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更新日:2021年7月16日

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神奈川県議会 令和3年第2回定例会で可決された意見書・決議

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まん延防止等重点措置等の制度運用の改善を求める意見書

 国は、令和3年6月17日の新型コロナウイルス感染症対策本部において、本県に適用していたまん延防止等重点措置を実施すべき期間を7月11日まで延長することを決定した。
 令和2年4月7日に発出された緊急事態宣言以降、現在、まん延防止等重点措置の延長は本県では3度目となり、コロナ禍での事業者にとって厳しい状況がすでに1年以上続いている。外出自粛や時短営業、休業要請による売上減少などで、新型コロナウイルス感染拡大による飲食業をはじめとする事業者への影響は、深刻なものとなっている。
 よって国会及び政府は、まん延防止等重点措置等の適用により、影響を受ける事業者への円滑な支援のため、事業者の経営環境の安定に向け、まん延防止等重点措置等の制度運用の改善について、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の適用について、事業者等への十分な周知期間を設けるため、感染防止対策に係る方針を速やかに決定できるよう、制度運用の改善を行うこと。
2 仕入を行う飲食店をはじめとした事業者や、商工会議所など経済団体の会員へ情報提供を速やかに行うため、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の期間の終期は平日とし、土日にかかることのないよう配慮すること。
3 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置について、各都道府県知事の要請により感染状況に応じて迅速かつ柔軟に発動可能なものとするよう、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正も含めて更なる改善を検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年6月30日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

 

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する意見書

 近年、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な環境問題として認識されるようになっており、本県では、平成30年9月に「かながわプラごみゼロ宣言」を発表し、令和2年3月には「かながわプラごみゼロ宣言アクションプログラム」を策定して、プラスチックごみの削減と再生利用の促進等の対策を進めている。
 こうした中、本年1月に発効したバーゼル条約の改正附属書の影響で、国内でのプラスチックごみの処理に支障を来すおそれも指摘されるほか、コロナ禍でのテイクアウトやデリバリーの利用によるプラスチックごみの増加など、プラスチックごみを取り巻く状況にも変化が見られるところである。
 このため本県では、プラスチックごみに関する施策を総合的かつ継続的に講じていくため、「神奈川県廃棄物の不適正処理の防止等に関する条例」の見直しについて、本県環境審議会に対し諮問を行い、見直しに向けた検討を開始した。
 一方、国においても、プラスチックごみの問題については重要課題と位置付けて取組を進めており、今後のプラスチックごみ対策の基本方針を定めた「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(以下「プラスチック資源循環促進法」という。)が本年6月に国会で成立した。なお、施行期日は令和4年6月10日までの政令で定める日となっている。
 本県の条例改正の検討と、軌を一にするプラスチック資源循環促進法の施行が予定されていることは大いに歓迎されるところであり、これを契機に、国と地方におけるプラスチックごみ対策が相まって、より大きな効果をもたらすことが期待される。
 そして、その効果を高めるためには、プラスチック資源循環促進法で定めるプラスチックに係る資源循環対策の内容に関する情報を共有し、地方自治体との十分な連携を図ることが不可欠である。
 よって政府は、プラスチック資源循環促進法に基づく政省令などの内容を、可及的速やかに明らかにし、地方自治体に適時適切に情報提供されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年7月13日

内閣総理大臣
総務大臣   }殿
経済産業大臣
環境大臣

神奈川県議会議長

 

