1 審議について
(委:委員・外部専門家発言内容、事:事務局、事業実施課発言内容)
[6番 一級河川小出川 河川改修事業]
[7番 一級河川相模川 河川改修事業]
[8番 一級河川目久尻川 河川改修事業]
[9番 二級河川山王川 河川改修事業]
[12番 一級河川矢上川 河川改修事業]
<事業実施課から事業内容の説明>
委:矢上川について、現地で流下能力を増やすために必要な地上の土地も無く、川幅を広げるのも無理、遊水地を地上に作ることも無理ということで、地下に大深度地下法の適用範囲だろうか、洪水調節池を作るというのが、こういう都市河川における有効な対策であろうと思う。
それで、かなり深いので、排水をどうされるか、説明には出てこなかったけれど、ポンプアップするのであれば、結構維持管理費もかかるのかなということで、そのあたりを見たところ、維持管理費は、前の資料に比べて大分安くなっているので、どういう工夫をされたのか、そのあたりお聞かせいただきたい。
8番の目久尻川について、現地の横断図を見ると、たまたま図面がそうなっているのかもしれないが、少しだけ築堤して余裕高がないような形なので、河川水位そのものは断面掘削もあまりないということで、河川水そのものはあまり変わらないということなので、これまでの浸水が溢水だったのか、あるいは、河川水位が高いために生じていた内水だったのか。内水がある程度多いような状態だと、河川水位を下げない形で築堤しても、それほど浸水範囲が変わらないような感じもするので、そのあたりは、現地の水害の浸水の特性みたいなものとの関連を少し説明いただければと思った。
それから、図面も見ても60トンから90トンへ、1.5倍も流れるにはちょっと見えないということで、少し気になった。
それからもう1つは多自然ということで、必ずしもその川幅の狭いところは法面勾配2割にせずに、少し護岸は急勾配にして被覆して土を被せて自然を回復するようなやり方も多自然川づくりの指針に出てはいるが、この河川は完全に護岸で、そこに植生がつくような形で計画されていると思うが、そういう工法は難しいくらい流速が出る河川なのかなと思ったのだが、そのあたりについて、現地の流速との関連でこのようなタイプの護岸を選んだ理由を少し説明いただきたい。
それから最後の山王川について、これも4ページの横断図が、今はH.W.Lから上にかなり余裕高をとっているが、これは、たまたま橋梁付近なので、クリアランスを取っているだけなのかもしれないけれども、現地を見ると掘込み河道なので、掘込み河道であまり余裕高を取ってしまうと、かなり下流に流れてしまい、下流の安全にも影響するので、むしろ掘込み河道だとあまり余裕高を取らない方がいいとよく言われている。この図面は、橋梁付近だから少しクリアランスを取っているのか、あるいはそうではないのか、あるいは下流区間も含めて、同じように余裕高取っているから、これだけ流しても大丈夫な状況なのか、そのあたりを教えていただければと思う。
委:上川に関して2点、質問とコメントがある。コメントは、資料の中で工程を見直したということで、8ページの真ん中にあるバーチャートの表を見たときに、要するに当初計画は一括施工であったけれども、見直し後の計画が分割施工だ、みたいなことを表にきちんと書いた方がいいということでそこをしっかりお願いをしたいというのが1つ。
それから、もう1つ、上に一応解説が3つ書いてはあるのだが、何かまどろっこしくて、要するになんでこうしたのかというところが、一括施工の時に延びてしまったのだけど、延びた要因が何なのかと、でもそれよりも様々な検討をした結果の総合判断として、早期効果発現を優先すべきだということになったので分割施工を検討して、それでいけそうなのでそれにした、みたいな何かこう、すっきりとした方がいいかなと思った。
特になぜかというと、こっちの真ん中に変なのが挟まっているので、これで話が何か一旦変になってしまう。そこを再整理できたらいいかなと思う。
質問は、6ページの要配慮者の内訳を書いたところについて確認だが、要配慮者としての妊婦とか障害者も国勢調査で分かるのか。
委:3点意見と質問がある。1つは、5ページ6ページに、子母口小学校、東橘中学校と書いてあり、6ページにも東橘中学校の記載があるが、ここは特殊な場所で、小中一貫校なので、東橘中学校のみがあるというよりは、小中が同じ場所にあり、避難場所としては集中している場所だと思う。避難場所として小学校、中学校のみの場合と、小中一貫校が同じ場所にある場合とでは、何か影響が違うのではないかと思うので、そこについて質問したい。
2つ目の意見は、NO.12も8も9も一緒なのだが、6ページの安全・安心・利便性の点と、工事完了まで、例えばNo.12で言えば令和21年までの間の進捗の周知というところが、あまりこの近隣に住んでいる私どもとしても、なかなかそういった情報がないので、どうやって周知をしていくのか、周知は非常に重要だと思うので、こういった場所であるということと、今このような進捗であるということを市民に知らせていくことは重要なので、これをお願いしたいのと、今どうやっているかを、是非、教えていただきたい。
3つ目の意見は、川崎市の学校は、小中全校に支援級が設置されている。全校設置というのが大きな特徴である。最近では支援級が地域で勉強するということで、重度の障害のある方たちも、地域の支援級にかなり入ってきているのが現状である。そうすると、この避難場所が浸水することに加えて、その学校に結構重度の障害のある人もいる現状があるので、そこへの配慮を、今一度、この地域の特殊性も確認いただいて、より周知を強化いただきたい。それによって重度の障害の方たちも対応が早くできると思うので、お願いしたい。
委:今、話のあった6ページの総合的な効果の表現に関する質問とコメントである。安全・安心・利便性の項目の中で、本事業を実施することによって、これらの被害を防止することができると書かれており、防止となると被害ゼロをイメージされるが、浸水区域がゼロになって被害がすべて防止されるという理解で間違いないかと言うことを確認したい。
あと、逆に、その次の地域防災拠点が浸水することで、様々な影響が想定されるが、今回の事業実施により、これらの影響を抑制することができるという表現になっているが、防災拠点が浸水しなくなるのであれば、その影響はほぼ無くなるのかなと思う一方で、拠点だけが浸水しなくて周辺の道路が浸水すると、確かに避難行動には多少の影響が残りそうだなと思ったりもする。この辺りの効果の表現と、実際事業が実施された後の浸水エリアの縮小の規模みたいなものとの関係について、補足で説明をお願いしたい。
