使う量に分けて小袋に入れ、冷凍保存してください。 |
市販されている粉末のペクチンはレモン・オレンジなどのカンキツから抽出・精製したカンキツペクチンとリンゴから抽出・精製したリンゴペクチンがあります。 市販のペクチン粉末にはペクチンにグラニュー糖を添加したものや乳酸カルシウムのような添加物を混合したものもあります。表示を良く見て、ペクチンだけかペクチンに添加物が加えられたものかを確認して使ってください。 また、食品用ではなく、化学用のペクチンも販売されていますが、化学用に製造されているので、ジャムには使わないでください。 |
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生産環境部(品質機能研究課)
電話 0463-58-0333 内線344から345
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