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初期公開日:2024年12月25日更新日:2024年12月25日
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かなテラス(かながわ男女共同参画センター)では、「ジェンダー平等社会の実現」を核として、すべての人が働きやすくなるようダイバーシティ&インクルージョンを推進するため、「D&Iかながわメンバーズ」によるメンバーズ会議を開催しました。
県では、すべての人が働きやすくなるようD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の取組を県全体で推進するため、令和6年3月に「D&Iかながわメンバーズ」が発足しました。(現在69企業団体がメンバー登録中)10月に令和6年度の第1回メンバーズ会議を開催し、「男性の育児休業取得促進について」をテーマに講師による講義、メンバーズ企業による事例発表、意見交換を行いました。
日程 | 令和6年10月10日(木曜日)14時50分~17時 |
開催形式 | オンライン開催 |
参加者 | 26企業・団体(36名) D&Iかながわメンバーズ登録企業・団体の実務責任者等 |
テーマ | 男性の育児休業取得促進について |
内容 | ・講義( 講師:東 浩司 氏) ・事例発表(日産自動車株式会社) ・グループディスカッション 「育児休業取得についての自社の現状、取組と課題」について ・発表 |
育児・介護休業法の施行以降、女性の育児休業取得率は高い水準で推移しているが、男性はようやく30%を超えた状況。政府は2030年までに85%を目標に掲げていて、大変高い目標値ではあるが、21世紀職業財団の調査で、20代の男性の80%以上が「育児休業を取りたい」と回答していることから、当事者となる方々が「取得したい」という意識を持っているのであれば、その妨げとなっていることを取り除いていくことで実現可能と希望を持っている。
(講師スライドより抜粋↓)
男性の育休取得が進まない主な要因として、1.代替要員がいない、2.収入が減る、3.取得できる雰囲気がない等がある。特に課題とされている代替要員の確保については、業務カバーを担った従業員に報いる仕組みを導入するなどの取組を進める企業もあることを紹介。また、「子持ち様」という子育て中の職場同僚を揶揄する言葉がSNS上などで話題になっていることを挙げ、男性の育休は意識の啓発だけでは解決できない「実践」「定着」という段階に来ていることや、育児と仕事との両立支援やキャリア形成支援など、これまで女性への支援策としてやってきたことが男性にも活かせるのではないかという視点を持つことを提案されました。
育休取得率100%という目標はあえて掲げず、性別に関わりなく、誰もが取りたいときに育児休職を取得できる風土づくりに力を入れている。そのために、行ったのはトップのエンゲージメントと従業員のマインド醸成であること。また、近年の傾向として、これまでは女性特有の課題と捉えられがちだった「育児と仕事の両立」に課題を抱える男性従業員が増えてきていることもあり、育児両立者のキャリア支援や従業員ネットワークの形成支援など、休職から復帰した後の働きやすさを改善する取組も進めていることなど発表いただきました。
トップのエンゲージメント | CEOの「イクボス宣言」表明、役員層の理解を促進する |
従業員のマインド醸成 | 当事者向け施策と当事者以外への働きかけ 管理職向けe-learningの活用 |
育児両立者のキャリア支援 | 育休取得前、復帰前、復帰後の3つのタイミングでセミナーを実施 |
従業員ネットワークの形成支援 | 従業員リソースグループ(ERG:Employee Resource Group) |
発表後の質疑応答では、多数拠点がある中でどのような方法で社内セミナーを実施しているか、従業員リソースグループ(ERG)の取組について会社としての活動支援をどのようにしているかや取組における課題について等の質疑がありました。
3~7人のグループで意見交換(30分)を行い、各グループの代表者がディスカッションの内容を発表しました。(一部抜粋)
・課題は社内の理解が進まないこと。管理職の方は年配者も多く、育休取得に対する意識に世代間でのギャップもある。
・学校行事や家族イベントへの参加を促すことで、育休を取る世代に「育児や家族は大事だ」ということを伝え、「育休を取ってもいい」という考え方を広げていく長い目線での取組をしている。
・取得経験者の口コミが広がっていくことが最強。取得経験者からの発信や、経験者又は当事者になったときERGのようなコミュニティーに参加できるような関係づくりを進めることが育休取得促進に有効なのではないか。
・課題は代替要員。部門による平等性の担保、また育休の在り方について会社の理解や教育が必要。
・男性の育休取得希望に関する情報を早く察知し、人員配置計画を立てやすくするようにしている。
・育休復職後の働き方について、残業が求められる中で、子育てとの両立は難しく、性別を問わず課題となっている。もとをたどると“働き方の見直し”というところに繋がる。管理職の働き方の見直し含め、全体で見ていく必要がある。
・年単位の長期で育休を取得する場合にポイントとなるのが昇格。女性もマミートラックなど復職後のキャリア形成が課題とされているが、男性も長期取得においては同様に課題となる。昇格適齢期を過ぎても推薦するなど柔軟に工夫しながら対応している(研修や試験を育休中も受けられるようにしている企業もあり)。
メンバーズ会議事前アンケート(まとめ)(PDF:647KB)
事前にメンバーズ各社へ実施した「男性の育児休業取得促進」についてのアンケート(まとめ)
【講師資料】「D&Iかながわメンバーズ会議(第1回)(PDF:640KB)
今後もメンバーズが参加できる会議を開催予定です。各企業・団体の実務責任者等が集まり、事例発表やグループディスカッションを行うことで、先進的な取組事例を共有したり、他社との意見交換の機会も得られ、D&Iに関する課題・悩みの解決に向けて取り組むことができます。メンバーは随時募集しています。D&Iの取組を進めている、あるいは興味がある企業・団体の皆さま、ぜひご登録ください!