あと、その下にある自力避難が困難な妊婦の避難の漢字が誤記である。
委:皆さんからいただいているご質問とも関係の深いところだが、1つはこの60mm対応の意味について、大きな川では、例えば100年に1回、言い方を変えれば100分の1の年超過確率に対応するようにしているが、それよりすごい雨が降ることもあるし、それより低いのが起こることもあるし、要するに確率現象なのだけども、この時間雨量60mmとはどのくらいの確率のことに対応しているのか。要するに変動要素はあるので、だから先ほどの委員が仰った、被害が無くなるというのは、確率現象を意識していないような表現になっているという意味ですものね。その辺の事務局のご見解をいただきたい。
従って、浸水マップも、もう何も無いみたいに書いてあるのだけど、それはどういう状態を仮定するとこうなる、ということであって、その通りにならないことだって、いくらでもあるのだから、あくまで我々がやっているのは、減災に過ぎないのでないかと思う。
その辺に対する配慮に欠けている表現が多いな、という感じがする。これが1点。
それから2点目は、費用を増額しているのだが、その内訳が少し雑過ぎないかと。地盤が硬かったから値段が高くなった、みたいなことで、そんなことで税金を使っていては仕方ない。もっと丁寧な説明がなければ、納得してもらえないので、そこは資料のさらなる充実をお願いしたいと思うし、それがなぜ、事前のボーリングで分からなかったのか、あるいは周辺の様々な公共事業等のボーリングデータから予測できなかったことの理由付けの説明がなければ、納得はできない。分かった上でやっている訳だけれど、資料として残していただきたい。
それから3点目。これは前の委員も仰ったことだけれど、地域防災拠点をなぜこんなところに作るのか。それは県は分かっていたのか。これは市町村の仕事かもしれないけれども、県の治水事業とどういう関係性を持ちながらここに地域防災拠点を作ったのか、今までそれで良しとしていたのか、誰の責任なのか、今まで黙っていたのはどうしてかというところの説明を伺いたい。
事:まず時間雨量60mmの話について、確率の話ではあるのだが、これは年超過確率10分の1ということで、10年に1回程度の確率年での降雨に対応できるような形で整備をしている。
委:いや、そこのところの表現がもう古臭い。今はもう、10年に1回起こるという表現もしていない訳で、10分の1とは、超過する確率が10%という意味であって、超過する確率が10%とは大変高い率だから、この時間雨量60mmは決してものすごく安全な数値を設定している訳ではない。その辺に関することが、10年に1回しか起こらない表現されると、少し様子が違うのではないかと思う。
事:そこのところは、表現を検討させていただいて、資料に反映させていきたいと思う。
続いて8ページのバーチャートの件だが、見直し後の伸びた理由を分かりやすくということなので、資料の書き方を検討させていただければと考えている。
それから、要配慮者のデータについて、これは国勢調査のメッシュデータに基づき数字を出している。
それから6ページ目のその他の被害の防止について、浸水被害の浸水範囲の中で被害がゼロになっているということだが、これは整備後には浸水が無くなるということを考えており、その点で被害が軽減されると考えている。
委:いやだから、話の途中で悪いけれど、それは先ほどあなた自身が言ったように10%の確率で、そうではないことが起こる訳で、そうしたら整備後は被害が無くなるなど、そんなことを言っていいのか。大丈夫か。
事:被害が軽減である。
委:もう少し、河川の根本のことを分かって説明してもらわないと納得できないのではないか。
事:被害の軽減というところで、修正させていただく。
まず大深度法が適用されるかどうかについて、地下40m以上は大深度法の適用にはなるのだが、矢上川については、一部40mより深くなるところはあるが、それ以外の場所では40mより浅い部分が大部分になので、大深度法を適用していない。
排水にかかる維持管理費の関係について、県内で同様の事例の長寿命化計画の策定を行っており、その維持管理費を参考に計算し、費用を見積もっている。
6ページの地域避難の漢字の誤記は訂正させていただく。
あと、小中一貫校ということと、支援級があり重度の障害をお持ちの方が通われているということによる影響だが、これについては状況を確認した上で、資料の修正などで、対応していきたいと考える。
続いて、地元への周知について、これまでに3回、地元に対して説明会を開催させていただいている。今年の1月29日、2月1日及び2月4日に、地元の野川小学校、梶ケ谷小学校、それから久末小学校を会場にして、周辺の自治会の方を対象に説明会を開催し、工事のご案内をしている。
この浸水の範囲の示し方がどういった考え方かといったご質問があったが、こちらは計画規模の降雨が発生した場合の浸水範囲ということで表現させていただいており、その規模の降雨であれば浸水が無くなるという表現であって、決して、現在の気候変動の状況を踏まえた、さらに超過洪水が発生した場合にもこれで収まるということではなく、あくまでも計画規模ということで表示をさせていただいている。
あともう1つ、費用に関するご意見とご質問で、表現と説明がちょっと雑だということでしたが、この点については、もう少し丁寧な表現ができるように工夫していきたいと思う。
あと、なぜ費用が増えたかという、現場の状況や、後から把握できた環境の変化等も、もう一度確認して反映していきたいと考えている。
それから、地域防災拠点がなぜこの場所にあるのかというご質問については、これは確かに川崎市が地域防災計画等で指定しているところであり、今、市町村では浸水範囲にある避難場所の見直しを行っているところがかなりあるのだが、川崎市についても、今後見直しの予定があるのかどうかも含めて確認していきたいと思う。
委:そうすると、ご質問には今日は十分答えきれていないということでよろしいか。答えられないようなので、また改めて答えていただくことにする。これは特別重点なので、何となく後で直すからいいだろうなどとはいかないので、ぜひ、きちんとやっていただきたいと思う。
とりわけ、特別重点になる理由は、非常に費用が上がるとか、妙に期間が長引くとか、やはり負担が納税者に及ぶようなものについて、慎重審議をするという趣旨で特別重点にしているので、とりわけ工費が大幅に上がる場合については、その理由が納得できるか、というところが決め手の1つでもあり、そのご説明がまだできないようなので。
