ホーム > 教育・文化・スポーツ > 社会教育・生涯学習・スポーツ > スポーツ振興 > スポーツ情報や動画を見る > 第34号(平成18年度/2006)
更新日:2007年5月3日
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体育センターレポート。指導研究部の4室が行った研究と、体育センター長期研修員の授業研究により構成されております。これらの研究につきましては、抄録のみの掲載となっておりますが、研究報告書を掲載しておりますので、併せてご活用いただければ幸いに存じます。
神奈川県立体育センター
所長 佐々木 悦子
このたび、当体育センター指導研究部の平成18年度の研究報告書をまとめた「体育センターレポート第34号」を発刊する運びとなりました。
本号は、指導研究部の研修指導室、スポーツ科学研究室、生涯スポーツ推進室、スポーツ情報室が行った研究と、体育センター長期研修員の授業研究により構成されております。これらの研究につきましては、抄録のみの掲載となっておりますが、下記のページに研究報告書を掲載しておりますので、併せてご活用いただければ幸いに存じます。
体育センターは、子どもから高齢者まであらゆる年齢層の方たちが日常生活の中に主体的に運動・スポーツを取り入れ「心と体の健康つくり」を促進していくことができるよう、体育の充実及びスポーツ振興の中核機関として県民を総合的にサポートしております。今後も、一人でも多くの方に生涯にわたってスポーツを楽しみ、よりよい生活習慣を確立することによって健康を実感していただけるよう、質の高いサービスの提供に取り組んでまいりますので、益々のご指導、ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
最後に、本号掲載の研究推進に、ご協力を賜りました皆様に厚くお礼申し上げ、発刊のことばといたします。
相模原市立谷口小学校 松浦 隆志
山北町立山北中学校 佐藤 康二
県立座間高等学校 元橋 洋介
研修指導室 大越正大 林ますみ 小野澤克己 野間基子 江守哲也 松野明
現在、学校教育における保健学習は、小学校3年生から高校2年生までの9年間行われており、各校種・各学年の授業において、9年間の見通しを持って指導を展開することが求められている。学習指導要領には、子どもたちの発育・発達に応じた具体的な内容が記され、9年間の系統的学習が進められるように構成されている。
しかし、校種間の交流や情報交換が十分とはいえない状況が見られることから、9年間の見通しを持った指導の展開が難しく、内容が重複したり継続していなかったりという現状も見られる。
そこで、9年間を見通した学習内容を系統的に示し、学習指導上の課題に対する改善策等を提案することで、効果的な保健学習の実現に資するため、本研究を行った。
平成17年4月1日から平成19年3月31日
(1)平成17年度
ア 求められている保健学習の指導についての資料収集及び文献研究
イ 9年間を見通した保健学習の内容の系統の整理
ウ 指導上の問題点等に関する実態調査
エ 各校種、各小単元の課題整理
(2)平成18年度
ア 求められている保健学習の指導についての資料収集及び文献研究(継続)
イ 学習内容の系統についての見直し
ウ 課題に対応した小・中・高の学習指導例の作成と実践(研究協力員会の設置)
エ 研究報告書及び保健学習指導資料(ハンドブック)の作成
(1)求められている保健学習の指導について
ア 健康教育の充実に向けた保健学習の役割
保健学習は、心身の健康の保持増進に関する指導において、「核」あるいは「基礎・基本」として、学校における健康教育の要をなすものと考えられる。
イ 保健学習の基本的な考え方
生涯を通じて、自らの健康を適切に管理し、改善していく資質や能力を培うことを目的としている。具体的な学習教材を通して学習することによって、病気の予防や生活習慣の改善等につながる思考・判断や知識・理解、また結果として関心・意欲・態度といった学力の向上を図り、適切な意志決定や行動選択につながる実践力を育成していくことが求められる。
ウ 保健学習における指導上の工夫について
(2)小・中・高における学習内容の系統について
各校種における学習内容から、特に関連の深いと判断した内容を取り上げ、次の系統で整理をした。
ア 体の発育・発達に関する内容
イ 思春期の体の変化に関する内容
ウ 交通事故等に関する内容
エ 応急手当に関する内容
オ 健康のとらえ方に関する内容
カ 生活習慣病に関する内容
キ 感染症に関する内容
ク 喫煙・飲酒・薬物乱用に関する内容
ケ 健康と環境に関する内容
コ 心の健康に関する内容
(3)指導上の課題について
上記の系統の中でも、平成17年度アンケート調査の結果、特に各単元、小単元における指導において「あまり効果がなかった」と答えた教員の割合が全ての校種で高く、指導上の問題点も「実生活に結び付けることが難しい」「興味を持たせるのが難しい」等、多岐にわたってあげられていたのが「心の健康に関する内容」であった。そこで本研究ではこの内容に着目し、次表に示した課題に対応した指導の工夫を授業の中で実際に行った。
指導上の課題 | 課題解決のために工夫 | 具体的な指導の方法 | |
---|---|---|---|
小学校 | 「実生活に結びつけるのが難しい」「有効な教材教具の情報が得にくい」の割合が高く、「児童の内面のことなので、意見交換がしにくく、教師の教え込みになってしまう」「具体的な個人への課題に入りにくく、全体指導になってしまう」といった課題があげられた。 |
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中学校 | 「知識がなかなか定着しない」「学習の課題を持たせるのが難しい」の割合が高く、「自分(達)の身体のこととしてとらえられない生徒が多い」といった課題があげられた。 |
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高等学校 | 「生徒に興味を持たせるのが難しい」「知識がなかなか定着しない」の割合が高く、「日常生活と関連させて指導することが難しい」「実践につなげていく力をいかに付けるかが課題」といった課題があげられた。 |
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(1)小学校の実践のまとめ
指導上の課題に対し、「対話」から、気付き・思考を促すことを目的とした。具体的な方法としては、児童同士のブレインストーミングやグループディスカッション、また教師からの発問、アドバイザーの支援の場面設定などを行った。これらの方法により、学習活動が活性化するとともに、児童一人ひとりの課題にせまる授業が展開できた。その他、ケーススタディでは、実生活に結び付く取り組みとなり、アイスブレイクや体感的なゲームを取り入れたことは、対話がスムーズに運んだり、心と体の体験的な気付きを促したりすることに有効であった。これらの手法は、特別な準備が必要なものではなく、実践的な方法と言える。また、常に教えるべき内容を授業者がおさえた上で、その内容・場面に合った手法を選択したため、より効果的であったと思われる。
(2)中学校実践のまとめ
