初期公開日:2023年3月30日更新日:2024年6月19日
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玄倉第1発電所改造事業について、ご覧いただけます。
玄倉第1発電所は、昭和33年の運転開始から約60年以上経過し、設備の老朽化が顕著となったため、導水路等を活かしながら(既設導水路活用型)、主要機器(水車・発電機)の改造や発電所建屋の改修を行いました。
この事業によって、最大出力は4,200kWから4,400kWに増加しました。
本事業は、平成25年度に調査を開始し、平成27年度より工事に着手しました。
その後、県営林道玄倉線の斜面崩落に伴う工事中止期間(平成30年1月~令和2年1月)や施設の復旧工事を経て、令和5年1月から試験運転を行い、令和5年2月より、固定価格買取制度(FIT)の適用を受け、正式に運転を開始しました。
【事業期間…平成25年度から令和4年度 概算事業費…21億円(税込)】
水車や発電機は、従前と同様な型式ですが、水車ランナの更新に合わせて、水車効率が向上し、発電電力が増加しました。
また、制圧機や空気圧縮機等の補機を大幅に見直したことで、メンテナンス性が向上しました。この他、油流出事故防止の観点から、圧油装置や潤滑油装置を見直したことで、総油量を低減しました。
入口弁の開閉は、圧油操作から電動操作へ、また、水車発電機のブレーキは、空気操作から圧油操作へ、調速機は、ハイブリットサーボモータへ改造しました。
改修前 改修後
水車は、玄倉ダムの「ユーシンブルー」(※1)をイメージした彩色を施しています。
※1:山北町観光協会ページ
潤滑油装置は、上油槽冷却方式から自蔵式へ改造しました。
また、軸受冷却方式の発電機軸受を空気冷却器の設置により空冷化となり、水車軸受は、水車上カバー取水冷却方式とし、大型の冷却装置を省略しました。
改修前 改修後
発電機は、神奈川県西部の特産である「湘南ゴールド」(※2)という果実をイメージした彩色を施しています。
発電所建屋は、建物の外装と内装の補修、発電機室内の防音壁設置や、屋外機器の省スペース化を行いました。
また、クレーン作業を行うための作業構台をEPS工法(※3)により設置しました。
※3:EPS工法…大型の発泡スチロールブロックを盛土材料として積み重ねていくもので、材料の軽量性、耐圧縮性、耐水性及び積み重ねた場合の自立性等の特徴を有効に利用する工法。
改修前 改修後
最大斜度約45度の水圧鉄管路約400mのうち劣化が進行していた水圧鉄管約90mを更新するとともに、伸縮接手及び点検台8基を更新しました。急傾斜な管路上での作業であったため、クレーン付き仮設モノレールを用いて施工しました。
モノレール全景 クレーン付きモノレール
着工前 完成
利水課所管ページ:玄倉ダム
このページの所管所属は 酒匂川水系ダム管理事務所です。