ホーム > 健康・福祉・子育て > 福祉 > 地域福祉・助け合い > 手話言語の普及推進 > 懇話会・協議会等の概要(神奈川県手話言語普及推進協議会) > 令和5年度第2回手話言語普及推進協議会(審議結果)
初期公開日:2024年5月24日更新日:2024年5月24日
ここから本文です。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
令和5年度第2回神奈川県手話言語普及推進協議会
令和6年3月27日(水曜日)9時45分から11時30分
日本丸メモリアルパーク研修施設(施設センター)第1・2会議室
石井委員、石渡委員【会長】、牛久保委員、小川委員【副会長】、川島委員、河原委員、熊谷委員、杉﨑委員、関口委員、田村委員、寺島委員、内藤委員、萩原委員、松本委員、山本委員(敬称略、50音順)
令和6年8月頃
地域福祉課調整グループ
電話番号:045-210-4804(ダイヤルイン)
FAX番号:045-210-8874
議事録全文
(事務局から資料の説明を行ったのち、議論を開始した)
(石渡会長)
ご説明ありがとうございました。
予算に関してもかなりアップしていただいて、手話について力を入れていただいてると思いましたし、今年度の実績、来年度の取り組み等についてご説明をいただきました。
これから意見交換をしたいと思いますので、委員の皆様、柱の1番目、手話の普及についてご質問、ご意見ありましたらお願いをしたいと思います。
いかがでしょうか。河原委員、お願いいたします。
(河原委員)
神奈川県聴覚障害者連盟の河原です。
いつもいろいろと計画を進めていただきましてありがとうございます。
(1)の中の進捗状況の丸3つ目のところです。県が大学に手話講習会について周知したということですが、案内を県内すべての大学に送ったのでしょうか?その反応はいかがだったでしょうか。私の連盟の方には、全く大学の方から講習会の開催を希望するという連絡、質問等がないのですが県の方に何か問い合わせ等があったのかどうかお伺いしたいと思います。
(石渡会長)
ありがとうございました。大学への手話講習会の案内ということですが、河原委員の連盟の方には何も問い合わせがなかったということなんですけど、事務局の方にはいかがだったんでしょうか。それから県内のすべての大学に出しているのかとご質問ございましたが。
(事務局)
県地域福祉課の佐野です。よろしくお願いします。
河原委員、ご質問ありがとうございます。
まず、大学へ幾つ送ったのかということですが、県が連携する県内66の大学に対してお送りをしているという状況です。
すべて網羅しているかどうかが今持ち合わせていないんですけれども、相当数送っているということになります。
それで、残念ながら今年度に関しては、大学の方から手話講習会のご希望というのはいただいておりません。
個別に以前ご案内をいただいた大学に連絡を取ったこともあったんですけれども、実現には至らなかったということで、今年度の実績はない状況です。以上です。
(石渡会長)
ありがとうございました。
というご説明をいただきましたが、河原委員、ご発言あればお願いいたします。
(河原委員)
若い人たちに手話を広めるということが、若い通訳者が増えることにもつながると思います。
そういう意味でもとても大切だと思っています。
もっと積極的に効果的にPRをやる必要があると思っております。
その辺りも一緒に考えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(石渡会長)
では先に小川委員どうぞ。
(小川委員)
大学への広報っていうのが出たので、発言します。
うちの大学でも私の部門から66の大学に、年に二、三回、文書を送ってるのですが、大学校長名に出してもあまり効果がない。
うちで言うと、防災のことで連携したくて、そういうイベントがあると出すんですが、その関連の所属、例えば学生課のどういう担当とか、具体的に書くと良いかと思います。
うちでもいろいろ文書があって、庶務課の方で仕分けるときに開けてみて関係すると思われる部署に回してくれる場合もありますし、そのまま吸い込まれてしまう場合もあるので、文書の出し方ということがあると思います。
それから、神奈川県のイベントについてはうちの大学も協力していて、共生社会のかながわ憲章の関係では、いつもいろいろな担当者が一緒に同行して、ALSの方と学生との交流っていうことで、年に何回か学生が県庁に行って他大学と共生社会のことについてのセッションをするということで参加させてもらっているんです。
県のこういったイベントについても、手話だから地域福祉課でここの担当ということで、そこで一生懸命こうやって事業をしてくださっているのですが、他の事業と同等ですよね。こういう障害を理解して欲しいとか、一緒に生きるための手段を考えようとか、そういうところと一緒になって企画していただけると自然と入ってくる。