中学1年生は精神的にも身体的にも個人差が大きくなる年齢であり、「心の健康に関する内容」における指導上の課題は多岐にわたる。特に自分の内面に関わるような発言をうながすことは難しい。そこで「体ほぐしの運動」との関連を図り、みんなが同じ体験を通して感じた心と体の変化を取り上げ、様々な意見や考え方を出し合い、気付きをうながすための授業づくりを行った。この方法は、自分の心や体の状態に興味を持たせ、自らのこととしてとらえるために効果的であった。思考力・判断力の育成や知識の定着を図るためには、教科書を中心とした知識を教える講義形式の指導方法だけでなく、教えたい内容について考えさせるような発問の工夫や、学習内容に合った指導方法(参加型学習など)の組み合わせが重要である事を、改めて感じた。
(3)高等学校の実践のまとめ
指導上の課題に対応するため、自らの行動や生活を、ワークシートを使ったり、意見交換をしたりして客観的に自己を分析させることに重点を置いた。ブレインストーミングやダイヤモンドランキングといった参加型の手法により、生徒の思考を促した。欲求やストレスについては、個人作業と集団作業を組み合わせることで、生徒の考えを引き出すことができた。多感な時期を個々の心の状況をうまく把握しながら柔軟に対応することができ、効果的な指導が展開できた。
高等学校の段階は、適切な自己の行動選択や自己管理を重視する時期である。個人生活だけでなく社会生活に目を向け、総合的な理解と認識が求められる。これらを十分踏まえるとともに、心身相関についてより実感を持って理解させるために「体ほぐしの運動」などを関連させることなどが今後の課題と思われる。
健康教育の視点から、保健学習の位置付けを明確にし基本的な考え方をまとめ、9年間の保健学習の内容と他教科等との関連、年間指導計画例を示したが、指導の工夫と学習評価については、学習指導要領の改訂作業が始まるため、その動向を踏まえながら、随時理論を見直し改訂していく必要がある。
今回は、取り上げた系統について、学習効果を上げるための指導・支援、指導のポイントをまとめたが、授業実践については「心の健康に関する内容」のみを行った。今後、他の系統についても実践を行い、検証する必要がある。また、系統についても再検討し、具体的な授業のイメージが持てるような資料づくり等につなげる必要がある。
スポーツ科学研究室 重本英生 水野昌享 小峰譲二 中村徳男 大場瑞穂
研究アドバイザー 横浜国立大学 落合優
体育センターでは、学習指導要領の改訂に伴い、昭和47年・昭和58年・平成6年と過去3回、おおよそ10年ごとに小・中・高校生(小学生は平成6年より)を対象に学校体育に関する意識を明らかにしてきた。そこで、現行の学習指導要領導入後、3年が経過したことを受け、平成17年度から3年継続事業として1年次小学生・2年次中学生・3年次高校生を対象に調査を行うことにした。
今年度は、中学生の意識等の現状を把握するとともに、平成17年度調査の小学生の意識、平成7年度調査の中学生の意識と比較し、中学校体育の今後の方向性を探るための基礎資料とした。
平成18年4月から平成19年3月
生徒の学校体育に関する意識調査及び学習状況等に関する実態の調査・分析
(1)調査
ア 調査期間:平成18年6月上旬から6月下旬
イ 調査方法:質問紙法による
ウ 調査対象者及び標本構成:県内10地区より抽出した公立中学校20校、1校につき各学年60名、合計180名
エ 回答数と内訳:3,888名(男子1,970名、女子1,918名)
(2)調査項目
運動やスポーツをしたりすることが「好き群」は、男子84.7%、女子71.1%であり、多くの生徒が運動やスポーツを「好き」であることがわかった。このうち、体育学習「好き群」は、全学年男女とも95%以上おり、また、「嫌い」は全体のわずか2.0%であることから、「運動やスポーツ好きは体育好き」であり、いわゆる「運動好きの体育嫌い」は認められなかった。
体育学習「好き群」は、10年前より増加しており、特に「とても好き」の割合が大きく増加。一方、小学生で男子84%以上、女子73%以上あった「好き群」が、中学3年では、男子74.3%、女子57.7%と学年の進行とともに低下している。
体育学習において、多くの生徒が自分なりの課題や目標を持ち、準備や片付けに進んで取り組み、友だちと教えあったり、協力し合ったりして、精一杯最後まで努力して活動している様子がうかがえた。
また、小学生と比較すると、全体を通して活動状況が向上しており、平成7年度調査との比較でも「学習を反省したり、できたかどうか確かめたりしながら活動」などの項目で、向上していることがわかった。
体育学習が楽しいと「感じる群」は、全学年で男子91.9%以上、女子88.4%以上で、各学年男女ともに「記録が伸びたり、できないことができるようになったり」が最高位であった。これは、小学生や中学生(平成7年度調査)と同じ結果であった。
体育の学習がつまらないと「感じる群」は、男子37.8%、女子56.9%で、理由は「練習しても記録が伸びなかったり、うまくならなかったりしたとき」であった。
好きな運動種目は、男子の最高位は3学年ともサッカーで、次にバスケットボール、短距離・リレー、バレーボールが続いている。女子は、バドミントン、バスケットボール、バレーボールが上位3つを分け合っている。領域別にみると、3学年男女ともに「球技」「陸上競技」「器械運動」の順であった。
男子は、各学年ともサッカー、野球、バスケットボールの順で、女子は、バドミントンが最高位で、バスケットボール、バレーボール、テニスが続いている。
男女共習の「楽しい群」の割合は、男子57.8%、女子63.9%であった。楽しいと思う理由は、各学年男女ともに「男女一緒に仲よく、楽しい雰囲気で活動できるから」が最高位で、「体力差・技能差を克服する工夫が協力してできるから」が続いている。
楽しくないと思う理由は、「男女の技能差などがあり、思い切り活動できないから」が最高位で、「男女の体力差がはっきりしてしまうから」が続いている。
生徒は、けがの予防や事故防止のために、準備運動や整理運動を十分にするとともに、気を抜かず集中して、自分自身の体調についてもよく考えるとともに、周りの人や活動場所の安全についても配慮しながら取り組んでいる。
しかし、使用器具や用具の安全に注意する生徒は少なく、事故の未然防止のために、さらに生徒の安全意識を高める指導が必要である。
体育の学習が「好き群」は高く、「嫌い群」は低く、運動をする理由は「好きな運動ができるから」が最高位で、運動をしない理由は「他にやりたいことがある」「時間がとれない」が上位であった。生徒が運動やスポーツに親しむための"時間""空間""仲間"の確保が必要である。
加入率は、男子の方が女子よりも高く、また体育学習が「好き群」の方が高いことがわかった。
加入率は、男子の方が女子よりも高い。スポーツクラブに加入している生徒の多くが部活動へ加入している。
学校の体育の授業でしか運動を行なわない生徒の運動に対する意識を変えるためには、体育の授業での個々の生徒へのきめの細かい指導が大切である。
生徒は、ユーモアがありやさしく、生徒一人ひとりを大切にし、よいところは誉め、悪いとことは注意し、楽しく工夫のある授業をする先生を求めていることがわかった。
しかし、ここでいう「楽しく」は、単なる情意的な側面の「楽しさ」ではなく、「記録が伸びたり、できないことができるようになったりする」などの本当の体育の「楽しさ」を教えてくれるということである。
「すき群」=「とても好き」+「どちらかというと好き」
「嫌い群」=「とても嫌い」+「どちらかというと嫌い」
「感じる群」=「いつも感じる」+「時々感じる」
