令和5年度第2回神奈川県ともいきアドバイザー会議
会議結果
開催日時
令和6年3月27日(木曜日) 15時00分~16時00分
開催場所
県庁新庁舎5階 新庁応接室
出席者(敬称略)
篠原 正治(代表)、首藤 健治(副代表)、宮越 雄司、萩原 美由紀、内藤 則義、髙野 元、手塚 明美
議題、会議結果
【議題】「ともに生きる社会かながわ」の実現に向けた県の取組について(意見交換)
アドバイザーからの主な意見
(憲章の普及啓発、イベントについて)
- 事務局が課題としている、「言葉は聞いたことがある」ではなく、「知っている」人を増やしていきたい、というのは、やはり紙媒体だけでは厳しいと感じている。イベント等に参加してもらうことによって、目で見て肌で感じることが大事だと思う。
硬くなってしまうような仰々しいイベントではなく、自然体で参加できる催し、イベントが大事なのではないか。
当会の中にも団体がたくさんあり、これから年度末年始で総会もあるので、その時に来ていただいて憲章のPRをすることで、団体のイベントの中での手助けをしてもらえる可能性もあると思う。
- 行政が、「知っている」と「言葉は聞いたことがある」の違いにこだわるのは理解できる。
しかし、例えば今、SDGsと当たり前に言われる中で、SDGsをしっかり説明できる人はあまりいないのではないか、と思っている。「ともに生きる」も、そのような感じでよいのではないか。
つまり、「ともに生きる」という言葉が溢れかえり、確かに中身はよく知らないけれど、「ともに生きる」や「憲章」という言葉をあちこちで目にする、という状態を作っていければ良いのではないか。
そして、「よく分からないけれど調べてみよう」という行動に繋がれば意味があると思う。憲章も4箇条あるが、ポイントの言葉が伝わって、「みんなが助け合って生きる、そういう社会のこと」ということが分かれば、それで良いのではないか。
- 私の立場では、それぞれの事業所に、「「ともに生きる」という考えから何かできることはないか」ということを、尋ねたり、憲章を周知することはいつでもできる。
色々なところで、一瞬でいいから目に触れるための取組をとにかく繰り返していくのが良いのではないか、と思っているので、まずはペーパーやチラシがあれば、それを皆に配っていきたい。
- 事務局が着ている「ともに生きるTシャツ」があるが、当会では、スポーツ大会をはじめとしたイベントや、他にも団体の行事として、総会や新春の集いなどがあるので、そのような場でメンバーが着ると、かなりのPRになるのではないか。
- マスコミに取り上げてもらうのが一番広がるのではないか。例えば民報で、イベントのときに必ず取材に来てもらい、夕方の番組で取り上げてもらう等の話ができればよいのではないか。
- 当会では、毎年デパートで展覧会をやっており、ある展覧会の時にNHKが取り上げてくれた。その時は朝、デパートに人が並んで待っており、テレビはすごい強力なのだな、と本当に驚いた。
そういうところに取り上げてもらえると、一気に広がるのでは、と思っているので、ぜひそのきっかけづくりをしていきたい。
(農福・水福連携について)
- 農福連携は、活動の中で「ともに生きる」を知っていただくものとして、良い取組だと思う。
- 今、水産業の方と、障がい者やひきこもりの方との就業のマッチングを進めている。
葉山の漁港で個人で船を出している漁師との間で、「わかめを干すだけ」や「ポスターを詰めるだけ」のように作業の切り出しを行い、順調にマッチングが進んでいる。
農福連携での同様の取組も以前からやっており、今も進めているが、水産業もようやく出来てきたので今後もっと広げられるかな、と思っている。
(ともいきアートについて)
- 公募展はあらゆる方が応募できるので、これまで実施していた各地域での展示会等のコミュニティに参加できなかった人たちをそこで救うことができる。
施設にいれば施設の職員が、絵を描いている人の作品の推薦が出来るが、例えば個人で絵を描いているような推薦される機会が少ない人たちが自分で手を挙げられるという意味では、すごくチャンスが広がると思っている。もしかしたらその人の人生も変わっていくかもしれない。
そんな可能性を公募展は持っているので、成功に向けて頑張っていただきたい。
(障がい者との関わりについて)
- 「ともに生きる」についても、理念だけではなく、接触や交流が出来るような環境を作っていかないといけないのではないか。