文書を送って講習しませんかとかいう形ではないもう少し入りやすい方法を考えると、大学の方ものって来やすいということもあるのではないかと思います。
(石渡会長)
どこにあてて出すかということで適切なご意見いただきましたが、事務局の方でもどうぞ。
(事務局)
地域福祉課佐野です。小川委員、河原委員、ありがとうございます。
そうですね通知の出し方ですとか、庁内他課との連携なども含めて大変ありがたいご意見いただきましたので、受けとめて今後の検討にできればと思います。
(石渡会長)
はい。ありがとうございました。私も大学で働いてた頃手話部の顧問みたいなのもやっていたんですが、コロナの間にかなり学生のサークル活動などがやれない状況になってしまっています。
今年度あたりから少しずつ復活しているので、情報の提供の仕方次第で、学生さんの反応も変わってくるかなみたいなことを感じているところです。
それではこの柱の一番、手話の普及関連で他に何かありますか。
(石井委員)
通訳介助員の会の石井です。この取り組みのところで、予算のことの質問でも大丈夫でしょうか。
以前に、聴覚障害関連団体への予算の説明、県の予算の説明の際にも、私の方から質問させていただいたんですが、資料1の(3)のところで、手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員に関する取組(養成研修等)っていう部分は、プラス488万円という大きな増額がされています。とてもありがたいと思っていたんですが、その際の説明のときに、この予算は国際手話講座開催の予算という説明がありました。
この488万円全額が、国際手話講座開催の予算ということなのかの改めての確認と、私たちがずっと手話通訳者、盲ろう通訳・介助員が足りないので、その養成に関わる予算をつけて欲しいといった要望が出されていましたけれども、それには予算が全くつかないということなのか、改めてここで確認させてください。お願いいたします。
(石渡会長)
ありがとうございます。石井委員のご質問について、事務局お願いいたします。
(事務局)
障害福祉課の長谷部と申します。石井委員ご意見ありがとうございます。
今伺ったお話の中で、この増えているところ、手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員に関する取り組みのプラス488万円となっていますが、このうち国際手話に関わるデフリンピックを契機として国際手話をきっかけとした入口として、やってみたいという方を養成しようという取り組みをしようというところの予算は380万円ぐらいになっています。
残りの100万円がどこに入っているかというのは、今は資料の手持ちがないので、承知していないところなのですが、通訳介助員の会の皆さんとか、手話通訳者の会の協会の皆さんとか様々なご意見いただいて、もっとこういうところをこうして欲しいというようなご意見をたくさん頂戴していまして、その内容についてこの令和6年度予算で反映しているというところはありません。
いただいたご意見をもとにまた今後検討させていただきたいと思っていますし、ご意見をいただいたことは承知しています。
(石渡会長)
ご説明いただきましたが、石井委員何かございますか。
(石井委員)
聴覚障害団体関連の説明のときにも河原委員の方から確認があったんですが、デフリンピックが終わった時点で、この増額された予算は、また元のように削られてしまうのかなというふうな懸念はあります。
それに関してもどうぞお答えお願いいたします。
(事務局)
はい。障害福祉課の長谷部です。このデフリンピックの関係の予算がその後にどうなるかということは、今ここで確定的なことは申し上げられませんが、いただいたご意見をもとに、必要な人材の養成なり、そういうものに意見を反映させながらできるような検討はしていきたいというふうに思っています。そのためにいただいた貴重なご意見、大切に承らせていただきたいと思います。
(石渡会長)
ありがとうございました。では小川委員。
(小川委員)
質問があるのですが、国際手話に380万円ということですけども、この予算を手話言語の普及推進というところに入れ込んでるわけなんですが、デフリンピックのときに、国際手話を使用する方が増えることで、デフリンピックがより順調にいくということであれば、デフリンピックの予算にならないでしょうか。
国際手話の勉強の機会には全く手話を知らない人に教えるわけじゃなくて、現在、日本手話ができる方に対して国際手話を載せていく形になると理解してるんですけども、間違っていたら言ってください。
それから、各国から来る方々は、国際手話はできるだけ多くの方が理解しやすいような仕組みになっているとは思うんですけれども、基本的にそれぞれの国の方がそれぞれの言語で、通訳をする方、例えばフィリピンとかならば、タガログ語とアメリカ手話と使われるかもしれないのでむしろアメリカ手話の方がいろいろと理解できる方が多いかもしれない。