体育授業の「好き群」は、平成7年度調査よりも上昇しており、多くの生徒が進んで取り組み、運動・スポーツの楽しさに触れながら学習していることが明らかになった。このことは、体育学習に対する教師の取り組みの成果といえる。しかし、体育学習や運動・スポーツ「好き群」は、学年進行とともに減少しており、特に女子にその傾向が強いこともわかった。
体育学習や運動・スポーツ「嫌い群」をいかに減らして、「体育好き」をどう増やしていくかが課題となる。
中学校期は、体格や体力、運動能力、興味・関心などにおいて、個人差また男女差が大きくなる。特に、運動や体育学習に対するレディネスの「ある・ない」の差が大きいことから、授業を行なう際には、生徒一人ひとりに目を向けたきめ細かい指導を行なう必要がある。具体的には次の4項目について考えていかなければならない。
(1)体格や体力差に応じた指導
体格や体力差を「危険」と感じさせたり「どうせ無理」と感じさせたりさせない指導を行なう。
(2)男女差に応じた指導
課題の決め方では、男子は先生への依存が高く、女子は友だちとの結びつきを大切にして学び方が身についている。また、男子は「活動の欲求の充足」を楽しいと感じ、女子は「友だちとの活動」を楽しいと感じているなど、男女の違いに配慮した指導をする。
(3)能力差に応じた指導
「記録が伸びたり、できないことができるようになったり」という体験を数多くさせるために、一人ひとりにあった適切な課題設定をし、技能習得に対する指導・支援をする。
(4)体育の学習に対する意識に応じた指導
「体育好き」は「運動好き」で、「体育嫌い」は「運動嫌い」であり、「体育好き」は授業に対して意欲的に取組み、「体育嫌い」は取り組みが低く、特に「思考・判断」が求められる際の活動を苦手としている。また、「体育好き」でも授業を「つまらない」と感じ、「体育嫌い」でも「楽しい」と感じていることがあるなどの意識について把握する。
以上を通じて"やればできる"体験を数多くさせることで、運動有能感を持つことができれば、運動に対しても、授業に対しても、また日常生活に対しても前向きに取り組むようになり、自信を持って主体的に行動ができるようになっていくのではないかと思われる。
体育学習だけで運動を好きにさせることは難しい。
学校と家庭や地域が協力して子どもの体力低下傾向への対応も含めて、考えていくことが大切である。
神奈川県の小学校で平成16年から3年計画で実施されている「子どもキラキラタイム」実践研究では、子どもの体力・運動能力の向上を目指した取り組みが展開され、その報告が多くの成果とともになされている。そして、中学校では、平成19年から2年計画で「かながわイキイキスクール」として、子どもの総合的な健康・体力つくりを考えていこうとする取り組みがスタートする。
このような取り組みは、まさに学校と家庭や地域が協力して、運動やスポーツの好きな子どもたちを育てていくことになると思われる。
スポーツ科学研究室 大場瑞穂 水野昌享 小峰譲二 重本英生 中村徳男
研究アドバイザー 法政大学 日浦幹夫
日本人の三大死因は、がん、心臓病、脳卒中であるが、心臓病と脳卒中を合わせた循環器病を引き起こす原因は「動脈硬化」である。最近の研究では内臓脂肪型肥満によって、様々な生活習慣病を引き起こし、「動脈硬化」になりやすいことがわかってきた。また、今日ではメタボリックシンドロームという概念に基づいた生活習慣病対策が進められており、今後の生活習慣病対策においても、一時予防策として身体活動・運動施策の推進が望まれることとなった。
こうした中、国が策定した「健康日本21」では、運動習慣者を増加させるという目標を設置しているが、あまり伸びが見られず、日常生活における歩数は、むしろ減少している。
体育センターでは、「健康・体力つくり支援コース(平成15、16年は健康・体力Aコース)」を実施しているが、その参加者も年々増加している。そこで当該事業における、問診表や体力測定の結果を集計・分析することによって、中高年の運動習慣と健康状況、体力レベルの違いなどを探り、中高年の健康・体力つくりに関する運動指導の基礎資料を得ることとした。
(1)期間
平成18年4月から平成19年3月
(2)研究データ
本研究は、平成15年度及び平成16年度「健康・体力Aコース」と平成17年度より名称変更した「健康・体力つくり支援コース」(以下「支援コース」という。)における受診者の問診票及び、フィットネステストのデータをもとに分析をしている。
「支援コース」の概要は以下のとおり。
ア ねらい:現在運動を行っている人やこれから運動を行おうとする人に対して、スポーツドクター及び所員が運動実践上の留意点やその人にあった適切な運動の行い方など、運動処方や相談指導を行うことにより、県民の健康・体力の保持増進を支援する。
イ 実施内容:問診票、身長、体重、体脂肪、BMI、血圧、脈拍チェック等及びスポーツドクターによる医事相談の後フィットネステストを実施し、得られた結果からスポーツドクター及び所員から運動処方・運動指導を行う。
ウ フィットネステスト:トレッドミルによる全身持久性テスト、長座体前屈、上体起こし、握力、脚伸展パワー、座位スッテッピング、開閉眼片足立ち
(1)文献研究
(2)集計・処理
(3)結果の分析・考察
(4)まとめ
支援コースの年代別と性別の属性は表1のとおり。
年代 | 男性 | 女性 | 合計 |
---|---|---|---|
40代 | 13 | 28 | 41 |
50代 | 10 | 71 | 81 |
60代 | 67 | 72 | 139 |
70代 | 37 | 20 | 57 |
総計 | 127 | 191 | 318 |
運動習慣の有無については、受診者の69.2%が週1日以上行っている。平成18年度体育センターが実施した、県民の体力・スポーツに関する調査結果が、51.1%だったことから、支援コースの受診者は運動習慣のある方が多いと言える。
また、受診者の行っている運動のうち上位5種目は、表2のとおりであった。
表2 運動種目(上位5種目)
1 | ウォーキング | 62人 |
2 | 筋力トレーニング | 31人 |
3 | 体操(太極拳も含む) | 26人 |
4 | ジョギング | 17人 |
5 | 水泳 | 17人 |
上位5種目のうち3種目が有酸素運動であることがわかる。中には、運動を複数行っている方もいたが、健康体力要素である持久力、柔軟性、筋力をバランス良く行っている方はあまり見られなかった。
BMI及び体脂肪について年代別に見たところ、男性では加齢とともに、減少していくのに対し、女性では加齢にともなう変化があまり見られないことがわかった。
受診者のうち高脂血症や関節の痛み等をかかえている方がそれぞれ4割を超えている。また、薬の服用状況の割合も4割を超えていることから、多くの方が健康について何かしらの不安を抱えていると言える。
運動頻度と疾病等の状況は、「週3日以上」の方の高脂血症の割合が、他と比べて低くなっていた。このことから、運動の頻度が高いほど高脂血症の予防・改善に役立つことがわかった。
フィットネステストの結果より、男性は、握力、上体起こし、脚伸展パワー、座位ステッピングにおいて、加齢とともに低下傾向が見られた。女性は、握力、上体起こし、脚伸展パワーについて低下傾向が見られた。また、長座体前屈では、男女とも加齢に伴う低下はあまり見られなかった。