それからもう1つはこのエリアは鶴見川のエリアなので、総合治水などというのは1970年代から一生懸命やってきたところだけれども、そういうところですら、避難施設をこういう危ないところに作らざるを得ないということについて、他にないから仕方がないということであれば、仕方なく分かった上で、改善する努力はしている、ということになるが、このエリアは、昨日今日始まった治水ではないので、何となく知らないで作ってしまったというのでは、済まされないことである。
あるいは3回地元説明していると言うけれども、地元の人からすると聞いた覚えもないという話のようなので、その説明なるものが、独りよがりの説明なのか、何人の方が聞いてくださったのかとか、印刷物は一体どのくらいどうなっているとか、その辺の説明ももう少し充実してもらう必要がある。
委:今、仰っていただいたところだが、説明のところで、よく場所も分かっているというのはあるのだが、住宅とか非常に密集した場所であるにも関わらず、このような状況にあるということが、いつどこかで自治会に説明したということでは、住民には届いていないのが現状の1つだと思う。学校も含めて、きちんと届くような説明を、現状把握をした上で、しっかりとそこにいる人たちに届くようにやっていくことが大事だと思うので、そこはぜひお願いしたい。
委:もう1つだけ苦言を言うと、その浸水想定図だけれども、設計の雨に対してはこのように浸水しなくなると、ただし、変動は別の話だとあったが、そこは、少し問題が大きいと思う。つまり超過確率10分の1に過ぎないから、ということは10分の1以下の、つまり90%の範囲ではこうなるはずだけども、これ以上になってしまうのは、気候変動など無くても、起こると言っている訳である。
それを事務局が、何か、気候変動が起こるとこんなものではないかもしれないけれど、気候変動が起こらなければ、これで済むと理解しているかのように言っているのは、県民に対する著しいミスリーディングになるので、そこが大変懸念される。
まとめていかがか、この特別重点について、もう1回一言二言お答えいただけるとありがたい。
事:今答えられそうな部分を答えてもよろしいか。
まず、事業費の増のところで、一括施工の場合100億円の増額になる。それから分割施工の場合、40億円増額になると先ほど申し上げた。
その内訳に関して、まず、一括施工の場合100億円の増なのだが、発進立坑の事業費の精査で10億円、シールドマシンの製作に約20億円、発生土の処分料に10億円、中間立坑の排気設備や構内設備、仮設材等に10億円、それから労務資材単価の増額。
委:それを読み上げてもらうのが目的ではない。その何々が10億円というのが、どうしてリーズナブルなのかも説明がほしい。今、説明しているのは何かに書いてあるものを読んでいるだけで、何故それが9億円でも11億円でもなくて、10億円なのかという説明になっていない。理由つきできちんと説明できるようにしてもらわないと、単なる表を読んでいるだけでは増額の説明にはならない。それをできるようにしておいてほしい。お金の妥当性も併せて。
事:承知した。
委:こんなものがあった、というだけでは報告であって、説明にはならない。本件は説明不足ということで、継続審議案件にさせてもらってよいか。何しろ特別重点なので、簡単にはうんと言えない。
引続き今度は残りの2つの川について、ご発言いただきたい。
委:目久尻川の8ページの②について、確認が1つと、それから提案が2つある。確認の方は、②で植生ブロックプラス覆土構造となっているが、これは植生ブロックの上に覆土するのか、あるいは、植生ブロックもしくは覆土構造なのか、曖昧なので、これを確認したいということが1つ。
それと、同じ②の下の方で、自然石を用いて根固めを行い、その流出防止に松杭を使用している。松杭を使用することが日本で一般的なのかもしれないが、例えばドイツ等ではここに柳の杭を打つ。柳の杭というのは水の中でも、その丸太になった状態でも根が出てそれから枝を出すので、それによって、そこの土壌をとらえたり、あるいは新たな生物の生息環境を作り出すといったことができる。もし可能ならばこの松でなく、ぜひ、柳の丸太をここに杭として打ち込んでもらえたら、より一層、動植物の生息空間を確保できるのかなと思う。
もう1つの提案は最後のこの対応方針だが、「良好な自然環境が残されていることによる多自然川づくりに配慮した整備も望まれており」と、この表現は第三者が望んでいるような少し弱い表現なので、例えば3ページの2の(2)の必要性のウというところでは、「多自然川づくりに配慮した整備を進める必要がある」と必要性をきちんと述べているので、この継続の理由も「望まれており」ではなくて、「進める必要がある」というふうに言った方がよろしいのではないかと思う。
委:8番、9番両方同じ観点で、先ほどの12番と同様な内容になるが、8番の資料の6ページの「安全・安心・利便性」と工事完了等に対する市民への説明を、丁寧にお願いしたい。
なんでこんなに言うかというと、やはり自らが守るというか、現状を知って市民それぞれが行動するとことも重要だと思うからである。
例えば川崎では数年前にやはり多摩川が越水したことによって様々な大きな被害が出ているのを私自身は知っているので、今いるところがどういう状況であって、どんな可能性があるのかということを、やはり市民1人1人が知って行動に移すことも、とても重要だと思っているので、その観点でぜひ、丁寧な説明をお願いしたい。
委:先ほどと同じだが、総合的な効果のところで、これらの被害を防止するというニュアンスの表現が2つあるので、再検討いただく方がいいかなと思った。少なくとも、本事業を実施することによってこれらの被害の何か防止が見込めるとか、あくまでシミュレーションの結果、被害数がゼロになっているに過ぎないと思うので、被害を防止すると言い切るのは、なかなか厳しいかなと思う。
委:被害を軽減できる、である。