そうなってくると、国際手話のために予算を大きく使うのは、やはりデフリンピックのため、その時に少しでも多くの来日された方々の競技者、或いはその随行される方が、よりスムーズに生活できるように、協議できるようにということであって、手話言語普及のところに予算に乗せてすごく上乗せになっているように一見見えるのですが、あくまでイベントを円滑にするというふうに理解しますけれども、いかがでしょうか。
(事務局)
地域福祉課佐野です。
小川委員ご意見、ご質問ありがとうございます。
おっしゃる通り国際手話に関しましては、デフリンピック関連の取り組みでもありますので、今皆さんにお配りしている資料1の3で(関連)デフリンピックの機運醸成等ということで3,198万円という金額が入っているかと思いますが、その後ろに括弧で798万円というふうに書いてあります。これでその右側に再掲分を除き、ページ頭数字の外数というふうになっております。
おっしゃる通り、国際手話の関係、今話には出ておりませんが、ろう者に対する理解促進の動画の作成、この2つについては、デフリンピックの機運醸成の一環としてやりますので、3,198万円の中に入っています。
ただ、後程資料4でデフリンピックの取り組みをご説明するんですけれども、他にもデフリンピック関連の取り組みが様々ある中で、特に国際手話について手話通訳者の方々を対象とした講座でもあり、またろう者に対する理解促進動画というのはデフアスリートに出ていただきながら、ろう者等への理解を促進するということなので、この2つの事業は手話言語の普及推進の方にも載せているということで、両方に載っているということになります。
ただ、ちょっとわかりづらくて恐縮ですが、資料1の右肩に予算額が全額入ってますけど、この数字には国際手話とろう者の動画は入ってるんですが、それ以外のデフリンピックの機運醸成、数千万円、その部分は入ってない、外数になってますので水増しみたいになってるとか、そういうことはありませんのでその点だけご説明させていただきます。
(事務局)
障害福祉課の長谷部です。小川委員のご質問に追加でお答えします。国際手話の講座については、この資料の4のところでこの後ご説明しますけれども、手話通訳者等を対象にしてというふうにしてありますが、いろいろ調べている中では、国際手話の入門を始めるにあたって、日本手話の通訳の経験がない方でもできるというふうには聞いていて、やりたい方を募集したときに、一般の方からご意向があれば、その参加も認める方向で考えたいというふうに思っています。今活動されてない方たちでも、デフリンピックを契機として、ちょっと手話っていうものに興味があって国際手話をやってみようという方が参加されることで、その方がその後日本で普通に活動される手話通訳者になっていただけるといいなということも含めて目的として考えているところです。
(小川委員)
基本的に私も、デフリンピックがこの時期に行われるということは、すごく手話言語の普及にも役に立つし、ろう者の理解にも繋がると思うので、大いに進めていただきたいと思っております。
たまたま予算の配分のところで、気になったので狭くとらえていってしまいましたけど、ひいては、広く県民国民に手話言語を広げていくことになると思っています。
2000年の後半、2025年がデフリンピックですけど、2027年にろう者の歴史の学会とか大きな国際学会も開かれるように聞いておりますので、これからろう者の方々への理解とか、歴史的なものなんかを見返す時期に差しかかってくるのかなと思っておりますので、いろいろな機会をとらえて手話言語が普及していくことを期待しております。
(石渡会長)
ありがとうございました。
(山本委員)
神奈川県手話通訳者協会の山本です。
予算のご説明いただいて、大分予算がいろいろ色づけされて大変嬉しいことで、ありがたいと思っています。
その中で、本当に予算が右の端の欄を見ますと増えてますよね。これがどの部分でどう増えたものなのかがちょっと見えづらくて、手話言語条例にのっとった推進計画の中で、私たちが求めている内容として、どのように色づけされていたものなのか、先ほどの国際手話のこともそうなんですが、それ以外のことでもちょっとこれが不明瞭なような気がするんですね。もうちょっとこの推進計画に則った進捗が見えるような表記の仕方にしていただけるとわかりやすいかなと思いました。
(石渡会長)
今のご意見について、お願いいたします。
(事務局)
地域福祉課の佐野です。
山本委員ありがとうございました。なかなかちょっと細かくいろいろ書き込んでわかりづらく申し訳ありません。
まず、この資料1の2の表でありますけれども、この表に記載をしている事業ないし予算額については、手話の推進計画に位置付けをしている事業となりますので、計画に位置付けた事業の予算規模ということで、申し上げます。ただ山本委員おっしゃるように純粋に手話の普及っていうところで見た予算額がちょっとわかりづらいというご指摘なのかと思っております。