次に、握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ちについて新体力テストの全国平均値と比較したところ、握力では全国平均を下回っているものの、その他の項目については、全国平均との有意な差がほとんど見られなかった。
さらに、フィットネステストの測定値を年齢別、運動頻度に分けてそれぞれの平均の差を分析したところ、有意な差はほとんど見られなかった。そこで、有意な差が見られない原因として、ばらつきが大きいことが推測できたので、柔軟性は、腰痛予防に関連した長座体前屈について、筋力は、起居動作に関係のある上体起こしについて散布図を作成した。
男性については、40代、50代のデータ数が少ないことから、女性のみとした。
その結果、長座体前屈では運動頻度によるばらつきの違いは見られなかった。また、上体起しでは運動頻度にかかわらずばらつきが多く、特に、「週3日以上」の方でも0回が9名いた。
運動の効果を確認するために問診結果や体力測定結果を分析したところ、高脂血症における「運動習慣なし」「週3日未満」「週3日以上」の間に有意な差が見られたのみであった。その原因としては、「支援コース」の受診者の行っている運動が、有酸素運動ばかりに偏っていることが考えられる。つまり、持久力を高める有酸素運動は、同時に体組成を改善し高脂血症などの疾病を予防・改善するのには役立つが、それだけでは、筋力や柔軟性を高めることはできない。筋力を高めることは、日常生活を送るための能力を維持・向上させる上で重要な要素となる。また、柔軟性を高めることは、関節の可動域や機能を改善したり、筋の緊張を和らげたりすることによって傷害の予防につながる。
したがって、健康・体力つくりを目指すのであれば、「持久力」「柔軟性」「筋力」を維持、向上させるための運動をバランスよく取り入れる必要があり、その際には、正しい運動方法を自主的に取り組むことのできる3033運動ノート等の活用が効果的である。ただし、中高年者においては健康不安を抱えている方も多いことから、医療・保健機関との連携も必要であり、運動・スポーツ機関との協力連携によって、県民一人ひとりの健康つくりを支援していくことが重要である。
生涯スポーツ推進室 末包博 佐野朗子 塩浦健吾 米山教子
私たちを取り巻く社会情勢は、科学・情報技術の進展、自由時間の増大、少子高齢化など、大きく変化を続けています。それに伴い、精神的なストレスの増大や運動不足による生活習慣病の増加など、心と体の健康の保持、増進が重要な課題となってきています。
このような社会環境の変化のなかで運動やスポーツの果たす意義、役割を考えたとき、一人ひとりのニーズや期待に適切に応え、運動やスポーツ活動を継続的に実践できるようなスポーツ環境を整備することが、行政や関係団体等に求められてきています。
こうした中、総理府(現内閣府)はさまざまなスポーツ環境を整備するにあたり昭和54年よりおよそ3年おきに国民の体力・スポーツに関する意識調査を行なうために「体力・スポーツに関する世論調査」を実施し、平成12年に出されたスポーツ振興基本計画等の様々なスポーツ施策の参考としてきました。
本県でも平成13年度に国が実施している調査とほぼ同じ内容の「県民の体力・スポーツに関する実態調査」を実施し、スポーツ振興施策の基礎資料とするために県民の体力・スポーツに関する意識調査を実施しました。以来5年が経過する中で県民一人ひとりがそれぞれの興味・関心・目的さらには体力や年齢、技能に応じていつでも、どこでも、だれでも、いつまでも、運動やスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現のために、平成16年度に「スポーツのあるまち・くらしづくり」を基本理念とし、13年度の調査結果を踏まえながら神奈川県のスポーツ振興指針である「アクティブかながわ・スポーツビジョン」を策定し、2015年までに成人の週1回以上のスポーツ実施率を2人に1人(50パーセント)にする目標を掲げるなど、さまざまなスポーツ振興施策を展開しています。
そのような中で、現在の県民の健康・体力観、スポーツの実施率や体力・スポーツに関する実情を把握するため、前回調査と同規模の調査を実施しました。
そこで、本研究では今回と平成13年度に実施した調査項目の中で、県民の健康・体力観や運動・スポーツの実施状況、スポーツ施設や運動・スポーツクラブ、スポーツ振興についての意識や要望などの推移を比較し分析することにより、今後の地域に根ざした県民主体のスポーツ振興に向けた施策展開の基礎資料を得ることを目的に本テーマを設定しました。
平成18年4月1日現在で、神奈川県に居住する満20歳以上の男女個人3,000人にアンケート調査を実施し、それらを集計、処理した後に、平成13年度の結果と分析・比較及び考察や課題等の検討を行いました。
平成18年度アンケート調査の回答数は1,185、回収率は39.5%でありました。また、平成13年度調査の回答数は1,209、回収率は40.3%でありました。
普段の健康及び体力に関しては前回調査と比較して全体としては大きな変化はみられなかった。
健康への意識として、健康や体力への注意については、特に20代・30代において「注意している」「少し注意している」の合計で前回調査を上回っていることから、健康への意識が若い世代でも高まってきているものと考えられる。
「食生活に気をつける」「睡眠や休養をとる」「規則正しい生活をする」を『生活習慣の意識』とし、「運動やスポーツをする」「身体活動の機会を増やす」を『運動習慣の意識』として、年代別に2つのグループを比較してみると、20代では生活習慣への意識が前回調査を上回る傾向がみられたが、他の30代から70代以上では生活習慣の意識より運動習慣の意識が前回調査を上回る傾向が見られた。健康を維持増進していくための方法として、運動習慣といった積極的活動への意識が高まっているものと考えられる。
「週に1回以上運動を行った人」は39.7%で前回調査と比較して2.6ポイントとやや増加していることが分かった。
運動やスポーツをした理由としては、「健康・体力つくりのため」「運動不足を感じるから」で前回調査より増加しているのに対し、最も高い数値を示している「楽しみ・気晴らしとして」は減少する傾向が見られた。このことから前回調査と傾向は変わらないものの、少しずつではあるが健康や体力維持のために運動・スポーツを行うという意識を持つ人が増える傾向にあると考えられる。
運動やスポーツをしなかった理由としては、前回調査と同様に「仕事(家事・育児含む)が忙しくて時間がないから」が最も高いポイントとなった。仕事を持ちながら運動やスポーツを行うということが難しい状況は変わっていないようである。
次に、「今後(も)行いたい運動スポーツ」の「比較的軽いスポーツ種目」を前回調査と比較した場合、「エアロビクス・ヨガ等」が前回調査を大きく上回り、年代別にみると、「エアロビクス・ヨガ等」では全ての年代で大きく増加し、「ウォーキング」や「体操」などでは50代以上で増加する傾向が分かった。このことは、これらの種目がダイエットや健康・体力つくり等に有効であることが、様々なところで取り上げられる機会が増えたことや、比較的気軽に一人でも簡単にできる運動として、現在のニーズにマッチしたことによるものと考えられる。
また、「競技的スポーツ」の実施意向をみた場合、ほとんどの種目で前回調査を上回る傾向がみられた。各年代において競技的スポーツの実施意向が高まっている傾向が伺え、それぞれの種目を実施しているだけで満足していた人たちが、自分の力を試す試合などの場を求めていると考えられる。
