更新日:2023年12月18日

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県民フォーラム意見等に対する回答(第6回)

第6回県民フォーラム実施結果を紹介します

フォーラム写真
第6回県民フォーラム

森林整備等関連項目

1.【人材の確保・育成について】
森林や水源環境保全・再生を担う人材の確保への具体策は?
森林塾について知りたいと思います。ボランティア・NPO・企業等があると思いますが、専門職の養成の計画はありますか?

(主な対応所属:森林課)

かながわ森林塾は、林業への就業希望者から、中堅技術者、上級技術者まで、様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、21年度開校します。これはいわばプロの担い手の養成機関です。
また、森林づくりボランティア活動の指導者として、平成2年度から「かながわ森林インストラクター」を養成しており、一般の方のボランティア活動の指導のほか、森林・林業に関する普及啓発などに取り組んでいただいています。
企業・団体等の森林づくりへの参加の仕組みとして、平成11年度から「水源林パートナー制度」を設けていましたが、21年度から、より幅広く参加していただけるよう「森林再生パートナー制度」として制度の拡充をしたところです。

2.給与面等待遇改善に努め、森林再生に向けた人材の確保を早急に進めて欲しい。

(主な対応所属:森林課)

県では、林業労働力の確保・育成を図るため、林業事業体に対する林業従事者の就労条件の改善を含めた経営指導や、労働安全衛生に関する指導・講習会の開催等を実施しています。

3.林業の担い手不足が特に心配です。そのような中で、今回の話の中にあった林業の育成講座に期待しています。

(主な対応所属:森林課)

森林整備の担い手の確保・育成を図るため、林業への就業希望者から、中堅技術者、上級技術者まで、様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、21年度、かながわ森林塾を開校したところです。

4.【森林業務担当者の確保・養成について】
森林企業は特殊な技能(体力・知識)が必要と思う。従事者は少ないと言われる中での施策又は養成等はどのように対処しているのか現状はどうなのか、お聞きしたい。

(主な対応所属:森林課)

林業従事者等の育成については、これまでも林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)してきました。
さらに、今年度、林業への就業希望者を対象に、林業への就業を見極めるための森林整備体験を行う研修を新たに開始することにしました。
また、こうした様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、かながわ森林塾を21年度開校したところです。

5.【環境に矛盾しない経済性の創出】
水源環境の保全・再生(環境性)の為には、持続的森林経営の途(みち)(経済性)創出が必要と思います。
神奈川県・山梨県行政はどのように取り組んでいるのでしょうか。

(主な対応所属:森林課)

神奈川県では、かながわ森林再生50年構想を掲げ、県内の森林を地域特性に応じて区分し、区分毎に目指す森林の姿を設定して、森林再生に取り組んでいます。
この中で、林道から概ね200mの人工林を「森林資源を循環利用するゾーン」として、持続的な人工林経営を目指すこととし、森林所有者に対する森林整備や間伐材の搬出等への支援に取り組んでいます。

6.【「水源の森林づくり」事業について】
森林所有者としてまた森林づくりを進めようとしている者として考え方をお聞かせ願いたい。神奈川県で進めている「水源の森林づくり」施策はあくまでも「水源の森林づくり」が目的であるので、山林の育成、経営に重きを置いていない。山林材の活用の促進(地産地消)や既存森林の活用がされないので、戦後の国施策によって山林育成した山林所有者が経営不安から山林管理から手を引いているのが現状です。
木材(間伐材含む)の県内消費を含めた利用促進を行政が取り組むことを望みます。

(主な対応所属:森林課)

神奈川の森林を保全・再生していくために、県では、水源の森林づくりによる私有林の公的管理・支援と併せて、木材利用が可能な森林については、県産木材の有効活用による持続的な森林管理を進めることとし、県の総合計画である「神奈川力構想・実施計画」戦略プロジェクト6構成事業4「県産木材の有効活用の促進」に位置づけ、重点的・優先的に取り組んでいます。
具体的には、間伐材の搬出支援、県産木材の新たな用途開拓、県産材を使用した公共木造施設整備の支援、住宅への利用促進、普及啓発イベントの開催など、生産・加工・消費にわたる総合的な取り組みを展開しています。

7.林業家として経済的に自立できる林業環境をつくるべきだ。日本の林業施策への提言は。

(主な対応所属:森林課)

神奈川県では、かながわ森林再生50年構想を掲げ、県内の森林を地域特性に応じて区分し、区分毎に目指す森林の姿を設定して、森林再生に取り組んでいます。
この中で、林道から概ね200mの人工林を「森林資源を循環利用するゾーン」として、持続的な人工林経営を目指すこととし、森林所有者に対する森林整備や間伐材の搬出等への支援に取り組んでいます。

8.基本の林道拡幅に着手せよ。高性能林業機械稼動ができない。立方メートル5千円で可能であることを認識されたい。

(主な対応所属:森林課)