お答えになっているかわからないんですが、今回の当初予算の中で、私どもの方で特に力を入れて金額を増やしたものとしましては、まず(2)、手話に関する教育及び学習の振興というところで、ろう児及び保護者等に対する乳幼児期からの支援という部分があります。
こちらにつきましては、子どもたちの小さいうちから保護者の方にも手話という選択肢を提供していき、支援していくということで、これは今回力を入れて、庁内でも議論をし、予算を伸ばしたところであります。
この中に2つ事業が入っていて、1つ目の乳幼児期からの手話の習得機会の提供、支援に1,333万円と入ってますが、こちらが手話交流会「しゅわまる」です。あと保護者支援それの開催費用ということになります。
その1つ下の聴覚障がい児早期支援に係る相談窓口の設置等というのは、今までモデル事業としてやっていたものをもっと県全体に広げていくということで今回増やしておりまして、こちらは手話だけというよりは少し広くとらえて家族教室とかいろいろ入っているので、全体的な話ということになります。
ですので、山本委員がおっしゃるその手話だけっていうことであればその上の1,333万円ということになるかと思います。
ただ、私どもとしては両方とも計画に位置付けた事業として、また広くそのろう児及び保護者に対する乳幼児期からの支援ということで、受けとめて両方書かさせていただいています。これが1つ大きく今回事業として伸びている部分です。
もう1つは先ほどから話題になっておりますけれども、デフリンピックを契機にして、県民の方にろう者に対する理解促進をしていこうということで、動画を作成していく予定としておりまして、(1)の事業の1〇目のポツのところのろう者に対する理解促進のための動画の作成。この辺りが主な増要素となっております。
(石渡会長)
はい。ご説明ありがとうございました。山本委員、何か補足ございますか。
(山本委員)
はい、わかりました。
次回から、もうちょっとわかりやすい表記の仕方がよろしいかなとちょっと思いました。よろしくお願いいたします。
(石渡会長)
はい。それでは次回からは少し資料工夫していただけたらと思います。この1番目の手話の普及関連で、何かまだご意見おありの方いらっしゃいますでしょうか。
(河原委員)
資料1の予算のところですが、質問したかどうか忘れてしまいましたけども、改めてお伺いしたいと思います。終わりの方に(3)最後のところの丸、知事の会見会議等を開いたときの手話通訳の派遣と配置等とありますけれども、予算が750万となっておりますが、プラスになっておりますけれども、これは、どうしてこのようなプラスになったのか、増えたのか。教えていただきたいと思います。
(事務局)
地域福祉課佐野です。
河原委員ご質問ありがとうございます。
こちらの知事会見や会議等開催時の手話通訳配置等といいますのは、これを手話言語の普及推進に入れるべきか否かという議論はあるかと思うんですけれども、各課などで会議を開催するときに、本来手話通訳をつける必要がある、用意する必要があるんですけど、なかなかその予算というものが取れていなかったという実情がありまして、そちらも毎年私どもの方から周知をしているうちにだんだん伸びてきまして、いろいろな課で会議をやったり、行事をやるときには、ろう者の方がいらっしゃる時にはということですが、手話通訳を用意をするということであらかじめ予算を取っているものです。
手話言語の普及推進というのは本当に合理的配慮の部分の金額が多いと思っております。
(河原委員)
わかりました。地域福祉課の方で、それぞれの課においての手話通訳の予算をつけるように働きかけてその結果、全部合わせると、この750万のプラスの手話通訳者関係の予算がついたというふうに理解してよろしいでしょうか。
(事務局)
はい。私どもの方ではそのように計算しております。
(河原委員)
はい、わかりました。ありがとうございます。
(石渡会長)
手話の普及のところで、貴重なご意見たくさんいただきました。予定時間の半分ほど過ぎていまして、予定の議論はなかなか進んでいないんですけど、とりあえず5分休憩を取らせていただきたいと思います。
(休憩)
(石渡会長)
再開をしたいと思います。
少し急いで進行させていただきます。2番目の柱です。手話に関する教育及び学習の振興ということで、事務局からの説明をお願いいたします。
(事務局より資料の説明)
(石渡会長)
はい。ご説明ありがとうございました。ということで、教育学習関連のご説明いただき、先ほどの予算のところでもあったんですが、乳幼児への支援というのを本当に手厚くやってくださっていると私は思いましたが、ここの部分についてご質問やご意見おありの方、お願いをいたします。
(山本委員)
この中核機能、モデル事業ですね。
多分、他の県の場合だと、病院等に委託をするということが多いのではないかなと思うのですが、神奈川県が情報提供施設、聞こえない方々のためのすべての網羅した情報を持つ福祉センターにお願いしたというのは素晴らしいことだなと思いました。