公共スポーツ施設への要望については「施設数の増加」が最も多い傾向は変わっていない。また、「利用案内など広報の充実」と「利用時間帯の拡大」が大きく減少していることから、インターネットの活用や市町村による広報の充実、各施設の利用時間の拡充などといった効果が現れてきているものと考えられる。
学校体育施設の利用状況は前回調査同様85%以上の割合で利用されていないことから、身近なスポーツ施設である学校体育施設が十分に活用されていない状況が伺える。
これらの学校体育施設を有効に活用していくために、各施設の所在地や行える運動・スポーツ、利用時間帯などのさまざまな情報の発信方法等を考えていく必要がある。
今後設置を希望する公共スポーツ施設として、「多目的運動広場」や「スケート場」、「サッカー・ラグビー場」で増加傾向が見られました。これらはフットサルや、フィギアスケート等のような近年、メディアなどで取り上げられる機会が多くなった種目の影響によるものと考えられる。
運動やスポーツに関する情報ニーズとして「健康・体力つくり情報」と「スポーツ施設の案内」の上位2つが入れ替わり「健康・体力つくり情報」が最も高くなった。
このことは、自らの健康・体力の維持増進に対する関心が向上したためと考えられる。
スポーツクラブや同好会などへの加入状況は20%前後で前回調査とほぼ変わっていないことがわかった。年代別にみると、40代・50代では減少傾向が見られ、それ以外の全ての年代で増加傾向が見られた。
加入しているクラブ・同好会については、「民間スポーツ施設などの会員制のクラブ」に増加傾向が見られ、特に20代と60代で大幅に増加し50代でも増加していることがわかった。
これらは豊富な運動メニューと充実したトレーニング設備や交通の利便性などを備えた施設で、自らの健康体力の維持増進などをはかるために加入が増加したと思われる。また、「市町村内の人を対象とした地域クラブや同好会」では減少傾向が見られ、20代で0%になるなど60代をのぞいた全ての年代で前回調査を下回っている傾向が見られた。市町村内の人を対象とした地域クラブや同好会への関心が若い世代で薄れている傾向が伺える。これらの背景には、その時々のニーズにあった種目をすぐに取り入れるといった柔軟性や、個人を対象とした気軽に行えるスポーツをしたいというニーズに対応しているか、ということが要因として考えられる。
運動・スポーツクラブ加入目的については「健康・体力つくりのため」がもっとも高い数値を示し、前回調査よりやや増加していることが分かった。また、「親睦のため」では前回調査を10ポイント下回るといったことから、個人の健康体力を維持増進するために加入する傾向が分かった。
また、現在非加入者の今後の加入意向は、全体で「加入したくない」が減少し、「分からない」「加入したい」が増加するといったところから、なんらかのきっかけがあれば加入する可能性が高い人が増加しているものと推測される。
地域のスポーツ振興に期待する効果として「地域のコミュニティ形成」や「世代間交流の促進」、「地域の健康水準の改善」といった、地域に係わる項目で全体・年代別でも増加していた。そのため前回調査で高い数値を示した、「余暇時間の有効活用」や「スポーツ施設の有効活用」などの数値は大きく下回る傾向がみられた。このことから、今日的な課題である地域におけるコミュニケーションの希薄化などを解決する手段の一つとして、運動やスポーツの振興が期待されていると思われる。
今回、平成13年度と平成18年度の調査結果の比較を行い、特徴のあった項目や課題を年代別に比較してきた。全体としては大きな変化はあまりみられなかったものの、年代別にみていくと大きな変化のある項目もみられた。特に、成人の週に1回以上の運動・スポーツ実施率の傾向で明らかになったように20代から40代のグループと50代以上のグループ分けられる傾向が多くの項目で見られた。成人を対象とした運動・スポーツ振興を図っていく上でこのグループ分けをすることで現状の分析を行っていくことが有効であると思われる。このように今後、年代別の分析をさらに行うことにより、ライフステージに応じた傾向やニーズが浮き彫りにされより具体的な傾向や課題を明確にしていく必要があると思われる。
スポーツ情報室 加藤真男 日下肇 黒岩俊彦 磯貝靖子
近年の社会の急速な情報化に伴い、学校教育においてもコンピュータ等を活用した学習が行われるようになってきている。
また、コンピュータや情報通信技術の飛躍的な普及・発達に伴い、ネットワークを通じて配信される教育用デジタルコンテンツが活用できるようになり、今後各教科の学習においてもさらに有効に取り入れることが期待されている。
保健体育においても画像や動画を用いたコンテンツが充実しつつあるが、グループや個人の目標を達成するための学習の道すじを示し、学習者一人ひとりの課題解決に重点を置いたIT教材は決して多いとはいえない。
そこで、生徒が相互に教え合ったり学び合ったりするなどの関わりを促しながら、主体的に課題を見つけ、課題解決方法を考え、実践してく学習過程において動画等の情報を活用できるようなバドミントンの学習支援教材を開発することとした。
平成8年7月の中央教育審議会第一次答申において、「生きる力」とは、単に過去の知識を記憶しているということではなく、初めて遭遇するような場面でも、自分で課題を見つけ、自ら考え、自ら問題を解決していく資質や能力であると提示されている。これからの情報化の進展に伴ってあふれる情報の中から、本当に自分に必要な情報を選択し、主体的に自らの考えを築き上げていく力などは、この「生きる力」の重要な要素である。
「生きる力」を育むためには、「各自が自分なりの課題を設定し、考え、自分なりの方法で解決していく」学習形態として、課題学習がある。
体育学習においては、各種の運動の合理的な実践を通して、生徒が自己の能力に応じた課題を解決することにより、「運動技能を高め、運動の特性に触れ、運動の楽しさや喜びを深く味わうこと」、「体ほぐしをしたり、体力向上を図ったりすること」、「公正、協力、責任などの態度を育てること」を明確にし、生涯を通じて運動に親しむことができる資質や能力を育てることになる。
課題学習は、まず目標を設定し、その目標達成のために必要な課題を見つけ、設定し、その課題の具体的な解決方法を理解し計画(Plan)をたてる。そして、その課題を解決するための実践(Do)を行い、学び合いや教え合いと自己分析による評価(Check)を行い、新たな課題を発見し、新たな解決方法(Action)を見出す。こうして、課題がクリアできた時、目標が達成され、新たな目標を発見し、このP・D・C・Aのサイクルで学習が展開される。
今回作成した学習支援教材は、課題学習での学習のプロセスの理解と運動のイメージ化を効果的に支援できる動画の活用と、生徒が使用する際の操作性と教員が工夫・改良しやすい汎用性を考慮した。また、生徒が目標や課題を自ら設定し、解決する学習の道すじをたどりながら、具体的な課題の解決方法を選択し、さらにその学習のプロセスが確認できるように工夫した。
初めのうちは4、5人で見ていたが項目の選択が始まると、操作している生徒の課題と必ずしも一致しないためか、次第に人が少なくなり最終的には練習のパートナーと2人、もしくは1人という場面が多かった。また、活動の合間に練習のパートナーと支援教材を活用している生徒や、授業の後半に集中的に活用している生徒もいた。