県が管理する林道は最低でも幅員が3mあり、高性能林業機械の活用には支障がないと考えておりますが、今後、さらに林道の利便性を高めていくために、林道の要所要所に作業ヤードを設置したり、作業道等の路網整備と合わせて林道との接続路を設置していきます。

9.【間伐材について】
現在、温暖化問題に合わせ間伐材の活用率が上がっています(約50%)。2009年では70%引き上げると言われていますが、現時点で、こうした点は余り向上しているとは言えないと感じている。間伐から合板して、外産より国産に見直してから需要が増えてきているようです。県もこうした流れに乗っていくようお願いしたい。

(主な対応所属:森林課)

県では、間伐材の有効活用を図るため、搬出に対する支援などを行うほか、柱材や板材には不向きで、利用されてこなかった曲がりや節の多い低質な材を合板等の原料として活用していくための取組を行っております。
そうした取組を通じ、通常は鉄骨等を用いる大規模施設の構造材に、低質材を使用して加工された、LVLや集成材という加工木材を使用した施設が建設されてきております。(県自然環境保全センター、秦野市表丹沢野外活動センター)
また、全国初の試みとして、県産材を使用したヒノキ合板の実用化にも取り組み、現在、内装材などとして利用が図られているところであり、今後も低質材の利用に向け取り組んでまいります。

10.【間伐材等の利用について】
長野県前知事(田中氏)は年間数回塩尻市にある林業センター(県分庁舎。長野県産材木で建築されている)で幹部会議を行っていた。県幹部が木の大切さを考える良い機会である。また、施策の中で、木造の素晴らしい小学校校舎、そして山間部にある周囲にマッチした木造ガードレール等行政が率先して出来る公共事業があると思われます。
神奈川県もこのように公の校舎等を木造にする計画はありますか。事業として成り立つためには、まず行政から行う必要があると思われます。

(主な対応所属:森林課)

本県では、県産木材の利用を促進するため、かながわ木づかい運動を展開しています。
県においても率先して県産木材を使おうと、平成17年に「公共施設の木造・木質化に関する指針」を策定するとともに、県庁本庁舎の腰壁や、新庁舎の庁舎案内板、分庁舎の食堂の壁、さらには、室内の班名板や机上の職名板などにも県産材を使用しています。また、公共工事等においても、木製ガードレールや木柵など県産木材の活用を進めているところです。
さらに21年6月にオープンした県自然環境保全センター新築等にも、県産木材を使用しています。
このほか、市町村や学校、幼稚園等の教育機関において、施設建設や内装に県産木材を使用する場合に、経費の一部を助成する取組みも進めております。

11.【県産材振興の視点より】
県産材を使用した住宅建築に対して、環境税を財源とした補助をすることは可能ですか?

(主な対応所属:緑政課)

水源環境保全税を財源として活用する事業については、県議会における論議を踏まえ、「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に掲載されている12の特別対策事業に限られております。この12の特別対策事業の中には、県産材を使用した住宅建築への補助は位置づけられておりませんので、現行では水源環境保全税を財源として活用することはできないことになっております。
しかし、この12の特別対策事業の中には、間伐材の集材・搬出に要する経費に対する助成事業が位置づいておりますので、同事業により、水源環境保全税を活用した県産材の振興を図っているところです。

12.マイ箸ブームの中での間伐材利用のストラテジー(戦略)は?

(主な対応所属:森林課)

本県では、間伐材を割り箸や箸に加工する業者はなく、割り箸・箸の需要は本県の県産材活用対策には盛り込んでいませんので、影響はないと考えています。
なお、本県では、間伐材を中心とした県産木材の利用を促進するため、かながわ木づかい運動を展開しています。
まず、県において率先して県産木材を使うため、平成17年に「公共施設の木造・木質化に関する指針」を策定するとともに、県庁本庁舎の腰壁や、新庁舎の庁舎案内板、分庁舎の食堂の壁、さらには、室内の班名板や机上の職名板などにも県産材を使用しています。
また、公共工事等においても、木製ガードレールや木柵など県産木材の活用を進めているところです。
さらに21年6月にオープンした県自然環境保全センター新築等にも、県産木材を使用しています。
このほか、市町村や学校、幼稚園等の教育機関において、施設建設や内装に県産木材を使用する場合に、経費の一部を助成する取組みも進めております。

13.現在、桂川・相模川流域の5つの森林組合(富士北麓・南都留・北都留・大月・津久井郡)が連携して、間伐材を活用したパルプ化・リグニン化プロジェクトを進めております。日本初・世界初の、「森林革命」と関係者が驚くプロジェクトです。
知事が言われた広域連携のモデルだと思いますが、県をはじめ関係者は大至急情報収集に努めていただき、全力で応援すべきだと思う。

(主な対応所属:森林課)