これは、ぜひ充実しておいてほしい、というリクエストなのだが、とにかく神奈川県だけではなく、小さい川の治水の進捗は全国的に甚だ低い。巨大河川でも、堤防の整備完了率は延長でいくと、たかだか6割とかに過ぎない。それより低いのがこの小さい川、2級河川である。県民に対して、これが終わるとこの川はもう全部できたかのように思われるのも、甚だ実情と違う。ということは、この両方の川とも時間雨量50mmでやっているけれども、それは年超過確率で言えば10%、つまりリターンピリオドで言えば10年に対応することを今目標としてやっていると。それは例えば河川の延長で言えば、この目久尻川で言えば今、下流から何%までできている。でも、まだ何%残っていて、そのうちの何%の部分を今この事業でやろうとしている、そして全部完了するのはいつか、というのはとても言える話ではないのだけど、現状のペースでやっていたら実情は、相当先かもしれない訳だが、そこまで言えと言わないけれど、だけど少なくとも現状が今どこにいるのか、ということを明瞭に示すのが、県民に対する義務であると思うので、その辺、ぜひこの中小河川ならではの実情を知っていただくのもレポーティングの重要なポイントだと思うので、加筆しておいていただきたいなと思う。これは希望なので特に質問ではない。
以上でよろしいか。では事務局は、2つの川をまとめてお答えください。
事:はじめに、目久尻川のこれまでの浸水について、内水か外水かというご質問があったが、これは両方ある。直近では、外水氾濫はこの区間では発生していないが、下流の方では外水氾濫が発生している。
続いて、植生ブロックの覆土の件について、植生ブロックの形状としてコンクリート製のちょうど井桁のような構造の連接ブロックになっており、写真を資料の3ページの下の方に載せている。小さくて見づらくて恐縮だが、そのような植生ブロックを使っており、そこに覆土をするような形になっている。その覆土した中詰めの部分から植生の繁茂を期待しているというところである。
あと、自然石でこの部分に根固めを行っており、先ほどお話のあった通り、この自然石を固定することを目的として、松杭を打設している。ヤナギの丸太にできないかという指摘があったので、今後の工事区間で、使用を検討していきたいと思っている。ただヤナギというのは、なかなか、まとまった量の入手が難しい部分もあるかもしれないので、それも含めて検討していきたいと考えている。
それから8ページ目の一番下の、配慮が望まれるという表現については、この目久尻川に残されている貴重な自然を、私どもは大事に保全をしていきたいと考えているので、望まれるではなく、必要があるという形に資料を修正したいと考えている。
先ほどの矢上川と同じように被害防止を言い切るのは非常に難しいというお話で、それもごもっともなご指摘だと思うので、同じように軽減という形で資料を修正したいと考えている。
事:今の補足も含めて、少し、全体的なお話をさせていただくということでお時間をいただいてよろしいか。今の2河川についての補足である。これまでの浸水が溢水か内水かということで今お答えしたように両方ある。目久尻川は地形的な問題もあり、周りは水田だが、内水と溢水を繰り返しているような河川である。
それに対抗するために、鶴見川と同様に総合治水対策ということで、内外水両方で対策していこう、という中の一環の計画で、High-Waterもそのときに決めているものである。相模川との合流の関係もあってHigh-Waterを低くしたり、なかなか難しい状況なので、内外水一体の対策を行っていく。今は流域治水プロジェクトなり流域治水の考え方で進めている状況である。
あと、河川の形状を見ると流下能力図から見た1.5倍流れないという、横断図からのご指摘もあったが、横断図で流下能力が低くなっているところについては、もう既に改修済みのところである。今回図面を載せているのは、残りの上流部のところであり、ここについては堤防高が足りないということで流下能力図を見ると全部もう大丈夫ではないか、という形になっているのだが、少し余裕高分が足りないのでここは改めて改修していくところである。
多自然の覆土方式については今ご説明した通りで、連接ブロックの中に覆土をしている状況で、一般的に今新しい工法で言われている流水断面を侵しての覆土みたいなそういう形のものではない。過去からこういう形でやっているので、引き続きやらせていただいているというところ。
それと2名の委員から同じような指摘をいただいており、認識不足ではないのかというようなことだと思う。我々防災減災という視点で仕事をやらせていただいている。言葉の使い方は一応気をつけているつもりではある。0にするのは防災で、0にはならないけれど少し良くしていくのは減災という言葉の使い方は意識している。今回の資料の中では、そこがしっかり反映できてなかったことについては反省いたしますので、それについては後程訂正させていただきたいと考えている。
それと、あと、周知について、先ほどの矢上川の話も同じだが、実は神奈川県の河川事業は周知が十分でないということは、多くの地元とか、自治体からも批判されている。要は、道路工事みたいに目に見える形というより、何をやっているのか分からない、ということが非常に多い事業であり、その周知については、今、改善するように様々な方法をとっている。
例えば平塚では、平塚市役所でパネル展をやったり、パンフレットを作ったり、現場に看板を設置していつまでにこの工事を完成させる予定であるとか、そういう細かい周知の策を、今、少しずつ進めているところである。そういった取組みの一環として、この矢上川とか他の河川についてもしっかりやっていきたいと思っている。
あと、委員長からご指摘のとおり、中小河川はなかなか進捗が進まない。神奈川県はその中でも結構進んでいる方だと思っているのだが、確率規模を変えたりしている中で、今まで80%だったものが、またゼロに戻ってしまったりとか、そういう状況の中でできる限りはやらせていただいている。
そもそも中小河川については、目標とする確率規模が小さいということの方が少し問題であり、それも含めて、やはり中小河川のあり方で現状がどうなっているのか、どの程度の危険度を持っているのか、ということは、今後浸水想定のレベル別みたいなものも含めて考えていかないといけないというようなところである。ただ現段階で意思決定まではされていないので、今後の検討課題かなと思っている。いずれにしても、こういう形で今日はなかなか説明がうまくいかなくて、誤解を生じたところもあるかと思うが、しっかり取り組んでいるので、ぜひご理解いただきたい。
委:一括審議の2件については何かコメントがある方はいらっしゃるか。もし無ければ、一括の方は審議を省略したいと思うが、よろしいか。
(異議なし)