- 「ともに生きる」とは言いつつも、例えば知的障害の人であれば、神奈川県では、県民100人当たり約1人と一定の人数がいるが、そういう人たちはある程度固まっているので、会ったことがない、知り合いにも一人もいない、という人も、結構多いのではないか。
他の障害やALS、医療的ケア児等も同じ。まずその人たちを知るところから始めないといけない。
- 障がい者団体の代表等と話をすると、「まずは自分たちのことを知ってほしい」ということをよく言う。
健常者が、障がい者に善意から「何かお困りごとないですか」などと聞いてくれることは多いが、障がい者にとっては、「単純に楽しい話をして友だちになりたい」という話も聞く。
まずは、友達から初めて、困ったことがあったら手伝う、という流れになるのが良いのではないか。触れ合いからはじめられるような、そういう環境を作ることが大事だと思う。
- もちろん、実際に関わりを持つにあたっては、誰でも友だちから、というわけではなく、人によって違いはあると思うので、色々な方法論を考えていかないといけない。
どういう関わり方をするのであれ、相手と同じ目線に立つことができる環境を作っていかないといけない。
- 医療的ケア児に関連して、医療的ケア児向けのレストランを先日藤沢のNPOが実施した。
具体的には、ペースト食しか食べられない子どもを持つ家族で、誕生日をレストランに過ごしたことがない家庭向けに、NPOの施設を1日貸し切りにして、家族で誕生日パーティーを開くというもの。クリスマスにも近い時期に実施し、とても好評だった。
その団体が目標にしているのは、簡単に持ち込めるハンドミキサーをレストランに持ち込めることができれば、食事を簡単に流動食にして料理と同じ味のものが食べることができるので、それを持ち込める場所を増やしたい、というもの。
これは一例だが、ハードルがありそうなところは、それをできるだけ下げて、一緒に超える手伝いができたら楽しく笑顔で暮らせると思っている。色々な方の取組を情報収集していきたいと思う。
- また、例えば、そのような活動をしている事業所等に、県の「ともいきシール」のようなものをマークでつけてもらえるようなことがあれば、その方たちのモチベーションは上がると思う。
(県の取組全般について、その他)
- 憲章認知度がほぼ4割になったということで、初期から関わっている身として感慨深い。来年度こそ5割を超えてほしい。
令和5年度までの取組では、ともいきボランティアの活動、令和6年度の取組では、公募展に注目している。
ALSの患者は家や施設に閉じこもりがちなので、県のイベントに、患者で連れだって参加することも考えたい。
新たな目標値については、これまでは県が行う個々のイベントの点の告知だったと思うが、今後は県のイベントに協力したいとか、自分のイベントの中で憲章を宣伝したいという団体や事業者による告知が増えると、面の告知になり、効果的な普及啓発に繋がると思う。
- 若い世代が、自主的に取組を広げていっているSDGsの広がりは参考になると思う。
役所の特性でもあるが、今は役所だけでやろうとしすぎているのが大きな課題。放っておいても自ら動いてくれる人たちを育てていくのが最近の傾向。
ストロー1つで教育委員会を動かした小学生もおり、そのような人たちが出てくる中で、最近の若い世代には、「ともに生きる」はものすごく響くのではないか。そういう意識を持つ今の若い世代にとっては自分で動いてなんぼの世界。
だから、まず自ら動いた人たちが、「こんな人たちと一緒に、こんなことやろうか」というように、動きを広げていける土壌づくりが、次の大きな課題ではないか。
- 世の中が大きく変わるときはこれまでもあったが、最近では若い世代の価値観の変化にその可能性を感じる。
NPOやNGOでソーシャルビジネスや社会貢献活動をやりたい、と、金融機関や商社を退職するような人がたくさんいる。しかし、そのような動きをしたい人たちを支える土壌がまだ足りていないな、と思っている。
大きな動きが出る直前まで来ているのではないかと感じることが多いので、近いうちに大きく世の中が変わるのではないか、と楽しみにしている。
会議資料
第2回神奈川県ともいきアドバイザー会議 会議資料(PDF:2,316KB)
神奈川県ともいきアドバイザー会議設置要綱(PDF:455KB)
次回開催予定日
令和6年9月上旬