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更新日:2024年9月4日
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神奈川県景気動向指数利用の手引きです。
景気動向指数とは、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することにより、景気の現状把握及び将来予測に資するために作成された指標です。
景気動向指数には、CI(コンポジット・インデックス)とDI(ディフュージョン・インデックス)があります。CIは構成指標の動き(変化量)を合成することで過去と比較した相対的な景気変動の大きさや勢いを測定します。DIは構成指標のうち改善している指標の割合を算出することで景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定し、景気が拡張局面なのか後退局面なのかといった景気の方向性を示します。
それぞれ景気に対し先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数の3本の指数があります。景気の現状把握に一致指数を利用し、先行指数は、一般的に、一致指数に数か月先行することから、景気の動きを予測する目的で利用します。遅行指数は、一般的に、一致指数に数か月から半年程度遅行することから、事後的な確認に用います。
内閣府において全国のCIとDIを公表しており、神奈川県では県版CIを神奈川CIとし、県版DIをKDIとして公表しています。神奈川CIとKDIの構成指標は共通の指標としており、先行指数7、一致指数7、遅行指数6の20系列です。
なお、景気動向指数は、各経済部門から選ばれた指標の動きを統合して、単一の指標によって景気を把握しようとするものであり、すべての経済指標を総合的に勘案して景気を捉えようとするものではないことに留意する必要があります。
神奈川CIは、神奈川県の景気変動の大きさや勢いを測定することを目的としています。
一般的に、CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面で、低下している時は後退局面であり、CI一致指数の動きと景気の転換点(景気の山・谷)は概ね一致します。CI一致指数の変化の大きさから、景気の拡張又は後退の変動の大きさを読み取ります。ただし、例えば景気の拡張局面においても、CI一致指数が単月で低下するなど、不規則な動きも含まれていることから、移動平均値をとることにより、ある程度の期間の月々の動きをならして、その基調的な動きを読み取ります。毎月の統計表には、足下の基調の変化をつかみやすい3か月後方移動平均と、足下の基調の変化が定着しつつあることを確認する7か月後方移動平均をあわせて掲載しています。
景気の基調をみる上では、経済活動の拡張(又は後退)がある程度の期間、持続しているか、またある程度の大きさで変化しているかが重要です。したがって、一致CIが続けて上昇(又は下降)していても、その期間が極めて短い場合は、拡張(又は後退)と見なすことは適当ではありません。また、CI一致指数がこれまでの基調と逆方向に十分に振れてから、その基調が変化したと見なします。
神奈川CIの作成方法は、内閣府のCI作成方法に準じています。神奈川CIの作成方法を簡潔に述べると、個別指標における前月比変化率を、過去の平均的な変動と比較することによって基準化し、それらの平均を求めて合成し、指数化します。
なお、個別指標の外れ値によるCIの振れを抑えるため、個別指標の変動のうち急激な部分について外れ値処理を行っています。
KDIは、神奈川県の景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを主な目的としています。
DIは採用系列のうち改善している指標の割合のことで、景気の各経済部門への波及の度合いを表します。月々の振れがあるものの、一般的には、景気の拡張期には一致指数が50%を上回る期間が多くなり、50%を下回る期間が連続すると後退期の可能性があります。
なお、DIは、景気の拡張が経済活動のより多くの分野に浸透していったことを示す指標であり、景気変化の強さや水準を表すものではありません。このため、現実の経済活動の中で感じられる実感とは異なることがあります。
採用系列の各月の値を、不規則変動の影響を緩和させるため、3か月前の値と比較して、増加を+、減少を-、変化がない保合い(もちあい)の時には0とします。(景気が良ければ減少し、悪ければ増加する性質のある逆サイクルの系列は増加を-、減少を+とします。)
その上で、先行、一致、遅行の系列ごとに、採用系列数に占める拡張系列数(+の数)の割合(%)をDIとします。
DI=拡張系列数/採用系列数×100(%)
(0(保合い)は0.5としてカウントします。)
DIは景気の各経済部門への波及の度合いを表す指標ですので、各採用系列が大幅に拡張しても、小幅に拡張しても、拡張系列の割合が同じならば同じDIが計測されます。CIは景気の強弱を定量的に計測する指標ですので、DIが同じ数値で計測されたとしても、各採用系列が大幅に拡張していればCIは大幅に上昇し、各採用系列が小幅に拡張しているならばCIは小幅に上昇します。このように、CIは、DIでは計測できない景気の山の高さや谷の深さ、拡張や後退の勢いといった景気の「量感」を計測することができます。
一方、DIが異なる数値で計測されたとしても、多くの系列で小幅に拡張した時と、一部の系列が大幅に上昇した時とで、同じCIの上昇幅が得られる場合があります。このように、CIの変化幅そのものからは経済部門の相違を把握することが難しいため、CIの変化幅に対する各採用系列の寄与度やDIをあわせて利用します。
いわゆる景気の山、谷である景気基準日付とは、主要経済指標の中心的な転換点です。景気が拡張から後退に転ずる転換点が景気の山で、景気が後退から拡張へ転ずる転換点が景気の谷です。神奈川県では、内閣府が設定している景気基準日付と同様に、景気循環の局面判断や各循環における経済活動の比較などのため神奈川県景気基準日付を設定しています。
神奈川県景気基準日付は、神奈川県景気動向指数の一致指数の個別指標のうち過半がピーク(ボトム)をつけたことを景気の山(谷)の判定の根拠とし、検証した上で設定しています。
全国の第16循環の景気基準日付に対応する神奈川県景気基準日付について、2023年3月にそれまで暫定設定としていた景気の山(2018年11月)及び谷(2020年6月)を、景気の山を「2018年9月」、景気の谷を「2020年6月」と確定しました。
複数の指標の動きを統合した指標である景気動向指数は、その採用系列が現在の景気の動きを十分反映しているかどうか必要に応じて点検を行い、入替えを行っています。
神奈川県では、2021年3月に採用系列の入替えを実施しました。一致指数は、県生産財出荷指数を除外し、県業況判断DI(全産業)を新たに採用、遅行指数は、県内銀行貸出約定平均金利を除外することとしました。
神奈川県においては、内閣府での2008年6月のCI中心の公表形態への移行を契機に、KDIを補完する参考指標として、2011年1月より神奈川CI(一致指数のみ)の公表を開始しました。
その後、2013年3月に実施した採用系列の入替えにより神奈川CIのパフォーマンスが向上したことから、2013年3月にKDIから神奈川CI中心の公表形態へ移行するとともに、CI先行指数及びCI遅行指数の公表を開始しました。
なお、KDIも景気の波及度を把握するための重要な指標ですので、引き続き、作成、公表しています。
統計調査等によって集計された値には、毎年繰り返される規則的な増減(季節変動)が含まれることが多く、景気変動を把握するため、公表される統計の値から季節変動を除去することを季節調整といい、その方法として、米センサス局法X-12-ARIMAや前年同月比を用いています。
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