森林の保全・再生を継続して進めていくためには、森林の手入れによって生じた間伐材等を有効活用することで、次の森林の手入れにつなげていくといった、森林循環の仕組みを構築していくことが重要であると考えます。
そのためには、出来るだけ多くの間伐材を有効活用していくことと併せ、間伐材の取引が、経済原理にのっとり、有価として採算が取れるものであることが重要となってきます。
このようなプロジェクトを含め、新たな間伐材の活用については、そうした視点を踏まえ、その実現性を見定めながら、検討してまいりたいと考えています。

14.【税金を使った森林で再生された木材の扱いはどうしているのか】
特に私有林を整備する場合、拡大造林でいい思いをした山主に対して、またしても税金を投入する。仕様がないなで終わらせないで、残った木材にはその販売権等を公有化する配慮が必要と思う。木材価格が上がったら、山主は売り惜しみをして、また昔のように価格アップが予想される。
30~40年整備をしていない山主は、山の保有資格がない。公有林化すべきとも考えます。

(主な対応所属:森林課)

戦後、木材生産を主眼とした森林の整備が進められてきましたが、木材価格の低迷等に伴う林業不振により、市場経済だけに依存していては、適切な森林の保全・管理は困難となっており、そのまま放置すれば水源かん養や土砂災害防止など森林の持つ公益的機能が損なわれていくとの認識から、本県では私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業を開始しました。
この事業では4つの手法により森林所有者と県が契約等を結び、森林の整備を進めていますが、それぞれ立木の扱いは次のとおりです。
協力協約・・・森林所有者自らが行う森林整備に対して補助などの支援を行う。立木の権利は所有者にあります。
水源分収林・・・県と所有者が、将来伐採して得た収入を一定の割合で分け合う「分収契約」を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。
水源協定林・・・県と所有者が、土地の賃借契約を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。人工林として経営を続けることが困難な森林については、混交林化を進めていきます。立木の権利は所有者にあります。
買取・・・立木だけ買い取る「立木買取」と土地ごと買い取る「森林買取」があります。いずれも立木の権利は県にあります。

森林買取については、多額の買収費用や永続的な維持管理費用が大きな財政負担となることから、直接、水質に影響するダム湖周辺など、県が永続的に管理する必要がある重要な森林に限定しています。

15.多量な税金を私有林に投入するわけだから、残った木材についての権利を公的なものとすべきと思う。木材価格が上がったら(=外国からのものが入らなくなったら)山主は売りしぶりをする!これに事前に手を打つ必要がある。さらに水源林は個人所有から公的所有にしていくべきと思う。

(主な対応所属:森林課)

戦後、木材生産を主眼とした森林の整備が進められてきましたが、木材価格の低迷等に伴う林業不振により、市場経済だけに依存していては、適切な森林の保全・管理は困難となっており、そのまま放置すれば水源かん養や土砂災害防止など森林の持つ公益的機能が損なわれていくとの認識から、本県では私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業を開始しました。
この事業では4つの手法により森林所有者と県が契約等を結び、森林の整備を進めていますが、それぞれ立木の扱いは次のとおりです。
協力協約・・・森林所有者自らが行う森林整備に対して補助などの支援を行う。立木の権利は所有者にあります。
水源分収林・・・県と所有者が、将来伐採して得た収入を一定の割合で分け合う「分収契約」を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。
水源協定林・・・県と所有者が、土地の賃借契約を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。人工林として経営を続けることが困難な森林については、混交林化を進めていきます。立木の権利は所有者にあります。
買取・・・立木だけ買い取る「立木買取」と土地ごと買い取る「森林買取」があります。いずれも立木の権利は県にあります。

森林買取については、多額の買収費用や永続的な維持管理費用が大きな財政負担となることから、直接、水質に影響するダム湖周辺など、県が永続的に管理する必要がある重要な森林に限定しています。

16.【第2期計画に向けて】
多くの県で「水と緑…、森林再生…」としているが、森林の本来の機能を重視した価値観で取り組むことを、次期のテーマとして提案したい。それには、森林を「環境」という視点から見直して、林業や水源だけでない、もっと大きな価値を生むことをクローズアップすべきと考えます。
「水と緑と~」に「空気」を加えては。環境という視点から、新しい取り組みが可能と思う。都市住民への働きかけも有利になる、と思うから。将来は森林の個人所有すらも見直すべきと考えます。

(主な対応所属:緑政課)

県では、平成19年度以降の20年間における水源環境保全・再生の将来展望と施策の基本的方向について、「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」として取りまとめております。大綱では、今後の森林づくりの方向性として、水源かん養機能はもちろん、環境的な価値や保健・文化・教育的価値など、森林の多彩な価値を地域特性に応じて高める森林づくりを目指すことを示しております。

17.【都市近郊の森林地域の果たすべき課題】
自殺者の増加、高齢化対策として都市住民の最高の生活を追求し、実践する場をつくることが必要ではないか。

(主な対応所属:緑政課、森林課)