看護職員の確保に向けた継続的な支援拡充を求める意見書

 本県の人口10万人当たりの看護職員数は全国で最下位にあり、看護職員の慢性的不足の中、今般のコロナ禍にあって、新型コロナウイルスワクチン接種の打ち手も不足している。
 国の目標どおりに7月中に高齢者へのワクチン接種を完了し、幅広い世代への接種の拡大・加速化を図るため、企業や大学等における職域単位でのワクチン接種が可能となったが、接種に必要な医療従事者は企業や大学等が自ら確保することとされている。
 国においては、潜在看護職が新型コロナウイルスワクチン接種業務に7月末までに従事した場合、就業準備金3万円を給付するとのことだが、本県においても国の就業準備金に上乗せする形で独自の支援をし、ワクチン接種のペースアップに努めている。
 また、現在、自らや家族の感染リスクという大きなプレッシャーと闘いながら、最前線で献身的に頑張っている看護職の労苦を軽減することも急務である。
 よって政府は、全国で70万人以上いると言われる潜在看護職の掘り起こしにより、新型コロナウイルス感染症の収束、医療提供体制や社会機能の維持に向け、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 ワクチン接種業務に従事する潜在看護職への就業準備金の支給対象期間を延長すること。
2 都道府県ナースセンターへの離職時等の届出制度をより実効性のあるものとするとともに、復職支援の相談及び研修の充実、労働環境の改善など、職場定着の継続的な支援を拡充すること。
3 医療提供体制の確保の観点からも、集団接種会場等の業務に従事しているワクチン未接種の看護職及びワクチン接種業務に従事することになる潜在看護職へのワクチン接種を促進するため、滞りなくワクチンを供給できる体制を構築すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年7月13日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
行政改革担当大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

 

コロナ禍における更なる失業者対策を求める意見書

 本県の有効求人倍率は、厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、令和2年5月では0.95倍だったが、令和3年5月では0.78倍と大きく落ち込んでおり、事業者の採用活動は鈍く、雇用情勢が深刻な状況にあることが数字の上でも明らかになった。
 現在、雇用維持のため助成金などの支援が行われているものの、事業者の体力は既に限界に達している。今ある雇用を維持し失業者を出さないこと、失業者の雇用の受け皿を確保することは喫緊の課題である。
 よって政府は、国民の社会的不安を払拭し、生活を守るため、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の実施区域内外を問わず、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 雇用調整助成金について、コロナ禍の長期化による影響が拡大していることを踏まえ、業種や業況にかかわらず特例措置を引き続き延長し、事業者が雇用を維持できるよう切れ目のない支援を行うこと。
2 持続化給付金や家賃支援給付金の再度の支給や要件緩和・事業規模に応じた支給額の引上げを行い、事業者にとって事業を継続する上で十分な支援となる制度とすること。
3 休業や営業時間短縮要請を円滑に行うための協力金について、十分な額を支給することができるよう地方創生臨時交付金を増額するなど財政支援措置を講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年7月13日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

 

学校教育におけるデジタルトランスフォーメーションを適切に進めることを求める意見書

 現在、教育の現場では、誰一人取り残すことなく、子供たち一人ひとりに公正に個別最適化され、資質・能力を一層確実に育成できる教育ICT環境の実現を目指すGIGAスクール構想の一環で、児童生徒に1人1台の情報端末並びに校内の高速大容量の通信ネットワークの整備が進められている。
 また、これらハード面の取組に加えて、児童生徒の個別最適な学びと協働的な学びの充実や、特別な配慮を必要とする児童生徒の学習上の困難の低減に資するものとして、学習者用デジタル教科書及びデジタル教材の導入も進められようとしている。一方で、デジタル教科書等のみを使用した場合には、学習の基本能力の1つである読解力の低下を指摘する声もあがっている。
 教育のICT化を進める上では、すべての教職員が情報端末を使いこなし、一定レベルの授業を行うためには、個人情報の取扱い及び管理も含めた教職員の資質の向上が求められる。また、各自治体で整備した情報端末等に互換性がない場合、デジタル教科書等は、転校等で学習情報が引き継がれないおそれがあるため、学びが継続できる環境を整備しておくことが重要である。
 今後各自治体では、学校教育にICTを浸透させ、更なる教育の充実を図るためのデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)の実現に向けて取り組んでいくことになる。
 よって政府は、学校教育におけるDXを適切に進めるため、次の事項について迅速に対応されるよう強く要望する。
1 情報端末の利活用や個人情報の取扱いなど、教育DXに対応する教職員研修の在り方について検討を進めること。
2 システムやソフトウェアの整備、情報端末や通信設備の修繕や定期更新など、教育DXに関する予算の拡充を図ること。
3 様々な仕様の情報端末、デジタル教科書等及び個人認証システムの互換性を確保するため、統一規格についての検討を進めること。
4 よく聞き、よく読み、よく書くなど、基本的な学ぶスキルを身に付ける上で不可欠な、紙の教科書等の活用と対面学習の併用に取り組むこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年7月13日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣            }殿
文部科学大臣
経済産業大臣
情報通信技術(IT)政策担当大臣

神奈川県議会議長

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