委:まとめて言うと、今、部長がおっしゃた通りなのだけれども、流域治水というのも数年前から、全国的に少なくともそういう精神に変えていこうということを言っている訳だけれども、その根本精神は、要は河川管理者だけで万全の治水などということはできるはずも無いし、ましてやこれから温暖化などというのはもっと大変になっていくと、全国民的に理解、協力して、そして参加、貢献していかない限り改善は難しい、という精神である。
その精神の根本のところは、現状を正しく理解しようではないかというところにあるし、所詮、天から降ってくる雨は確率現象なので、どこかに想定しても、それ以上のことは必ず起こるものだと。つまり完全防災などということはあり得ないのだ、というところを国民的に理解するところがスタート地点になっているのである。
そのためのアクションとしては、現状どこまでのことはできているし、どこまでのことはカバーできているけども、どこまでのことからは、まだ全然できないとか、検討の余地も沢山あるということを知ってもらおうというところが、スタート地点なのである。そのようなことは県の方も分かっていらっしゃると思うのだけれども、今日の説明資料は、もしかすると分かっていないのではないか、という感じがしたので、少々厳しいことも言ったけれども、是非、どの資料も、そういった根本精神の改善が望まれているのが、今なのであるという理解で、資料の充実を図っていただきたいと思う。先ほど申し上げたように、特別重点はやはり費用増加に対する説明力がもっとないと、やはり不十分だと思うので、慎重審議で、次回、引き続き検討ということにさせていただくが、この一般重点2件と一括の2件は、今日出たご意見を資料で十分に改善し、修正していただくという条件つきで、事業を継続ということでいかがかと思うが、ご了解いただけるか。
(異議なし)
[13番 小田原海岸(前川地区)高潮対策事業]
<事業実施課から事業内容の説明>
委:この事業は、一言で言えば、護岸のパラペットを嵩上げするというもので、その理由は、越波するような高潮被害が頻繁に出ているという現状で起こっていることに対する防護、という発想でいくのかなと聞こえたのだが、確認だが、同じく、隣の駿河湾の浜岡原発では、むしろ津波の想定で、地震本部の方が様々な検討をすると、想定する津波がどんどん大きくなってきて、防潮堤を高くせざるを得なくなった。そういう将来への懸念においてこの事業をセッティングしているのか、それはまた別の話で、将来への予防については、またさらにここの上に乗っけなければいけないような話であるのか、そこのところが少し分からなかったので、ご説明いただけないか、というのが1つ。
もう1つはこれも単純に素朴な質問だが、東日本大震災のときの経験は、防潮堤があって、そこにL1以上の津波が乗り越えていくと、それが返し波で裏側が随分やられちゃって、結局防潮堤ごとなくなってしまうに等しくなって、第二波が来ると酷い目に遭ったという反省から、粘り強い防潮堤にするというので、つまり背後の部分も強化するという発想で新しい防潮堤ができていると思うが、今回のこの事業はそういう返し波に関する粘り強さの方は何か関係あるのか、それともそれは別の話なのか、その辺が少し分からなかったので、以上2点、素朴な質問をさせていただいた。
委:質問が1件、意見とお願いが1件。3ページの「5.事業実施にあたって配慮した項目」に関して、この説明会は、今回の工事、個々の事業に対しての説明なのだと思うが、それで合っているか、というのが先ず1つ。
意見としては、これと連動しているのだが、先ほど、説明のあった海岸事業のポリシーの中にハード対策とソフト対策というのがあって、先ほどの河川と一緒なのだが、現状でこの場所はこういった状況で、それを埋めるには、ソフト対策あたりで、海岸付近に住宅がたくさんあるという説明があったと思うが、ここは現状こうなのだという住民への周知について、そのソフト対策を見ると、「資料の作成」でとどまった書き方だと、見落としていたら申し訳ないが、ハードとソフトというところには、「資料を作成する」というところのみが書いてあったので、それを説明することも必要だと思うので、現状はこういった状況であって、未来へこういう対策を打とうとしている、という説明を、是非、丁寧にお願いしたいと思う。
委:海岸事業は久しぶりに見るので仕組みが分からなくて、それも含めた確認、質問なのだが、河川だと、河川整備計画とか工事実施基本計画とか整備のマスタープランがあって実施していくが、海岸は、そういう上位計画はあるのかというのが質問。
資料を見ていくと例えば1ページ目の一番下に、令和3年に海岸保全基本計画の整備は終わったと書いてあるので、今やっているのは何だろう、と思ったので、そもそも海岸は、そういう何か法定計画があるのかという話と、仮に無かったとしてもこれから継続してやっていこうというのは、一体何に基づいてやっているということになるのかを分かりやすく教えていただきたい。
事:まず初めに質問があった、護岸嵩上げの関係であるが、こちらの小田海岸前川地区については、津波の高さL1の津波の高さに対応した護岸の高さまではあるのだが、こちらの海岸は津波よりも高潮の方が高い波が来る海岸となっており、元々海岸保全基本計画の中で高潮に対して護岸整備を行っていく必要があると定めている。今回の工事は、その高潮に対して不足する高さを確保するために、事業を行っていくものとなっている。
次に東日本大震災の津波の経験を踏まえた粘り強い構造に関して、この地区の護岸については、東北地方のように、粘り強い構造までは考慮していないが、この護岸の背後が3m程度の道路があり、そちらがアスファルトやコンクリートで舗装されているため、水を被っても護岸の背後が浸食され削られていかないような立地になっているので、津波がもしあったとしても大丈夫ではないかと考えている。
次の、説明会に関しての質問について、3ページ目の説明会については、今回、この小田原海岸前川地区では、東日本台風において越波被害を受けて、地元から護岸の嵩上げをして欲しいという声上がったことから、地元の方と、この11.5mという今の護岸から2.5m嵩上げすると道路面から3.7mの高さの護岸を作る形になるので、海への眺望に影響があるとか、そういった懸念もある中で、11.5mの高さを確保することについて、地元の方のご理解を得るために開催したものである。まず説明会を行って護岸を高くすることについてご理解を得た後に、海を降りていくための階段の位置とかそういった細かいことについては、市と地元の自治会長を含めた懇談会を設置し、その中で具体的な検討していく、という形で進めている。