森林は心身をリフレッシュさせる効果があるとされ、ハイキングやキャンプ、最近では森林浴や森林セラピー等様々に利用されています。
「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」では、市町村が主体となり、比較的標高の低い地域の森林を整備する「地域水源林整備事業」を位置づけております。現在各市町村では、水源環境保全税を財源に同事業を推進しており、その中で都市近郊の森林の整備にも取り組んでいるところです。
ご意見の内容そのものを目的とした施設等ではありませんが、森林とのふれあいや、森林への理解を深めていただくため、「県立21世紀の森」(南足柄市)や「札掛森の家」、県内5箇所に「県民の森」などを設置しておりますので、ぜひご利用ください。詳しくは下記の県ホームページでご確認ください。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/xp8/shinrintonohureaishisetu.html

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水源環境への負荷軽減

18.【相模湖の湖水の浄化について】
湖水の撹乱による方法は、投資金の割りに効果なし。湖水のヘドロや余分な土を除去しているが、これも処理後の土等の処理が適正に行われていなければ、再び湖水に戻って、流れ込んでしまっていると住民は言っている。それよりも、琵琶湖や霞ヶ浦のように両岸のヘドロ地帯にアシを植えた方が、水もきれいになり淡水魚も住むようになる。水そのものは余り大量に流入(日常)していないようである。

(主な対応所属:企業庁利水課、河川課)

(しゅんせつについて)
相模貯水池からしゅんせつされた土砂は、コンクリート用骨材としての再利用や、公共工事等における盛土材料、海岸線の後退を回復するための養浜材料として使用しており、適正に処理をされているものと考えております。また、しゅんせつは、貯水池上流域における災害の防止と(有効)貯水容量の回復を目的に実施しており、その効果が確認されております。
(浄化対策について)
相模湖・津久井湖では、湖内の富栄養化が進み、夏期にはアオコが異常繁殖し、公共用水面の環境保全及び水道水源の面から問題になっていたため、アオコの増殖抑制策として、エアレーション装置を設置してきました。エアレーション装置による湖水循環により、アオコの異常発生は抑制され、効果を上げています。

津久井湖においては、湖水の富栄養化状態の改善のため、湖岸植生帯による栄養塩類の吸収、有機物の分解促進などの効果を期待し、窒素濃度の高い湧水が流入する沼本地区において、湖岸法面に植生が自然に繁殖するよう護岸工事を行うとともに、土砂流入により裸地化した浅瀬に、湧水や湖水を導いて浅瀬を復元し、天然湖沼に近い生態系を創出しています。

19.「森林・水源地」または「水源地・森林」木平氏、「森林環境保全」中村氏、「水源の森保全」山根氏
これらはどう読むのですか。水源池保全はどこに行ってしまったのですか。
毎年、水がめの相模湖、津久井湖に出るアオコは、森林整備だけやっていれば出なくなる展望があるのでしょうか。水源環境保全・再生が目的だったのでは?いつから森林整備になった?

(主な対応所属:緑政課)

森林は、降雨による水を一時的に蓄え、ゆっくりと流すことにより、水源かん養機能や土砂流出防止の機能を果たしています。これらの機能を十分果たせるように、森林を保全・再生する必要があります。しかし、水源環境保全・再生の取組は、森林の保全・再生だけではありません。
ダム集水域においては、アオコの発生の原因である水質汚濁負荷(窒素やリンなど)の軽減として、公共下水道や合併処理浄化槽の整備にも取り組んでいます。

20.公共下水道による整備を進めていては、水質改善は50年も先になってしまう。単独浄化槽から合併浄化槽への切り替えへ生活排水処理計画を転換してほしい。

(主な対応所属:大気水質課)

県では、生活排水処理施設の効率的かつ適正な整備を進めるため、「生活排水処理施設整備構想」を策定し、市町村と十分協議しながら地域ごとに最適な整備手法の選択に努めております。
また、生活排水による水質汚濁等を防止するため、市町村が単独浄化槽から合併処理浄化槽に転換する設置者に対し設置費用の一部を補助する場合、市町村に対する助成制度を設けて、市町村が行う合併処理浄化槽への転換施策を支援しております。

21.【水源地の水質対策について(水道)】
水源である県北部(与瀬、千木良地区)の水道水は異臭(カビ・モの臭い)がひどく、観光客を含めた外来者からの評価が悪くなっており、住民も水源地域でありながら浄化装置をつけているのが現状です。
これは取水地(沼本)から県営谷ヶ原浄水場での浄水方法問題があるのではないかと思われます。早急に高度浄水装置の導入等を計画し、「水源地」を目玉としている地域の問題に取り組んで欲しい。

(主な対応所属:企業庁水道施設課)

県営水道の谷ケ原浄水場は主に相模湖の水を水源としており、相模湖でカビ臭を発生するプランクトンが増殖し水源に臭いをつけるような場合には、粉末活性炭で臭いを取り除く浄水処理を加えることで対応し、安全でおいしい水の供給に努めております。なお、高度浄水処理を導入することなく、通常の浄水処理で水道法に定められた水質基準に適合する安全な水道水を供給できております。

