更新日:2024年2月20日
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「農産物の上手な利用法」のページでは、オープンラボで実験された農産加工実験や神奈川県農業技術センターの過去の研究成果を紹介しています。
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作り方のアドバイス |
水を張った桶に入れる時には1個1個の状態を確認して水槽に入れてください。表皮の傷が原因となるカビや他の微生物のアタックによる腐敗や変質は目で見て確認できます。それから、1個1個を水に入れ、表面を洗うときにもトマトに触れるので観察では分からなかった変質も分かります。
トマトが十分に熟していない場合は原料から除いた方が良いでしょう。
傷んだ個所がごく一部なら包丁で切り取り、健全なところは原料として用いることができます。ていねいな作業をすると歩留りも向上します。
トマトのヘタは加熱の前に取り除いてください。ヘタをつけたまま加熱すると青臭みが強くなる可能性があります。また、ヘタは加熱されると黒色に変化するので、ピューレに残ると異物のように見えます。手作業でとる場合は小さなスプーンを用いてください。スプーンの縁を薄く削って、ヘタをえぐり採り易く改造した道具を利用すると比較的効率よくできます。
トマトは丸ごとよりも切った方が早く熱が加わり、煮解けが早くなります。小さいトマトなら丸ごとでもかまいませんが、大きなトマトは小さく切ってから加熱しないと時間がかかり過ぎます。加熱し、沸騰すると解けてしまうので、細かく切る必要はありません。ザクザクと極粗く切ってください。
トマトを粗く切りながら鍋に入れてください。トマトから液汁が出て、鍋底にたまってきます。液汁が少し溜まってから、加熱すると焦げつくことが少なくなります。
加熱するとき、少量の水を入れて、沸騰させてからトマトを入れると加熱が楽になります。トマトを焦がさないように加熱して、柔らかくすることができれば良いのです。
大量加工の裏漉しはパルパー・フィニシャーという機械を使って短時間に裏漉しします。
家庭にはこの様な機械がありませんから手作業で裏漉ししなければなりません。調理道具では裏漉し用のシノアもありますが、大きな柄つきザルの様なストレーナーが便利です。大きな金ザルも利用できます。粗い目のストレーナーで濾してから、細かい目のストレーナーで濾すと種の混入が少なくなります。
熱いトマトピューレは手早く、ビンに詰めなければなりません。ビンに入れる量はビンの上端から7~8mmのところまで入れてください。多すぎても、少なくてもいけません。多く入れると脱気のために加熱するときいビンから溢れでることがあります。少ないと脱気を良くしてもビンの中に残っている空気・酸素の量が多くなり、色や風味が変化してしまいます。
温度の下がったトマトピューレをビンに詰めることは避けてください。温度の下がったトマトピューレをビンに詰めると、脱気・殺菌工程でトマトピューレに抱き込まれた空気が膨張し、ビンを溢れ出ることがあります。
脱気の時間はビンに詰めたトマトピューレの温度とビンの大きさによります。トマトピューレの温度が低ければ脱気の時間は長くなります。また、ビンが大きく、太くなればなるほど、脱気の時間は長くなります。いずれにしてもビンに入れたトマトピューレの中心温度を殺菌に必要な温度まで上げなければならないからです。トマトピューレの温度が十分に上がればトマトピューレとフタの間のヘッドスペースの空気も熱くなり、膨張してきます。ヘッドスペースの空気が膨張しているときにフタをキュッと締めつければ、温度が下がってくれば減圧状態になり、残っている酸素も少なくなり、色や風味の変化を抑えることができます。
冷暗所に保存することが肝要です。フタを開けなければ長期間の保存ができます。フタを開けたトマトピューレは微生物が繁殖しやすいので冷蔵庫に保管し、速やかに使ってしまいましょう。
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