次にソフト対策における住民周知に関して、もちろんこちらの前川地区の説明会の中でも、護岸の話だけでなく、今回整備しようとしている高さを超えた場合の波についても、どういったことが起きるかということは、浸水シミュレーションを行った結果を踏まえて、説明を行っている。
神奈川県の方でも令和3年に相模灘の高潮浸水想定区域図を作っており、その作成段階において、地元の小田原市と連携して、地元の説明会にも、県が出席して説明を行っている。また、こういったソフト対策は小田原市がハザードマップを作成しており、昨年、令和4年の9月には、総合的なハザードマップということで、高潮や津波、土砂災害、そういったものを1つのハザードマップで確認できるようなものを作成しており、地元に配布して周知を行っていくということを、県と市で連携して、ソフト対策の部分も周知を行っているところである。
次に質問のあった、法定計画については、先生から1ページ目のところでお話のあった、この海岸保全基本計画というものが、県が策定する法定計画となっている。この元には海岸法に基づいて、国が海岸保全基本方針というものを作成しており、それを受けて県がこの海岸保全基本計画を作成している。この計画の中で具体的に、海岸の防護水準、どの高さを目指していくのかということを定めて、それに基づいて護岸整備を行っているという形になっている。
何に基づいて継続するか、ということについて、分かりづらい表現で恐縮だが、先ほどの1ページの、前川地区に隣接する小田原海岸の国府津地区において、既に同様の整備が終わり、それに継続して隣の前川地区においても整備を進めていくということである。
委:一応、念のために伺ってみるが、今回のこの場所は、高潮のリスクと津波のリスクでは、少なくも高さ的に言えば、高潮の方だということだが、仮に海岸の背後にかなり市街地が広がっていると仮定して、防潮堤なり手を打たないと、そのすぐ背後の家だけではなくて、その後ろの方の人々もかなり広く被害に遭ってしまうから、ここに防潮堤を作りましょうというケースと、今回ケースはそうではなくて、防潮堤のすぐ背後のところに帯状に続いている住宅地があって、受益者はその部分に限るという感じの絵に見えたのだが、その限られた人達のためにやっている仕事だというふうに見えないこともないのだが、この海岸を保全することの、より公共的な意味について、より多数の人への便益というと、どんなことになっているのか。計算上は、背後に張り付いてる家が流されないで済む、もしくは被害を受けないで済む、ということなのか、それとも、それ以外の便益も何かカウントに入っているのか、教えていただきたい。
事:今回の便益の計算に当たっては、今回11.5mまで上げる対象としてL1の高潮に関して、どれだけ浸水が生じるかを検討して、その浸水範囲に入っている家屋や事業所の資産などを、計算して便益を求めている。今回の浸水範囲については、委員の仰ったとおり、国道1号が少し山側にあるが、その手前ぐらいまでの帯状の範囲に広がっており、確かに、その受益者は限られた範囲に見られてしまうこともあると思うが、幅としては護岸から山側に50mぐらいの奥行を持った浸水エリアが広がっているという形になっており、この事業を行うことによって、背後の国道等も、高潮の被害があった時にも安全に通行ができるということもあるので、今回の便益の中には浸水エリアの資産等しか含めていないが、便益の計算に含まれていない効果として考えるものがあるのではないか、と考えている。
委:今のことは、書いてあるのか。
事:今回の審議資料では、そこまでの記載はしていなかった。参考資料という形で、便益を算出した資料がある。
委:便益の算出は、所詮大したものではないから、その程度でよいのだが、便益の算出に入らないところで、公益的なことがあるならば、記述しておくのが、現在の費用対効果分析の基本方針なので、今説明があった、背後の国道1号が、高潮のときに危険で通れないなどということを防止する効果があるなどは、大変説得力がある。
このようなことは是非、定性的なところで、その他の効果という欄に書いておいていただきたい。
事:承知した。6ページに総合的な効果というところに、便益の中に含まれていない効果についても、記載しておく。
委:そういうことこそが大事で、どの分野もそうだが、便益でカウントするものは、もう本当にありきたりのことしか入れてないので、どの事業も、それ以外のところに何があるかが決め手なので、是非書いておいていただきたい。
もっと言えば、海岸防護をきちんとやっていないと、上の方にパラペットを立ち上げて砂浜も保全しないと、海岸部分の侵食が始まり、海岸が後退してしまうので、このようなことを防護するためにも、一番先端部分で頑張ることが必要なのである。
多分そういう精神でやっていると思うが、そのようなことも是非、書いておいた方がいいと思う。国土を保全するという侵食防止について、定性的な話で結構だが。
事:承知した。
委:地味な分野だが、極めて重要な分野なので、地味は地味なりに総合効果を是非謳うべきではないかと思う。海岸事業については、継続ということでよろしいか。
(異議なし)
委:資料を充実していただく前提で継続とする。
[2番 県道709号中井羽根尾(羽根尾バイパス)道路改良事業]
<事業実施課から事業内容の説明>
委:心配なのは橘中学校なのだけれども、中学校に接して道路が計画されているが、ちょうどその部分が、孟宗竹林と、エノキ、ムクノキなどの落葉広葉樹林で、現況森林植生になっている。今現在はその学校の境界環境保全林みたいな役目を果たしていて、多分学校での生活の環境を守るという意味では、非常に大事な植生なのかと思うが、先ほどの動画を見ていて微妙に、その森林の上辺りを行っているような気がするのだけれど、既存のそういった学校の境界環境保全林が残されて迂回して道路が作られるのか、あるいは、かなりの面積で森林が伐採されてしまうのか、お聞かせください。
委:7ページの進捗状況のところで、上に表が載っており、暫定供用したところも含めて工事着手は早まったけれども、全体では様々とあって少し遅れるということが書いてあるが、その理由が用地の話とJRの工事の話ということで、用地取得率を見ると38%が39%へ1%しか伸びていないが、下のバーチャートを見ると用地取得は令和2年から結構頑張ってきているようだが、その用地を買っていく戦略なり将来の工事を見据えた順番とかあると思うのだけれども、その1%しか伸びないというのは、もう当たっているところが全部、難航地権者なのか、何か他に買えるところを先に買っておくようなことはないのか、そういう用地戦略をご苦労も含めて、少し簡単に教えていただけたらありがたいと思った。