22.地域水源については、県は意識が無い。しかし、農作物の水源地であり、その水質も改善しなければならない。

(主な対応所属:緑政課)

県は、地域における水源保全を図るため、市町村が取り組む地域水源林の確保・整備を支援するほか、市町村が取り組む地下水かん養対策や水質保全対策を支援しています。

23.【神奈川県の取組:地下水の保全対策の推進】
地下水を利用している7%の地域及び下流域で取水(寒川浄水場)している区域では、生活排水対策の他に、
1.減少しつつある里地・里山の保全促進が必要と思う。
2.流域の湧水の現状について住民に知らしめること、保全再生の取組。
この2点がどう進められているのか知りたい。(里地里山は浄化に重要な役割がある)

(主な対応所属:緑政課、農地課)

(水源環境保全税による地下水対策について)
県は、地下水を主要な水道水源として利用している地域において、市町村が取り組む地下水かん養対策や水質保全対策を支援しています。
(里地・里山の保全について)
「神奈川県里地里山の保全、再生及び活用の促進に関する条例」を平成20年4月1日に施行し、条例に基づく里地里山の保全等の活動に対する支援や、里地里山に対する理解の促進のため情報発信を行っています。

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情報提供・啓発

24.今回のフォーラムを含めて、引き続き詳細な情報提供をWEBなどでお願いします。(県外より参加)

(主な対応所属:緑政課)

県民の皆様に水源環境保全・再生の取組へのご理解をいただくため、分かり易い広報、情報提供に努めているところです。
県の主な広報活動として、県のたよりへの記事掲載や県ホームページへの掲載情報の充実などに努めております。
また、水源環境保全・再生かながわ県民会議による広報活動として、県民フォーラムの開催やニュースレターの発行があります。
今後も県民会議にもご意見を賜りながら、県としても県民の皆様へのPRに一層努めてまいります。

25.「しずくちゃん便り」は何部発行され、どのように配布されているか。もっと市民の目に触れるようにする必要はないか?

(主な対応所属:緑政課)

県民会議によるニュースレター「しずくちゃん便り」は平成20年度に11号発行し、一回の発行部数は3,500部でした。主な配架場所は県や市町村機関などです。
平成21年度からは発行部数を増加し、配架場所を増やすなど、より多くの県民の皆様の目に触れるよう配布計画を立ててまいります。

26.インターネット中継やTVK放送など広く県民へ周知する方法を検討されてはいかがでしょうか。一部の関心を持つ人だけでなく、多くの県民に知ってもらう必要があります。

(主な対応所属:緑政課)

県民の皆様に水源環境保全・再生の取組へのご理解をいただくため、分かり易い広報、情報提供に努めているところです。
広報活動の一環として平成21年2月21日にFMヨコハマのKANAGAWA MORNING CAFÉで、同年3月1日にTVKのコンシェルジュ神奈川で水源環境保全・再生施策を取り上げていただきました。
今後も県民会議にもご意見を賜りながら、県民の皆様へのPRに一層努めてまいります。

27.取り組みに対し、県民へのPRが不足しているように思う。

(主な対応所属:緑政課)

県民の皆様に水源環境保全・再生の取組へのご理解をいただくため、分かり易い広報、情報提供に努めているところです。
県の主な広報活動として県のたよりへの記事掲載や県ホームページへの掲載情報の充実などに努めております。
また、水源環境保全・再生かながわ県民会議による広報活動として、県民フォーラムやニュースレターの発行などがあります。
今後も県民会議にもご意見を賜りながら、県民の皆様へのPRにより一層努めてまいります。

28.今回のフォーラムは県のたよりで知りましたが、WEBを見ると、非常に情報公開に熱心に取り組んでいることを知りました。中静先生もおっしゃっていましたが、もっと幅広く知らない県民に伝えていくことが大切だと思います。

(主な対応所属:緑政課)

県民の皆様に水源環境保全・再生の取組へのご理解をいただくため、分かり易い広報、情報提供に努めているところです。
県の主な広報活動として県のたよりへの記事掲載や県ホームページへの掲載情報の充実などに努めております。
また、水源環境保全・再生かながわ県民会議による広報活動として、県民フォーラムやニュースレターの発行などがあります。 
今後も県民会議における検討をもとに、県民の皆様へのPRにより一層努めてまいります。

29.【自然環境学的な教育を小学生からレベルにあった教育をしていく目標は無いのか】
自然・環境の問題は、自然科学としてもそこに生きる人間の社会科学の問題としても共通する問題である。
地球に生きる人間に、自然と共存するための教育を、小学生レベルからしていく目標等はお持ちでしょうか?