多分、これが大きい病院等につないだ場合、情報提供施設との方との連携はなかなか難しいと思うんですけれども、センターと繋がったことで、医療とセンターの繋がり、パイプを太くしてすばらしい効果を上げていくのではととても喜んでいます。
県の判断が素晴らしかったなと思っています。ありがとうございました。
(石渡会長)
ありがとうございました。
ということで、情報提供センターの期待もあるかなと思うんですが。では河原委員。
(河原委員)
(7)真ん中のところの丸の最後、ろう・難聴者教員が講師になって、ろう学校の中の職員などに対しての手話講習会を行っているというふうに書かれています。
ろう学校にいる先生と、職員は、手話でコミュニケーションができる力は必ず必要だと思っております。
こういう方法で手話の講習会をやるということが、悪いことではないと思うのですが、手話という言語を教えるということは、誰でもできるわけではないと思っております。
皆さんも日本語を教えて欲しいと言われたら自分では日本語ができるけれども、
日本語を指導するというのはまた別の話で難しいのではないかと思われます。
手話を指導するということはやはり専門の人が来て、その人に教えてもらうということが大切ではないかと思います。
もう1つは、3月の中頃、横浜国立大学の雁丸先生をお招きして、ろう学校の現状、ろう教育についてお話をしていただきました。その中に今のろう教育で問題になっていることの1つとして、ろう学校へ来る先生が手話がわからないということがあり、大きな問題になっています。
学校で生活をしている中で自然に手話を覚えるということは間違いではないんですが、それよりもきちんと手話の研修を受ける体制がないということが大きな問題になっているというお話をいただきました。
ろう教育の専門性を考えると、まず子どもとのコミュニケーションができるということが基本になると思います。
それがないまま教育をするというのは問題ではないかなというお話がありました。そのあたりも県の教育委員会としてきちんと考えて、ろう学校へ来る教員が手話を学ぶことができるような研修をやっていただきたいと思っています。以前から繰り返しお願いをしているのですが、ぜひ考えていただきたいと思っております。
(石渡会長)
ろう学校での手話の教育ということでお話があったんですが、まず実践をしていらっしゃるお立場で、平塚ろう学校の杉﨑委員このあたり何かあればお願いいたします。
(杉﨑委員)
今、河原さんからお話いただいたのは、まさにろう学校の中で大きな問題になっていると思っています。
異動されてこられる先生方は初めてろう学校にこられて、しかも専門的な教科指導をしなきゃいけない。コミュニケーションも手話を使って子どもたちの意見を引き出したり、やりとりをしなければいけないというような状況の中で、異動すれば待ったなしで授業が始まるわけですから、そこをどうやって進めていくかということで、ここの中にも書いてありますが、手話アドバイザーという存在があったりします。
平塚ろう学校の中で手話アドバイザーいらっしゃいますけれども、次の手話アドバイザーを育成していかなくてはいけないという課題もあります。それをどのように進めていくか県の教育委員会とも相談させていただきながら進めないといけないと思っているところです。ここが今、河原さんの質問のところに対して、ろう学校の現状としてお話させていただきました。
それからちょっと話が変わりますけれども、先ほどの乳幼児相談のところで、早期支援体制ということにつきましても県の方で進めていただいて本当にありがとうございます。ただ本校の方の乳幼児相談の課題として、県の地域によって例えば県西地域などにお住まいの方だと、なかなか支援を受ける機会が難しいっていうような状況があるということも現場の声として聞いています。お子さんを抱えて、平塚ろう学校まで来るということが難しい状況、藤沢まで行くのは難しいような状況です。
県西地域での相談体制の充実がさらにも望まれるのではないかという現場からの声がありますので、その辺りも今ここでお話させていただきました。
(石渡会長)
ありがとうございました。まず河原委員からのご質問に関して事務局お願いしてよろしいでしょうか。
(事務局)
神奈川県教育委員会特別支援教育課の江頭と申します。
河原委員、ありがとうございました。今、平塚ろう学校の杉﨑委員の方からもお話がありましたとおり、ろう学校で指導する教員の専門性の向上に関しては、各学校ですとか、総合教育センター、他課との連携も含めてまた今後いろいろ考えていけるといいかなと思いますので、いろいろなところと連携しながら考えていきたいと思います。
(石渡会長)
杉﨑委員や事務局のご説明を受けて、さらに河原委員何かご発言ございますか。
(河原委員)
前も同じような答えをいただいたと思うんですけれども、計画が始まってそろそろもう10年近くになりますね。
