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初期公開日:2025年3月12日更新日:2025年3月12日

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南海トラフ地震の神奈川県への影響

神奈川県は、南海トラフ地震の想定震源域からは外れていますが、地震が最大クラスの規模で発生すると、強い揺れと大きな津波に見舞われ、大きな被害が見込まれています。

南海トラフ地震により想定される神奈川県の被害

  • 南海トラフ地震は、プレート境界(南海トラフ)の震源域が「ずれる」ことで発生します。震源域がずれて地震が発生することを「割れる」と表現されることがあります。

※詳しくは気象庁ホームページ「南海トラフ地震のメカニズム」をご覧ください。

  • 南海トラフ地震は、想定震源域の広い範囲で一度に割れる(「全割れ」とも言われます)場合や、東側と西側が別々に割れる(「半割れ」ともいわれます)場合があり、これが連続して発生することもあります。
  • 想定震源域の全域や東側で地震が発生した場合、神奈川県でも地震の揺れや津波への対応が必要となります。
  • 想定震源域の西側で地震が発生した場合でも、神奈川県を含む南海トラフ沿いの全ての沿岸部に対して、大津波警報や津波警報が発表される可能性があるため、津波への警戒や対応が必要です。
  • 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)や南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合には、日頃からの地震への備えの再確認等の対応が必要となります。
想定震源域の東側で地震が発生するイメージ

(「マンガで解説!南海トラフ地震その日が来たら・・・」(内閣府(防災担当)・消防庁・気象庁作成)より抜粋)

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想定震源域の西側で地震が発生するイメージ

(「マンガで解説!南海トラフ地震その日が来たら・・・」(内閣府(防災担当)・消防庁・気象庁作成)より抜粋)

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神奈川県の地震被害想定調査

(最大クラスの地震が発生した場合)

  • 神奈川県は、2013年度から2014年度にかけて実施した地震被害想定調査において、南海トラフ地震により想定される神奈川県の被害を推計しています。
  • 震度分布や津波の最大水位、人的被害の想定については次のとおりです。

想定される震度分布

(想定震源域の東側で地震が発生した場合)

  • 県西地域の一部で震度6弱の揺れが想定されます。
  • その他の地域は、震度5強以下と想定されます。
南海トラフ巨大地震(東側ケース)による震度分布

神奈川県地震被害想定調査報告書(平成27年3月)より抜粋)

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想定される津波の最大水位

(想定震源域の東側で地震が発生した場合)

  • 相模湾から東京湾内にかけて、2~9メートルの水位が想定されます。
  • 津波の到達時間は、相模湾内で30~40分、東京湾内で60分以上と想定されます。
南海トラフ巨大地震の浸水分布

神奈川県地震被害想定調査報告書(平成27年3月)より抜粋)

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想定される人的被害

(想定震源域の東側で地震が発生した場合)

  • 全県での人的被害は、死者1740人、重症者100人、中等症者1020人、軽症者1470人と想定されます。
  • また、人的被害のうち、津波による死者は1710人と想定されます。

相模トラフを震源とする地震との比較

相模湾から日本海溝に向けて続く相模トラフを震源とする大正型関東地震の被害想定と比較すると、被害は小さく見えますが、地震の揺れや津波への警戒と備えの重要性は変わりません。

【南海トラフ地震と大正型関東地震の主な被害想定結果の比較表】

神奈川県地震被害想定調査報告書(平成27年3月)より抜粋)

項目 南海トラフ地震 大正型関東地震
モーメントマグニチュード 9.0 8.2
建物被害(棟) 全壊棟数 7,360 393,640
半壊棟数 20,110 410,160
死傷者数(人) 死者数 1,740 31,550
重症者数 100 11,790
中等症者数 1,020 82,730
軽症者数 1,470 95,800

 

※詳しくは神奈川県ホームページ「地震被害想定調査」をご覧ください。

(震源域の東側で発生した場合)

神奈川県では、南海トラフ地震の震源域の最も東側で発生する地震の一つである東海地震の被害想定も実施しています。最大クラスの南海トラフ地震と同様、強い揺れや津波への警戒が必要です。

【南海トラフ地震と東海地震の主な被害想定結果の比較表】

神奈川県地震被害想定調査報告書(平成27年3月)より抜粋)

項目 南海トラフ地震 東海地震 
モーメントマグニチュード 9.0 8.0
建物被害(棟) 全壊棟数 7,360 3,620
半壊棟数 20,110 14,450
死傷者数(人) 死者数 1,740 820
重症者数 100 70
中等症者数 1,020 700
軽症者数 1,470 980

 

※詳しくは神奈川県ホームページ「地震被害想定調査」をご覧ください。

(震源域の西側で発生した場合)
  • 南海トラフ地震の想定震源域の西側で大きな地震が発生した場合、神奈川県では、大きな揺れに見舞われることはないと思われますが、津波は想定震源域の周辺も含め、広い範囲に及ぶ可能性があります。
  • 神奈川県の沿岸域にも大津波警報や津波警報が発表され、津波の浸水の恐れがある場所にいる場合は、沿岸市町の避難指示に基づき、速やかに安全な場所に避難が必要です。
  • また、地震が発生した西側に続き、東側も含めて、南海トラフ巨大地震の発生の可能性が、平時に比べて相対的に高まったとの評価に基づき、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒・巨大地震注意)が発表されるため、後発の地震に備え、日ごろからの地震への備えの再確認や、津波からの避難の継続などの対応が必要になります。

※詳しくは、神奈川県ホームページ「南海トラフ地震臨時情報が発表された時の対応」をご覧ください。

このページの所管所属はくらし安全防災局 防災部危機管理防災課です。