(主な対応所属:教育局)

教育基本法第二条第四項に「生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。」とあり、これを基に新学習指導要領では各教科等において環境教育に関する指導の目標が盛り込まれており、小学生段階から、小学生のレベルにあった環境に関する教育の目標が設定されています。

30.環境学習を積極的に行う。

(主な対応所属:教育局)

県教育委員会では、環境教育の充実を図り、環境問題に対して自らの考えをもち、自ら行動できる生徒を育成することをねらいとして、環境・エネルギー教育重点推進校及び拠点校を指定し、環境教育への先進的な取り組みを推進するとともに、成果を普及し、すべての県立高校における環境教育の充実をめざして取り組んでいるところです。
また、環境教育に関する教員研修の実施、高校生による「環境シンポジウム」の開催、県内関係機関との連携を進め、環境教育推進のための環境づくりや高校生の環境に対する意識啓発にも取り組んでおります。
なお、新学習指導要領には、各教科等において環境教育に関する指導の目標が盛り込まれており、各学校では、今後はより一層、環境に関する学習が積極的に行われていくこととなります。

31.県民の一人として環境税を負担するのは当然であると思慮します。一方、一日24時間のうち、10時間以上を会社勤務で使用していますが、相模原市内の建材メーカーで働く者として都度、12事業の4番目(間伐材…)がどの方向に進んでいるのか、インターネットでも分かるように!メーカーとして協力できるアイテムが欲しい。

(主な対応所属:森林課)

各事業の進捗状況については、県のホームページで確認することができます。

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p23427.html

市民活動支援

32.森林整備活動をしている団体です。間伐の技術もまだ未熟ですが、切り出した木を山から下ろすための道具、技術料は高額です。企業の助成金などを利用しているが継続した活動を続けるには、行政の支援も必要です。神奈川県や市の意識は水源域に力を入れているが、県内の山全体(地域水源)にも持ってほしい。

(主な対応所属:緑政課)

県では、水源環境保全・再生に係る県民主体の取組の推進を図るため、水源環境の保全・再生に取り組む市民活動への「水源環境保全・再生市民事業支援補助金」制度による財政的な支援や、ホームページによる情報提供等の支援を行っています。
市民事業支援補助金では、市民団体の方が実施する森林整備事業の活動費用や資機材の購入費用の補助を行っており、その対象地域は県内の地域水源林エリアを含めたものとなっておりますので、ぜひご活用ください。
【水源環境を守る市民活動 情報館!ホームページ】
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p23535.html

33.NPOやボランティアが身近に参加・活動できる森林整備等の場の提供の仕組みが必要。

(主な対応所属:緑政課、森林課)

個人的な森林ボランティアへの参加については、(財)かながわトラストみどり財団が、ボランティアを募集して森林整備に取り組んでおります。
また、NPO等の団体に、一定の面積の森林を長期間お任せして森林の管理・整備をしていただく制度として、定着型ボランティア制度を設けておりますので、対価を求めずにご支援を戴けるNPO等の団体につきましてはこの制度のご活用をお願いします。
その他、県ホームページにおいて、県民の方が参加可能なイベント情報を掲載しておりますので、ぜひご活用ください。
【水源環境を守る市民活動 情報館!ホームページ】https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p23535.html

34.神奈川県全体には多数のNPO・市民活動団体があり、多岐にわたり活動されているようですが、小規模な団体で実践できる活動はあると思いますか?また、そういった草の根的な活動に何を求めますか?

(主な対応所属:緑政課)

県では、水源環境保全・再生に係る県民主体の取組の推進を図るため、水源環境の保全・再生に取り組む市民活動への「水源環境保全・再生市民事業支援補助金」制度による財政的な支援や、ホームページによる情報提供等の支援を行っています。
市民事業支援補助金では、5人以上で構成される団体であれば申請が可能ですので、これから新たに活動を始める場合や、小規模な団体が行う活動も対象となります。平成20年度には、この補助金を活用して新たに活動を始めた団体もありますので、ぜひ活用をご検討ください。
草の根的な活動が広がることで、既存の市民団体の活動を活性化させるとともに、新たな活動の発生に結びつき、県民主体の取組が促進されることを期待いたします。
【水源環境を守る市民活動 情報館!ホームページ】https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p23535.html

35.市・森林所有者の意識啓発を、県からもっとしてほしい。NPOが活動をする場所を探す状態です。(森林整備)所有者は「木や土地が取られる。山を荒らしている。」「技術がない」などと言いふらしている。
国は森づくりの事業を掲げているが、プロでなければならないと市へ言っているようである。NPOを育てる視点で進めて欲しい。

(主な対応所属:緑政課、森林課)

県では、NPO等の団体に、一定の面積の森林を長期間お任せして森林の管理・整備をしていただく制度として、定着型ボランティア制度を設けておりますので、対価を求めずにご支援を戴けるNPO等の団体につきましてはこの制度のご活用をお願います。
また、平成20年度から市民事業支援補助金制度により、水源環境保全・再生に取り組む市民団体への財政的支援を開始し、既存の市民事業の活性化と新たな市民事業の取組を促進しております。