実際に研修センターで、集中研修みたいなことを始めるなど、具体的なことを始めていただきたいなと考えています。
(石渡会長)
ありがとうございました。大事なご指摘をいただきましたのでぜひ次回のときに進展をと思います。
(田村委員)
これは参考の情報なんですけれども、今転任されてきた先生方の手話の学びの話が出てきていると思うんですけれども、一方で教員養成大学でどうしているかという話をしますが、大学の規模によってかなり違いますので、先ほどの手話の呼びかけにしましても小回りがきく学校もあれば、マンモス校ではなかなか難しいという問題があったりします。
一方で、帝京大学を抜けてもう3年経ってますので今どうなってるかわからないんですが、以前は教員免許、ろう学校聴覚障害の特別支援学校教員免許状を取得する学生には、手話も含めてかなりろう学校の内容について細かく授業の中で取り入れていました。
校長会と連絡をとりまして、ろう学校の生え抜きの副校長先生、校長先生を退職された方に来ていただき、手話についてもかなり系統的に教えて、ろう学校教員の免許を取得するというふうにしていました。
ただすべての学校でそのようにしているとは限りませんし、これからの教員養成の中で難しい課題の1つだと思っています。
なお数年前から、文科省の方が方針変えまして、すべての教員免許を取る学生に、特別支援教育についてのことを他の小中高の免許を取る学生にも必ず学習しなきゃいけないシステムになっておりますので、今後、教員養成する段階では少しずつ改善されていくんじゃないかなと思っています。
(石渡会長)
大学でもいろいろ工夫をしてくださっているということですので、大学の状況なども踏まえてぜひ教育委員会としても新しい施策を打っていただきたいなと改めて思います。
それから、乳幼児の支援のところについて、聴覚障害の情報センターへの期待みたいなのも、山本委員から出たと思うんですが、熊谷委員何かこの件については所長の立場でございますか。
(熊谷委員)
中核機能モデル事業が昨年1月から始まりまして1年3ヶ月経ちました。
始まったばかりということでして、これまで連携のない場所、医療機関、療育機関など、事業の方向性として連携を強めていこうということで、各機会に挨拶に行って聴覚障害についての確認など、情報交換をやってきました。
併せて、県内の保育園や幼稚園に出向きまして、周知をいたしました。
その時に、研修会を何回か開きまして、保育所の中に聞こえない子供が入ってきて、
これまでは接し方がわからなくてどうしていいかわからなかったなどいろいろ意見を聞きました。そういう意見が少しずつ伺えて、今後連携を深めていこうと考えています。
(石渡会長)
ありがとうございました。医療と福祉と教育の連携が進んでいるようですので、また今後もよろしくお願いいたします。
まだご意見おありの方もいらっしゃるかなと思うんですが、次に柱の3番目に、手話をしやすい環境の整備ということで、準備をしていただいていますので事務局ご説明お願いします。
(事務局より資料の説明)
(石渡会長)
ありがとうございました。
今のご説明についてご意見おありの委員の方お願いをしたいと思います。
(熊谷委員)
(10)のところです。災害に関するところを申し上げます。質問ではなくて意見として申し上げます。右側の端っこの方向性のところをご覧ください。丸の2番目のところです。
避難所、非常時のときのろう者との意思疎通できる環境の整備を進めるというところがありますが、手話は言語です。
言語は生きていく上で生きがいを与えてくれるものですね。言語がないと、精神も体の調子も悪くなるということです。本当にその意味でも、手話は言語として大切です。
手話は、相手と同じ手話を持っている人がいれば、同じように手話でコミュニケーションができます。
それが、ろう者が1人の場合は相手が聞こえますので、コミュニケーションが成り立ちません。その時は筆談という形だけで心も元気にはなれないですね。相手があってのコミュニケーションということです。
災害が起きたときには非常に不安な状況になります。不安なときに、避難所においてほとんどの場合、聴覚障害者が1人か2人ぐらいそれぞれ散らばるという形になるとことが多いと思います。
そういう状況の中で、家に戻ればいいんですが、戻れなくて1ヶ月2ヶ月というふうに長い避難生活になりますと精神的に辛くなります。
例えば、石川県の能登半島沖地震のときに、その様子を見て思ったことがあります。第一次避難所でしばらくして第二次避難所に行く場合に、石川県の中では1ヶ所だけだったんですね。希望のある人たちが、聴覚障害者がそこに集まって、避難生活を送ったというお話を聞き、テレビなどで報じていました。その様子を見て、地震が起きて暗い顔をしているわけではなく、実に明るいコミュニケーション、お互い大変だったねなど、コミュニケーションをとってる様子とか、支援者についてもそこで聴覚障害者が集まっていると支援がしやすいということですね。