今回開発した学習支援教材の課題学習に対する有効性について事後アンケートの結果でみると、単元の初期に使用したB校では、「動画の見本は役に立った」が83.7%、「自分の課題発見に役立った」が78.9%、「動画や連続写真にある説明文を参考にした」69.5%。また、単元の後期に使用したA校では「動画や連続写真にある説明文を参考にした」が80.7%、「動画の見本は役立った」が71.0%、「目標を設定しようの画面の映像は役に立った」が69.8%だった。
以上の数値を事前アンケートの「自分の目標や課題を持ちながら取り組んでいる」69.1%に照らし合わせると、普段「自分の目標や課題を持ちながら取り組んではいない」生徒に対しても、有効であると考えられる。
また、「動画の見本は役立った」を「目指す姿のイメージ化」に、「自分の課題発見に役立った」を「自分の課題発見」に、「動画や連続写真にある説明文を参考にした」を「技術の理解」に置き換えた場合、単元の初期段階では、「目指す姿のイメージ化」や「自分の課題発見」に、単元の後期段階では、「技術の理解」や「目指す姿のイメージ化」にと、一人ひとりの能力や学習の発展段階に応じても有効であると言える。
事後アンケートの「全体の操作は簡単だった」が99.1%であり、簡単に操作できる学習支援教材になったと言える。
今回、学習支援教材を作成するに当たり、インターネット上に活用できる画像が見つからず、結果、デモンストレーターを依頼して撮影・制作することとなった。このことから、映像など教材に使用する素材や生徒の学習に有効な学習支援教材をできるだけ多くの教員が共有できるようなネットワークの構築が必要である。
また、多くの授業で活用するためには、体育館や武道場、グラウンドなどで自由に使えるノート型パソコンの配備とネットワークを利用するための情報通信の基盤整備が必要と考える。
一方、アンケート結果から、課題解決の過程や問題を解決する道筋を省き、一足飛びに答えを求める、または答えを得る方法を求める生徒がいることが見受けられた。
したがって、課題学習にITを活用した学習支援教材を使用する場合、生徒に対して学習する過程で自分の目標・課題の設定をきちんと行った上で、解決方法を主体的に見つけ出すという手順を指導する必要がある。その上でこの教材があくまでも課題学習の補助的なものであることを理解させる必要がある。
【学習支援教材画面】
相模原市立谷口小学校 松浦 隆志
現行の学習指導要領では、「心と体をより一体としてとらえる」観点が重視されている。その中でも表現運動は、自己の心身を解き放して、リズムやイメージの世界に没入してなりきって踊ることが楽しい運動であり、互いの違いやよさを生かし合って仲間と共感、交流して踊る楽しさや喜びを味わうことができる運動である。1)
しかし、実際に児童の意識調査を行ってみると、表現運動は最も人気のない領域となっており、踊ることに対する羞恥心や、学習内容や学び方に対して見通しが持てないこと、仲間とのかかわり合いがうまくいかないことなどがその理由であった。その中でも特に「動き方がわからない」ということがその根本にあるのではないかと考えた。
そこで本研究では、「4つのくずし」の概念をもとにし、題材からのイメージを結び付けながら「くずしの運動」を段階的に取り入れることにより、動き方や動きの変化のつけ方に気付き、自分の持つイメージを動きとして表す手がかりとすることで、表現運動の特性に触れる楽しさを味わうことができるではないかと考え、本主題を設定した。
題材からのイメージを結び付けながら「くずしの運動」を段階的に取り入れることにより、そのものになりきってからだや空間を大きくつかったり、表したい感じを動きに変化を付け、お互いにかけ合ったりして表現することができる。また、仲間のよい動きに気付き、自分の踊りに生かすことができる。
平成18年9月28日(木曜日)から10月13日(金曜日) 7時間扱い
相模原市立谷口小学校
第4学年2組(27名)
表現 「たんけんに行こう!」
運動への関心・意欲・態度 | 表したいものになりきって踊る表現運動の楽しさを味わえるようにする。さらに友だちと協力して踊りを作ったり気持ちを合わせて踊ったりしようとする。また友だちの動きのよい所を見付け、認め合おうとする。 |
---|---|
運動についての思考・判断 | 表したい題材のイメージを持ち、表したい感じが強まるような動きを工夫することができる。また、友だちのよい動きを見付けることができる。 |
運動の技能 | 題材の主な特徴をとらえ、からだや空間を大きくつかって踊ったり、動きに変化を付け、友だちとかけ合って表現したりすることができる。 |
ねらい1:「たんけん」のイメージを広げ、友だちとかかわりながら思い付くまま自由に踊って楽しむ。
ねらい2:気に入ったイメージに、表したい感じが強まるようグループで工夫して踊って楽しむ。
(1)「ほぐしの運動」について
はずかしさの緩和、かかわりのケーススタディーを目的として「ほぐしの運動」を行った。単元の初めのうちは、「はずかしい」といっていた児童の実態を考慮し、動き回っていろいろなタッチをしたり、ペアでゲーム的な要素を含んだ活動を行ったり、動的な活動を中心に行った。その後活動になれてきた段階で静的な活動を取り入れた。
(2)「くずしの運動」について
表現に必要な動きを理解し、身に付けること、イメージと動きを結び付けること、表したい感じを反映させることを目的として「くずしの運動」を行った。
「空間・身体のくずし」とは、いろいろな方向や身体のつかい方など非日常的な動きへ変化させることであり、「リズムのくずし」とは、リズムやテンポの速さの変化を、「人間関係のくずし」とは、かけ合うなど1人ではできない動きの変化のことを指している。授業では、毎時間「くずし」の重点を絞って焦点化すると共に、段階的に取り入れることで表現に必要な動きを理解し、身に付けやすいようにした。(表1)
時間 | くずしの運動 | 重点 |
---|---|---|
1時間目 |
|
空間・身体のくずし |
2時間目 |
|
空間・身体のくずし 題材からのイメージ |
3時間目 |
|
人間関係のくずし 題材からのイメージ |
4時間目 |
|
リズムのくずし 題材からのイメージ |
5時間目 |
|
表したい感じ |
毎時間のおわりに行った発表会の踊りにおいて、「空間・身体のくずし」を含んだ「大きな動き」、「人間関係のくずし」を含んだ「かけ合いの動き」、「リズムのくずし」を含んだ「変化を加えた表現」の発現回数が大幅に増えてきていることや、27名全員が「くずし」を複合的に取り入れた動きで踊ることができるようになったことから、「くずし」を取り入れて踊ることができたと考える。
学習カードの自己評価「そのものになりきって踊ることができたか」について、「よくできた」もしくは「できた」と答えている児童の割合を見てみると、1時間目は74%だったが、7時間目には、93%になった。
また、「見合いカード」による相互評価で、「表したい感じを強調して表現することができたか」を分析したところ、5時間目は表したい感じを強調して表現することができていたという児童の割合が59%であったが、7時間目には、89%になった。このような結果から、表したいものになりきってその感じを伝えることができたと考える。
「見合いカード」の自由記述内容に「くずし」や「表したい感じの強調」に関する記述がどれだけあったかを分析すると、3時間目には、18であったが、7時間目には、43に増加した。また、それぞれの項目ごとに見ても増加傾向にあることがわかる。また、記述の内容も抽象的なものから具体的なものに変わってきており、仲間のよい動きに気付くことができたと考える。