36.NPO・市民活動と共同(協働)することを願っています。

(主な対応所属:緑政課)

水源環境保全・再生に係る県民主体の取組の推進を図るため、県民会議において市民事業支援制度の検討を行い、検討結果に基づき、平成20年度から「水源環境保全・再生市民事業支援補助金」制度による市民事業への財政的な支援を開始しました。また、今年度からホームページにて市民事業を支援する情報の提供を行っています。
今後も県民会議における検討結果を踏まえ、制度の改善・拡充を図ってまいります。

【水源環境を守る市民活動 情報館!ホームページ】https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/cnt/f7006/p23535.html

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県外対策

37.神奈川県が積極的に上流圏に対して助成し、桂川流域を山梨県と話し合い整備すべき。森林所有者負担分を更に軽減する必要がある。

(主な対応所属:緑政課)

「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」では、「相模川水系流域環境共同調査」を位置づけており、現在、神奈川県と山梨県が共同で、山梨県側の上流域の環境調査を実施しているところです。
今後、この調査結果に基づき、山梨県側の上流域で実施の必要性が想定される対策について、神奈川・山梨両県で検討してまいります。

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その他の意見

38.水源地域(水源環境)は保全する必要は感じますが、そこで生活している人は保全だけでは生活ができません。人の営みの中で水源環境を守るには、水源地域の発展も必要だと思いますが、水源地域に対する施策は何かあるのでしょうか?

(主な対応所属:土地水資源対策課)

県では、平成18年に「改訂水源地域交流の里づくり計画」を策定し、水源地域に根ざした産業が活性化し、地域に生活する人々が誇りと愛着を持って暮らせる、活力のある地域づくりと、都市地域の方々に水源環境の現状への理解を深めていただくための意識啓発に、水源地域の市町村や地元関係団体と一体となって取り組んでいます。

39.今後、水源保全施策は水源地域を支える生き物の保全に関する取り組みを組み込んでもらいたいと思います。
森林とシカの共存対策、モニタリング
ツキノワグマなど希少生物の調査・保全
自然環境情報の集積と解析 *順応的管理と統合に必ず必要
特にシカ管理の組み込みは重要であると思います。

(主な対応所属:緑政課)

県では、平成19年度以降の20年間における水源環境保全・再生の将来展望と施策の基本的方向について、「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」として取りまとめております。大綱では、今後の森林づくりの方向性として、地形や立地条件、植生さらには野生生物等の生息状況等に応じた適切な森林整備を進め、それぞれの森林が期待される機能にふさわしい森林づくりを目指していくことを示しております。
その中で水源環境保全・再生施策の取組は、その目的である「良質な水の安定的確保」の観点から検討していきます。
なお、シカ管理については、現在進めているニホンジカ保護管理計画では、過密化した場所などでシカの個体数を調整する一方、森林整備などによる生息環境の改善や植生保護柵の設置などシカ対策を一体的に行うことで、シカを含めた自然環境の保全、農林業被害の低減を図れるよう努めており、さらなる連携に向け検討してまいります。

40.【林野部と都市部の交流】
杉花粉症の蔓延により、杉をすべて伐採してしまえという都市住民のエゴあり。共生の道ありや?

(主な対応所属:森林課)

スギ花粉症については、いまや国民の6人に1人がかかっているといわれ、大きな社会問題となっています。
この発生源対策については、広域的な連携が不可欠であることから、平成20年4月に本県が中心となって首都圏の都県および政令市(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、横浜市、川崎市、千葉市、さいたま市)共同の取り組みとして「八都県市花粉発生源対策10カ年計画」を策定し、取り組みを進めています。
本県では、スギ林の急激な伐採、植え替えは水源環境保全上好ましくないことから、間伐を繰り返し実施してスギ林を混交林化する対策を中心に行っていきます。

41.ヤマビルによる作業のしにくさ、鳥獣被害にも目を向けないと、足元を掬われる!

(主な対応所属:緑政課)

ヤマビルについては、ヤマビルを運搬するとされるニホンジカなどの野生鳥獣対策に加え、被害が深刻で対策に積極的に取り組もうとする地域の重点対策計画に基づき実施する草刈りなどの環境整備活動などに対して市町村や地域の取組を支援することとしています。

42.【関連事業との連携について】
丹沢大山自然再生事業(緑政課)と林業の生業(生活)、水土保全再生
森林再生50年構想(森林課)
水源環境保全・再生の20年施策大綱と実行5か年計画(土地水資源対策課)
と縦割り行政が行われているが、横の連携はどうされていますか。

(主な対応所属:緑政課)

県では、水源環境保全・再生施策を総合的かつ計画的に推進するため、副知事を本部長とする「水源環境保全・再生施策推進本部」を設置し、関係部局と連携をとりながら、効果的な事業展開に努めております。
また、平成21年度から水源環境保全・再生事業における市町村交付金事業と国・県の関連事業との調整や森林整備等に係る専門的・技術的支援等を円滑に行い、水源環境保全・再生施策の総合的推進を図るため、事業執行体制を環境農政部へ一元化しました。