何か必要な場合は、第二次避難所で聴覚障害者のためのそういう避難所があればいいなというふうに能登半島の状況を見て思いました。今すぐは無理でしょうが、授業の中にそういう仕組みを入れていただければいいなと思いました。
(石渡会長)
貴重なご意見ありがとうございました。今、能登ではいろいろ厳しい情報も入ってきてますけど、そういう明るい情報もいただけるために、神奈川として何を準備しなきゃいけないかぜひ検討していただきたいと行政にお願いしたいと思います。
(萩原委員)
パブリックコメントを手話で提出できるというような神奈川の非常に先進的な取り組みだと思うのですが、11件というふうに記載があったと思いますけれども、これはすべてのパブリックコメントではないということなのか、どういう基準で手話で提出できるもの、できないもの、或いは手話でパブリックコメントを募集しているものが仕分けられているのかというところを教えてください。
(事務局)
地域福祉課佐野です。萩原委員ご質問ありがとうございます。
パブリックコメントでの手話による意見提出への対応ということで、11計画実施と書いております。
こちらはですね、計画の概要をパブリックコメントに手話の動画で掲載したものが11計画ということでして、これは従来から保健福祉の関係の計画についてはすべて動画を作成するという扱いにしておりまして、日頃、皆様の生活に関係が深いところということで、やっております。
ご意見を手話でいただくということについては、この11計画に限らず、県のすべての計画で、ご意見を手話でいただくということは受け付けておりますので、どの計画でも出していただけるようになっております。
(萩原委員)
はい。ありがとうございます。
限りのある人手とか予算なので、広げていけばいいっていうことじゃないと思うんですが。
さっきの、熊谷さんのご意見でもありましたけど、例えば防災計画なんかも非常に命に関わるところで意見を出したいと思われる方も多いのではないかというふうに思いますので、保健福祉だから手話だっていうことじゃない見直しの中で、手話が広がっていくという視点もどこかでご検討いただけるといいかなと思いました。
(石渡会長)
大事なご指摘ありがとうございました。ぜひ、保健福祉以外でもっていうところで広げていただきたいと思います。それからここの柱では、通訳介助員の養成のことなども出て、先ほど石井委員からも厳しいご指摘があったんですが、川島委員何か全体通してでも結構ですが、ご発言あればお願いをしたいと思いますが、いかがでしょうか。
(川島委員)
ゆりの会の川島です。今、盲ろう者の立場で一番関心のあることは、手話の技術を持っている通訳介助員が足りないということです。
そのことは、今まで何度も何度も繰り返し意見を出させていただきました。
また、来年デフリンピックが開催されますよね。これは今後、日本においても手話の通訳を増やすために大事な機会だというふうに思っております。
なぜかと言いますと、手話通訳がたくさん増えるということは、今、盲ろう者通訳介助員の派遣の登録を持っている通訳介助員の養成を行うために、手話のスキルを持っている通訳者の方たちの参加がたくさん必要になるということです。
ですから、盲ろう者としては、今まで手話のスキルを持っている方たちに対して養成講習会への参加の募集を呼びかけておりましたけれども、今、手話通訳者も高齢化しておりまして、若い人材がやはり不足しております。
そのために、一生懸命声をかけてはおりますが、手話のスキルを持つ通訳介助員が足りないという現状があります。
ですから、盲ろう者としては、できれば、若い手話のスキルを持つ通訳介助員の派遣を求めています。
そのためにも、例えば大学、高校にも行って盲ろう者のことをお話し、それを伝える。また、来年デフリンピックのときには、若い人たち例えば大学生、高校生も将来、手話に興味を持っていただき、手話通訳をたくさん養成していただく。
またそれをきっかけとして、盲ろう者のことも、知っていただく。その人たちがいずれ、通訳介助員になっていただくというふうにできたらいいなというふうに思っています。
そのために、来年のデフリンピックということは、とても大きなイベントになると思っています。将来、手話を使っている盲ろう者のためにも、通訳介助員の派遣を受ける機会は、やはり難しくなってしまうということを懸念しておりますので、ろうあ者関係の皆さんにもお願いしたいことがございます。
それは、自分の地域にも手話のサークル、または、手話のできる若い方たちがおられたら、ろうあ者の方々からも手話通訳になっていただきたいと当事者からの声かけをしていただければというふうに思っています。
はじめに、県の方から大学66ヶ所に対して講習会の案内を出したというふうなお話がありましたけれども、効果がなかったというようなお返事がありました。
それは多分、当事者からの声がなければ、その効果が薄らいでいるんだと思います。