さらに、6時間目と7時間目の踊りを比べ、「かけ合いの動き」が何種類含まれているかを見てみるとほぼ全員の児童のかけ合い方のバリエーションが増えていることから、自分の踊りに生かすことができたと考え、友だちのよい動きに気付き、自分の踊りに生かすことができたと考察する。
題材からのイメージを加えた「くずしの運動」を段階的に取り入れることにより、そのものになりきってからだや空間を大きく使って踊ったり、表したい感じを動きに変化を付け、お互いにかけ合って表現したりすることができ、さらに仲間のよい動きに気付き、自分の踊りに生かすことに有効であるということが明らかになった。
(1)「くずしの運動」・「ほぐしの運動」の充実化
(2)小学校6年間を見通した学習計画
(3)子どもが表現に見出す「楽しさ」の分析
参考文献
1)村田芳子 『楽しい表現運動・ダンス』小学館1998.8
山北町立山北中学校 佐藤 康二
豊かな人間性を育む保健体育科の取り組みとして、本村は、「武道では、直接的に相手を制することから、相手を尊重する態度が求められるし、『礼』に代表されるように我が国固有の文化としての伝統的な行動の仕方を学ぶことができる。」と提唱している。1)本校3年生に行った保健体育科実態調査によると、柔道の学習は、「友達と協力して練習し、技ができるようになると楽しい」さらに、「できるようになった技を使って攻防し、試合などで『一本』を取って勝つと楽しい」と感じている。その反面、「難しくて、技がうまくできないからつまらない」「投げられると痛い」と感じている生徒もいる。
このようなことから、まず、個に応じた得意技を身に付けさせること、さらに、生徒が身に付けた得意技を「一本」が取れる技にまで意欲的に高めようとする授業を展開することにより、柔道の特性を味わわせることができればと考えた。また、生徒相互の教え合いや関わり合いを重視し、自らを律しつつ、互いを尊重する態度を育くんでいくことにより、互いに切磋琢磨しながら習熟完成していく喜びを味わい、さらには、生涯にわたり仲間と関わり合いながらスポーツに親しもうとする資質や能力も育めるものと考えた。
そこで、学習資料やITを活用した支援教材などの教具の工夫、学習ノート・カード、グループ編成、約束練習や自由練習を工夫することにより、教え合いや関わり合いが促進され、本研究における「一本」を目指す学習意欲が高まると考えた。そして、練習の質や頻度が高まるとともに、仲間への思いやりや感謝の気持ちが育まれ、最終的に柔道の特性を味わうことができるのではないかと考え、本主題を設定した。
教材・教具、学習資料や互いのアドバイスを基に、自らの課題や課題解決の方法を考え、互いに教え合いを通して「一本」を目指して学習することによって、互いを尊重し合い、効果的に得意技を身に付け相手との攻防を楽しむ練習や試合ができるようになる。
平成18年9月19日(火曜日)から11月7日(火曜日) 14時間扱い
山北町立山北中学校 柔道場
第3学年A組 柔道選択者(24名)
武道 「柔道」
運動への関心・意欲・態度 | 自分に適した技を習得し、相手の動きや技に対応した攻防や勝敗を競い合う楽しさや喜びを味わおうとする。礼儀作法を重んじて相手を尊重し、自分で自分を律する態度を取ろうとするなど、進んで技の練習や試合をしようとする。また、用具や服装、練習場などの安全を確かめたり、禁じ技を用いたりしないなど、我が国固有の文化としての伝統的な行動の仕方を重視し、安全に留意して練習や試合をしようとする。 |
---|---|
運動についての思考・判断 | 自分の能力に適した得意技を身に付けることができるよう、かかり練習や約束練習を工夫したり、すきを見付け、崩して投げたりするなど、自由練習や試合の仕方が工夫できるようにする。また、視聴覚機器や資料の活用を工夫して課題学習ができるようにする。試合では、個人・団体形式や体格別などを踏まえて、それぞれ判定の基準や審判の仕方を工夫できるようにする。 |
運動の技能 | 対人的技能との関連を図って基本動作を身に付けるとともに、自分に適した技を選び、各種の練習方法を通して段階的、系統的に身に付けることができるようにする。また、相手の動きや技に対応した攻防を展開する中で、身に付けた技能の中から得意技とすることができるようにする。技能の程度に応じた練習や試合で、得意技を掛けたり相手の技に応じて変化したりすることができるようにする。 |
運動についての知識・理解 | 武道の特性や学習の進め方、基本動作や対人的な技術の構造、自分や相手の課題に合った練習や試合の仕方、練習計画の立て方が理解できるようにする。また、柔道の礼儀作法など、我が国固有の文化としての伝統的な行動の仕方を理解し、試合の運営やルール、審判の方法が理解できるようにする。 |
練習方法の工夫と課題の達成状況について、毎時間の数値は、ほぼ横ばいであった。課題の設定では、前半は、教師がねらいとしていた具体的な課題と、生徒の立てた課題にはかなりのギャップがあった。しかし、柔道通信や学習ノートに毎時間教師がコメントしていくことにより、具体的な課題が立てられるようになったと考える。特に、10時間目以降の得意技の学習では、適切な課題が立てられるようになり、自ら課題を発見し練習を工夫して課題を解決することができるようになったと考える。
今回の授業を通して、生徒が新たに身に付けた技は、平均7.3種類であり、現在身に付けている技は、学習した技14種類に対して平均11.5種類と高い数値となった。これは、生徒の技の構造の理解が進んだことと、受け身がしっかりとできるようになり、投げられることへの恐怖心が減り、練習が活発に行われるようになったためと考える。
技の構造の理解については、「技の構造の理解テスト」の正解率は、90.5%と高く、受け身の習得は、ほとんど全員が各種受け身を投げられてもできると答えた。得意技も、全員が身に付けることができた。生徒は、技の構造を理解し、教え合いを通して学習することによって、効率よく学習することによって、技能を身に付けることができるようになったと考える。
事前、事後のアンケートを比較すると、「練習などで礼をすることができているか」については、ほとんどの生徒が事前からできており、変化を示さなかったが、「礼の意味を理解し、考えて礼をしたか」については、大きく変容した。これは、まさに教え合いが大きく影響していると考える。生徒は、相手が自分のことを考えて練習してくれていることを感じ取り、それに対して感謝する姿勢が身に付いたと考える。また、安全に対しても、生徒に考えさせた練習のルールでは、「引き手を離さない」「相手が投げやすいようにする」「相手が痛くないように投げる」「相手のことを考えて安全に注意する」など、ほとんどが安全に関するものであった。また、事後アンケートの、安全に対しての記述内容を見ると「相手には絶対怪我をさせたくない」などの内容が多く見られた。このようなことから、相手を尊重し、安全に配慮して活動できたと考える。
今回の学習では、得意技を身に付け「一本」を目指すことをテーマとして行ったため、生徒は、より得意技を極めようと授業に取り組んでいた。試合においては、ほとんどの生徒が得意技を使って攻防していた。また、結果が一本勝ちであった試合の決まり技が、得意技であったかどうかを見ると、固め技の試合が86%、投げ技を含めた試合が63%と、ほぼ得意技で一本勝ちしていることがわかった。生徒の感想を見ると、「得意技で一本取れてうれしかった」「試合や自由練習で一本取れてうれしかった」などがあげられていた。また、図3を見ると、事後アンケートの「練習や試合で、相手との攻防を楽しむことができたか」については、「できた」「ややできた」を合計すると全員が攻防を楽しめたと答えた。このようなことから、相手との攻防を楽しむことができたと考える。
