ホーム > くらし・安全・環境 > 生活と自然環境の保全と改善 > 野生動物と自然環境の保全 > 神奈川県自然環境保全センター > かながわの森林を知りたい > ニホンジカの保護管理 > ニホンジカ管理捕獲
更新日:2024年3月31日
ここから本文です。
神奈川県で実施しているニホンジカ管理捕獲について解説しています。
現在神奈川県では丹沢山地を中心に、オーバーユースやブナの立ち枯れ、林床植生の劣化など、様々な問題が起こっています。その中でもスズタケの退行に代表される林床植生の劣化は大きな問題です。これは、一部の地域で高密度化したニホンジカ(注1)による過度の採食が原因であると指摘されています。林床植生の劣化は、降雨や風・霜などによって土壌が流出し、森林機能の低下を招くだけでなく、それによって食物不足に陥ったニホンジカ自体の栄養状態の悪化(注2)にもつながり、そのまま放置することは丹沢の植生劣化が進行するだけでなく、シカやその他の生き物への影響が出る可能性も考えられています。このため、高標高域でシカの高密度化を解消し、自然植生を回復させることを目的として、神奈川県では平成15年度よりシカの管理捕獲を実施しています。
(注1)シカは本来平野部(里)の生き物です。しかし、人間の生活圏や経済活動の拡大により、人間の影響が少ない山地に生息域を追いやられてしまったことが高密度化の主な原因の1つです。
(注2) 個体の矮小化(わいしょうか:体格が小さくなること)や、伝染病等に対する抵抗力の低下が懸念されています。
シカの影響で林床植生の衰退したブナ林。
林床植生の衰退が進んだ場所は土壌流出も見られます。
植生保護柵内外で植生の状態の差は顕著です。
自然植生回復のための管理捕獲は、主に高標高域の鳥獣保護区内で実施しています。地形や現場までのアクセスの問題から、山頂部等での管理捕獲実施が困難な状況が続いていましたが、平成24年度から、自然環境保全センターに、シカの管理捕獲に専従的に携わるハンター(ワイルドライフレンジャー)を配置し、山頂部等での管理捕獲等を実施しています。
管理捕獲実施状況(神奈川県ニホンジカ管理事業実施計画 年次計画に記載)
管理捕獲へ向かうハンター
捕獲したシカの体重測定
稜線部で捕獲を行なうワイルドライフレンジャー
このページの所管所属は 自然環境保全センターです。