ろう者からも、参加していただきたいというようなことを大学に出向いてPRしていただく、そういう場を作ることも大事かなというふうに思っています。
ぜひ、聴覚障害の皆様のご協力もいただきたいなというふうに思っております。
(石渡会長)
大事なご指摘ありがとうございました。
ぜひ若い支援者を作るみたいなところでは、方法を考え直していただくことがまた必要かなと思いました。
(山本委員)
今回しゅわまるの事業の拡大であるとか中核機能の充実であるとか、難聴ろう児のための様々な事業が拡大していて本当に嬉しいことです。
やはり手話を言語とする皆さんが人格を尊重されて、人生最期まで豊かに生きていただくために、子どもの支援もとても大事なんですが、今亡くなろうとしている、それも手話でしか生きてこれなかったその昔差別とか偏見とかの目で見られた方々が、最後のときを迎えようとしています。
さっき熊谷さんが災害時の避難所の生活の話をされていました。今の高齢者の点在した暮らしと本当に似ています。
手話言語なくして亡くなろうとする方々がいる。私たちも情報が全く入ってきません。
個人情報の観点から、ぜひ県が中心になって、市町村の点在してひとり暮らし、施設暮らし、グループホーム、いろいろな場所で暮らしていらっしゃると思いますが、そういった方々の情報を市町村と協力して団体の方に上げていただけるっていうことはできないでしょうか。
手話ができる職員が配置されることよりも、現実的に見て点在している、そして、それが1人じゃなくて2人3人になることで手話コミュニティができる。その場所には必ず支援されている方々も、配慮に目覚めたり、手話の習得にも繋がっていく相乗効果が絶対あるはずなんですね。ですので、このことを今後の課題として皆さんと共有させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
あと、神奈川県の方では、横浜川崎もあります。県域もそうなんですが、聴覚障害者団体がミニデイサービスを主催しています。これも本当に手弁当で、意欲のある人が集まって一生懸命やっています。それに対しても、遠方からどうしても集まれない高齢者がいるんですね。そういう人たちをどうやって地域の中で同じようなデイサービスとかも主催できるのではないかと。そういうところの工夫もぜひ皆さんと一緒に考えていただきたいんです。今、手話サークルの方々、手話の学習者の方々ですね、こういう方々が一生懸命このミニデイサービスの手伝いをしています。生きた手話を習得している方々が、その中にいらっしゃいます。
そういった方々は将来手話通訳を目指します。必ず素晴らしい通訳者になるでしょう。
ぜひ、この視点で皆さんと考えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
(石渡会長)
これもとても大事なご指摘だと思います。ぜひ検討していきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、報告事項2つ事務局からお願いいたします。
(事務局より資料の説明)
(石渡会長)
はい。ありがとうございました。このコミュニケーションボードも本当によくできていると思います。非常に大事なことかと。それからデフリンピックについては、今日いろんな方から期待の声やこれから取り組むべきことについてご指摘がございましたので、まだご発言しそびれている方もいらっしゃるんですが、とりあえず、これで進行も事務局にお返しして、閉会へということにさせていただくことになると思います。本当に貴重なご意見たくさんありがとうございました。ではお願いします。
(笠井課長)
皆さん、熱心なご議論いただきましてありがとうございました。県に対しても様々なご期待をいただきました。一遍に全部できるわけではありませんけれども、皆さんからいただいたご意見を踏まえて取り組んでいきたいと思っております。
それでは、事務局の方から連絡事項をお伝えします。
(事務局)
次回の令和6年度第1回協議会は8月頃を予定しております。以上です。
(笠井課長)
本日、時間が不足する段取りで本当に大変申し訳ございませんでした。本日の協議会についてはこれで閉会とさせていただきます。誠にありがとうございました。
02_資料1_令和6年度手話言語の普及推進に向けた取組(PDF:163KB)
03_資料2_「神奈川県手話推進計画」に係る進捗状況・実績について(令和5年度)(PDF:311KB)
04_参考資料1_令和6年度新規事業等(地域福祉課)(PDF:176KB)
05_参考資料2_しゅわまるベビークラスチラシ(PDF:1,195KB)
06_参考資料3_聴覚障がい児支援中核機能事業の取組(障害福祉課)(PDF:492KB)
07-1_資料3_災害用コミュニケーションボード利用案内(PDF:512KB)
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。