教材・教具、学習資料や互いのアドバイスを基に、自らの課題や課題解決の方法を考え、互いに教え合いを通して「一本」を目指して学習することによって、互いを尊重し合い、効果的に得意技を身に付け相手との攻防を楽しむ練習や試合ができるようになることが明らかとなった。
(1)より充実した「単元計画」の作成
(2)「教材・教具」の更なる充実
(3)「選択授業」の行い方と、生徒の選択の仕方
参考文献
1)本村 清人 『中学校保健体育科の指導と評価』 暁教育図書 2004年
県立座間高等学校 元橋 洋介
運動を楽しむためのバドミントンの基本的な戦術は、オープンスペースをつくりだして攻撃し、守備側はそのオープンスペースを守ることである。しかし、体育の授業での生徒の様子を見てみると、誰もが単純にシャトルを打ち合うことを楽しんではいるが、本格的にゲームを始める段階になると、お互い同じ所に返球し変化に富んだプレーに発展できず、相手を揺さぶるバドミントン本来の楽しさを味わえていないと思われる。これらの原因としては、攻防における適切なポジショニングなどのシャトルを打っていないときの動きや技術を選択する意思決定などのいわゆるゲームパフォーマンスが発揮されていないことが考えられる。
これらのゲームパフォーマンスを向上させるためには、オープンスペースをつくりだして攻撃することと、それを守ることに着目し、ゲームの実施により戦術的内容について気付き、その気付きをもとに教え合い学び合いの学習を行うことによって、課題を認識して練習につなげる、いわゆる「戦術学習」が有効と思われる。そこで本研究では、この技術や戦術について「わかる」ことから、「できる」ことにつなげていく「戦術学習」の展開によって、ゲームパフォーマンスが向上し、相手を揺さぶるバドミントン本来のゲームの楽しさを味わうとともに、運動に対する自信、つまり運動有能感が高まる学習の構築を目的とした。
条件付けられたゲームの実施とゲームパフォーマンスを評価することによって、生徒の戦術的気付きを促す。そして、その気付きをもとに教え合い学び合いの学習を行うことで課題を認識し、適切な技術の選択とポジショニングが実現できるようになり、相手を揺さぶるバドミントン本来のゲームの楽しさを味わうとともに、運動有能感を高めることができる。
平成18年10月8日(水曜日)から11月22日(水曜日)
12時間(6日間)2時間連続
神奈川県立座間高等学校
第2学年1・3・5組(24名)
球技「2学年バドミントン」
関心・意欲・態度 | バドミントンの個人的な技能とパートナーとの動きの調整の仕方に着目し、相手を揺さぶりながら勝敗を競い合う楽しさや喜びを味わえるようにする。また、自分の役割を受け止め、協力しようとするとともに審判の判定や指示に従い、勝敗の結果を受け止めようとする。更に、活動場所の安全を確かめ、健康・安全に留意して練習やゲームをしようとする。 |
---|---|
思考・判断 | 自分やパートナーとの動きの調整の仕方に適した課題を設定し、その課題を解決するための方法を選んだり、見付けたりすることができる。また、相手との攻防に合った作戦を立てたり、練習やゲームで新しい課題を選んだり、見付けたりすることができる。 |
運動の技能 | 各種フライトやサーブの技能、パートナーとの動きの調整の仕方を身に付け、練習やゲームをすることができる。 |
知識・理解 | バドミントンの特性や学び方、個人的な技術やパートナーとの動きの調整の技術の構造、合理的な練習の仕方、ゲームや審判の方法を言ったり、書き出したりすることができる。
学習の道すじ |
(1)条件付けられたゲームを行うことによって戦術的内容に気付くことができたか
条件付けられたゲームを実施した日の学習ノートの記述を要素別に拾い上げたが、どのゲームについても戦術的気付きに関しての記述が高い割合で見られたことから戦術的内容に気付いていたと考えられる。(図1から4)
(2)ゲームパフォーマンスを評価することによって戦術的内容について気付くことができ、その気付きをもとに、教え合い学び合いの学習を行うことで課題の認識ができたか
ゲーム分析カードと学習ノートから、戦術的内容について気付いていると判断される記述が、最終的には全員の生徒に見られた。特に具体的な内容の記述が6日目まで日を追って高まっていることは、ゲームパフォーマンスを評価することで、戦術的内容についての客観的なデータをもとにした認識の深まりがみられたと考えられる。
5日目の学習ではゲームパフォーマンスを評価し、記録者がそのプレイヤーに対してのコメントやアドバイスを書き、6日目にプレイヤーがそのゲーム分析カードを見て、自己やペアの課題と課題練習について記述し実践した。記録者のコメントやアドバイスも、プレイヤーの記述した課題も全て戦術的内容であり、ほとんどのペア(10ペア中8ペア)が記録者のコメントやアドバイスを参考にし、自己やペアの課題を設定していることから、ゲームパフォーマンス評価による教え合い学び合いの学習が行われていたと考えられる。
ダブルスのゲームにおいて、4日目から6日目にかけて計8試合のゲームパフォーマンスを評価し、教師がVTRを見ながら攻撃と守備に関して評価した。
有効と適切を足した数を、打った数で割った数値を指標とし、同じ対戦チームとのゲーム2試合を比較した。1試合目より2試合目の数値が上昇している生徒やペアは、攻撃では22名中19名(86%)、守備では11ペア中9ペアであった。このことから、攻撃における適切なフライトの選択と守備におけるポジショニングが実現できるようになったと考えられる。
学習ノートの記述の変容を見てみると、個人的技能やラリーが続く等の記述が授業前半では多かったが、後半になるに従い攻撃と守備についての記述が多くなり、最終的に18名の生徒の記述が見られた。このことは、単純な打ち合うことを楽しんでいる状態から、相手を揺さぶり、お互いが動きのある攻防を楽しむことができるようになったと考えられる。
運動有能感を構成している3因子と合計について、運動有能感測定尺度を事前と事後で実施した。どの因子にも上昇が見られたが、特に統制感と受容感では、統計的に有意差がみられた。
以上の結果から、「戦術学習」が、条件付けられたゲームの実施とゲームパフォーマンスを評価することで、生徒の戦術的気付きを促し、その気付きをもとに教え合い学び合うことで課題の認識ができ、適切な技術の選択とポジショニングの実現に有効であったことが明らかになった。
(1)課題の明確化と習熟度を高めるために、「戦術学習」において攻撃と守備を分けて行うことで、学習のねらいを焦点化し、ゲームの効率化と試合数の確保をはかるなどの学習展開の改善。
(2)練習方法を課題ごとに整理した学習資料、身体的有能さの認知を高めるために、仲間同士でチェックできる技術チェック表の工夫。
(3)球技における戦術的内容の類似性を利用し、生徒が新しい単元の活動や状況に柔軟に適応でき、限られた単元時間の中でも効果的に戦術的内容の理解や習熟度を深めるための「戦術学習」の導入。(ゲームパフォーマンスの転移)
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