委:1点だけ、今回の事業が、津波浸水や洪水浸水のバイパス機能になっているところで、期待したいと思っているので、高潮に関してはどんな状況か。洪水浸水に含んでいるということかもしれないが、教えていただきたい。
事:既存樹林地の保全、伐採について説明する。先ず、この道路線形の考え方としては、JRに直交することや中学校と宅地を避けることに主眼が置かれており、先ほど、委員から話のあった樹林地は、一部伐採が必要になる。この樹林地については、小さな水路が低い位置にあり、その斜面地にかなりの量の竹林があるもので、やむを得ず、そういったものの一部は伐採が伴うものと考えている。
用地の戦略については、今北側から工事を進めており市道5035号までは暫定供用している。工事の進め方として、JRの工事は相当な時間がかかるので、先ずは北側から用地を取得していきたいと考えているが、その入口部分になかなか用地の提供にご協力のいただけない方がいるため、これは並行して交渉しつつ、なるべくご協力いただける方とも交渉して用地取得の推進に努めているところである。
最後に高潮について、5ページに津波浸水想定区域図を載せており、概ねこれに包含される形で高潮の浸水想定がなされているので、このバイパスは高潮の災害時にも機能すると考えている。
委:実際に道路ができて車が通るようになったら、その騒音が教育に影響を与えるのが心配なのだけれども、一部の伐採ということだが、その竹林のどのぐらいの面積が伐採されて、それは学校の環境に対しては特に影響ないと判断されているのか。
事:資料4ページの右下のイメージパースのとおり、中学校の西側一帯が広く樹林地になっており、これの一部を伐採することになる。その具体的な面積は、今手元に資料が無いが、最小限の範囲での伐採を伴ってしまうということである。
騒音に関しては、地域の方々もやはり懸念されることであり、騒音に対する調査、分析をして、規定の環境基準値内に収まることを確認している。
委:学校の方にもその影響はないということか。承知した。
委:用地の関係で、難しいところもあればそうでないところも同時並行で当たっていくということで、その通りだと思うけれども、さりとてこの5年間で1ポイントしか上がってないというのはなかなかかと思う。
これ以上求めないが、多分、JRのボックスの前後とかを含めて、次の工事に必要なところを先行的に用地取得に頑張っているということだと思うので、是非その全体の工程に支障の無いような形で、先手先手で用地取得にあたっていくことに、努めていただけたらと思う。
委:用地取得に関して、何か特別のコメントを付した方が良いか。
委:県の先程の説明では、さほど問題にはなっていないような答弁であったので、大丈夫なのかと思って、今のようなコメントにさせていただいたが、いかがか。
委:特段の特記事項ではなく、引き続き、努力してもらいたいという理解でよろしいか。
先程の竹林、あるいは、その環境保全的なもので、何か特段の意見付与が必要だろうか。いかがか。
委:実際のところ、現場を見ていないのでよく分からないが、とにかくいわゆる一般的な騒音対策ではなくて、学校があるということは、やはり防音機能をしっかり考えてもらいたい。森林には防音機能があるので、それだけの樹林帯は当然確保して欲しい。
委:なるほど。用地取得して樹林を伐採しなければいけないとなると、防音措置として何か特段のことを別途行う必要があるのかどうかということまでは、事務局も考えていると思うけれども、一方で、その樹林そのものが学校教育、あるいは地域教育上の重要な資源であるとするならば、別途それを確保するための代替手段というものを現地との相談の中で、やっているのかやっていないのか分からないけれども、そのような意図も、委員のご発言の本旨かなと思うが、いかがか。
委:この樹林地は、ちょうど、いわゆる中井の里山としても残されているところで、あの辺りでは多分最も広い面積の樹林地なので、それを削らずにそのままにして欲しいような気もするけれども、やはり一番、考えないといけないのは、教育の場である中学校への騒音上の影響だと思う。
とにかく防塵防音、様々な生態系サービスが森林にあるので、それがせっかく既存にあるものを、むざむざ失ってしまうのは惜しい。
委:事務局は、今の委員発言について、どのように取り組んでいくかお答えください。
事:まだ学校の前は工事に至っていないが、今後、用地取得が進捗して、実際に工事を行っていく際には、もちろん中学校の先生とよく話して、工事中の安全対策や、今お話にあった教育環境の場の確保、防音、騒音の問題も、よく意見交換して、必要な対策を講じて参りたいと考えている。
委:今後の運用上の重要配慮事項として考えているということか。それでは、本件は、事業継続ということでよろしいか。
(異議なし)
委:それでは、いただいたご意見はテイクノートしていただきたい。
[15番 津久井湖城山公園 都市公園整備事業]
<事業実施課から事業内容の説明>
委:内容がどうということではないが、この資料についてのお願いである。3ページ目に進捗状況の記載があるが、前回H30年の再評価以降でいうと、都市計画区域も少し広がっているけれども、部分開園もして17ヘクタールぐらいの開園をしたところであり、少しずつでもできたところを早めに開園してサービスをしていこうという姿勢があるわけである。今日の河川事業も道路事業もそうだが、早期に効果を発現するような工夫を、職員の方々皆さんがされているというのが、今の県の姿勢だと思うのだが、この資料はその辺りがあまり強調されていない。再評価だから、この5年間どういう工夫してきたか、というようなところを少し強調して書いた方がいいのではないかと思う。そういう意味で言うと、後半に事業の進捗状況とか、これまでの課題に対する取り組み状況という項目があるので、このあたりで、「様々こんな工夫、苦労もあるけれども、早期供用をこれだけやった」というようなことを、少しPRを兼ねて、しっかりと書いた方がいいと思うので、是非お願いしたい。
委:この城山は、杉やヒノキの人工林の少ない広葉樹林がほとんどで、しかも割と樹齢の大きな樹があるのと、それから山頂の方にはアカガシもあって、かなり自然度が高く、城山全体が非常に貴重な森林である。そこには基本的に手をつけないと、いうことで進められているので非常によろしい。ただ、その貴重な自然を、城跡の遺構といった歴史的なものも含めて、自然の豊かさを是非PRして、公園の特徴にしていただきたいと思う。パンフレットとかに、自然の記載もしっかり入れていただきたい。
委:念のため聞いてみたいのだが、神奈川県土の中に、相応の数の県立都市公園があり、これは素晴らしいことで、また多数の川もあり、もちろん山もある。すると、緑のところを、県立公園それから河川、山、農地、それを全部塗ってみると、結構繋がって見えるのではないかと思う。今回の公園で言うと、この相模川にくっついている訳で、河川の方の仕事での緑という要素と、この都市公園の方の緑の要素の連携連絡に関する総合計画づくり等の動きはあるのか、教えていただきたい。
ちなみに圏央道は結構走るのだが、残念ながらこのインターで降りたことがないもので、この公園は、実を言うと、存在すら知らなかったのだが、もう少し何かアピールした方がいいのかもしれない。
事:本県では、昔から、相模川及び酒匂川の川沿いで、水と緑のネットワークの構築ということで、ある程度大河川沿いの緑地や農地を、図上で結びつけて、位置付けたこともあり、今回の津久井湖城山公園についても、相模川沿いの貴重な緑地を結びつけるという意味合いで計画したものである。
段階的に拡張して利用できるようにしている、という部分をもう少し強調した方がいいというお話があったが、もっともな御意見であり、公園というものは、拡大整備して使っていただいて初めて大きな効用が出てくるところなので、そういった部分にしっかり取り組んでいるということを、公園整備の中で、やっているのだということをPRしていきたいと思っている。
それと、この公園の特徴の1つである自然をもう少しPRした方がいいのではないか、というお話があったが、我々の方では、この公園は、歴史と自然の2つの柱が非常に特徴的な公園だと考えており、今ここにある資料の中にも記載しているが、歴史と自然に特化したガイドブックを、それぞれ作成して、歴史のものだと80ページぐらい、自然の方も、そこに生息している生物や樹林を取りまとめたガイドブックを作成してPRしているところである。こういったものも活用しながら、本公園の魅力をどんどんPRしていきたいと思っている。
委:初めの委員がおっしゃったようなところは、報告書にももう少し充実して書いてもらった方がアピールになる。確かに少し淡々としすぎているかもしれない。
総合効果なども、少し淡々とし過ぎているのではないかと思う。項目しか書いていないような感じなので、もう少し、文化的に豊かな想像、表現力を発揮していただけると、公園事業らしいのではないかと思うし、また、私が申し上げたことは何と言うか、それぞれの局でそれぞれの仕事をするのは、そうしなければ仕事が進まないからいいのだけど、相性の良いところは一緒にマップを作るとか、川のマップと公園のマップと林野のマップが全部同じ地図上に乗っているみたいなものになると、アピール力もとても高まると思う。今後、そんなところも頑張っていただけたらと思う。
委:2点ある。1つ目は、4ページの整備に関する配慮に関して、整備方針のユニバーサルデザインの推進などと連動するのだけれども、例えば車椅子やベビーカーの方も利用できるよう、スロープ等を整備しているが、こういう比較的ハード系が多いような印象を受けるが、使う人たち当事者の声を聞いて整備しているのか。もしそうでなければ、そういった方たちの声を聞いて整備していくことは、この先もっと参加しやすくなったり、気づけないところに気づけたりすると思うので、とても重要だと思う。
加えて、今後、多様な方たちがこの公園を利用していただくにあたっては、ハードのみならず、心のバリアフリー的な発想とか、ピクトグラム等の言葉を超えたマーク等を取込むことについて、是非検討いただきたいというのが先ず1点。
次に、もう1つは、6ページの総合的な効果の項目である。今、私自身、外国人の方の就労支援の会社とも連携している中で、非常に良いアイディアを最近伺ったので紹介すると、おそらく様々な付加価値がこの公園にはあって、それを保全されていると思うが、さらに外国人の方から見ると、日本人が気づかない価値が実はすごくあるのだ、というご意見をいただいたことがある。
今日本人が当たり前だと思っていること、例えば綺麗な公園という、綺麗というだけでも価値があったりするので、そういった外国からの目線で公園に来ていただき、それも声を聞くということだと思うが、外国の方から見た意見を反映して、逆にそういった方から発信してもらう等、もう少しここに足を運んでもらうような工夫を是非、お願いしたい。
委:この公園の災害時の防災の役割ということで、ヘリコプターの離発着場と書かれているが、一方で、現在の地形をできるだけ生かし、植生を残すことを、コスト減のためにもそうすると書かれている。どちらかというと地形改変せずに、現状の地形を生かすことは、私も賛成だが、ヘリコプターの離発着場を作ろうと思うと難しい面があると思うので、現況の改変に対してどのくらい配慮して進めるご予定か、もし決まっていれば教えていただきたい。
あと、防災減災の効果としては、流域治水的な視点からやはり公園緑地は保水機能を有していると言われているので、何かその辺りのことも書いていただけると良いかもしれないと思った。
事:ヘリコプターの離着陸場については、小倉地区に設定する方向で、今、相模原市から相談を受けている状況である。こちらは元々、平らな地形であり、特に土地の改変をせずに整備することが可能である。
それと、前の委員のご意見について、ご説明させていただく。スロープの整備にあたり、車椅子やベビーカーの利用者など、当事者の意見を聞いているかということについて、特に当事者の意見を聞いている訳ではなく、多くの方々に来ていただきたいという配慮の下、子連れの方でもこういった歴史や自然に触れてきていただきたいという観点から、スロープを導入したものである。
ただ、県立都市公園では、こういうスロープだけではなく、遊具等は、障害のある方でも誰でも遊んでいただけるように、当事者の意見を聞きながら遊具の選定をする等、そのような取組みも行っているところである。
それとピクトグラム等も、そういった観点から、多くの多様な方に来ていただくためには必要な情報提示だと思うので、積極的に取り入れて公園整備をしていけたらと考えている。
外国人についても、多くの方に来ていただけるよう、外国人の目線で、どういうふうに思っているのかを、取り入れながら、公園整備につなげていければと思っている。
委:いくつかいただいたご意見をレポートに反映していただくということで、本件も継続でよろしいか。
(異議なし)
以上 |