43.政令市を目指す、相模原市の役割も大である。

(主な対応所属:相模原市)

水源地域が有する広大な森林や湖などの貴重な水資源は、次世代に引き継ぐべき市民・県民共通の大切な財産であり、現状では人工林の荒廃、水源涵養機能の低下や湖でのアオコの発生など、さまざまな課題があると認識しております。
このため、相模原市では、水源林整備などの森林の保全・再生や、ダム集水域における公共下水道の整備、高度処理型浄化槽の設置などに積極的に取り組んでおり、今後とも神奈川県や周辺自治体との連携を図りながら、水源地域の環境保全等に努めてまいります。

44.【県と市町村行政との係り方について】
神奈川県、鳥取県、高知県とも県民会議で施策を検討・決定されていますが、市民団体・NPOなど諸団体は地域活動する時には市町村窓口に関わることが多いのに市町村窓口担当は要領が悪い。県と市町村行政の良い関わりを説明して下さい。

(主な対応所属:緑政課)

水源環境保全・再生施策の実施にあたりましては、関連市町村との連携により、事業の効果的な推進に努めているところです。
今後とも県の施策について県・市町村水源環境保全・再生事業推進会議や県ホームページの活用により、市町村への積極的な情報提供に努めてまいります。

45.【今後主流となる事業主体の流れ】
国→地方自治体→NPO・民間と下流へと流れていくのか、今後の主体はどこが担うことになると考えているのか。

(主な対応所属:緑政課)

水源環境保全・再生施策は、ある程度の広域性を持った地域課題として捉えるべきものであり、施策の実施地域や効果の及ぶ地域のいずれも市町村域を越えて広域にわたることから、広域的な自治体である県が中心となって取組みを推進する必要があります。
また、水源環境の保全・再生の取組みは、県や市町村など行政だけではなく、流域環境保全活動など、市民等が主体となって実施している取組みもあり、行政と市民等との協働による取組を、今後、推進していく必要があると考えています。

46.桂川・相模川のゴミ不法投棄をなくす運動に協力者を求める。
平成21年現在あるものは早く処分してもらいたい。車両が相模原市内・相模川に50台あります。(平成20年12月調べ)

(主な対応所属:河川課)

相模川では平成20年度に所有者の分からない不法投棄車両40台を撤去しており、そのうち相模原市域では18台撤去しております。今後も引き続き不法投棄車両の撤去に努めてまいります。

47.【水源域における、残土処理場について】
法による制限強化。将来的な影響。

(主な対応所属:土地水資源対策課)

市街化調整区域等における残土処分場(建設発生土処分場)の建設については、計画区域の面積が1ha以上の場合、計画実施に必要な許可等の申請に先立ち、神奈川県土地利用調整条例に基づき知事と協議するよう義務づけています。
協議の際には、計画区域に自然公園区域、自然環境保全地域、保安林等を含めないことなど条例の審査指針に基づき調整するとともに、地元自治体から計画に対する意見を聴くなど十分に留意しております。
今後とも、こうした制度の運用を通じ、自然環境の豊かな水源地域における残土処分場の建設に対し、一定の抑止効果を果たしていけるものと考えています。

48.【どのような姿に再生するのか?】
環境の保全・再生の大切さは理解できますし進めるべきと思いますが、どのような形で再生を進めるのが良いのでしょうか?現状はモニタリングで分かりますが、過去の姿がどうであったか分からないことが多いと思います。再生というのは、どのようなことを指して再生というのか教えて頂ければと思います。

(主な対応所属:緑政課)

「再生」とは、特に定義はありませんが、過去に損なわれた自然環境を取り戻すことです。例えば、荒廃した森林を整備することにより、水源かん養機能など公益的機能を発揮する森林を回復することや、河川・水路等を生態系に配慮した整備をすることにより、自然浄化の機能を高めることを指しています。

49.【ダムについて(作ってよかったのか)】
前…川の水がきれいで、魚も多く取れた。魚も食べれた。
後…川が汚れる。ダムにアオコが発生する。村が没する。

(主な対応所属:土地水資源対策課、緑政課)

本県では、昭和13年の相模ダムの建設計画から平成13年の宮ヶ瀬ダムの完成まで、60余年にわたり4つのダム(相模ダム・城山ダム・三保ダム・宮ヶ瀬ダム)の建設等により、人口増加と工業化の進展に伴う水需要の増大に対処してきました。この取組の結果、県内の水需要をおおむね賄えるだけの施設が整い、量的な面では、当面、県民の皆様が水を安心して利用できる状況となっています。
今後は、水源の環境を守ることにより、良質な水を安定的に確保していきます。

50.水道事業の県の企業団、企業庁、横浜市、川崎市、横須賀市の水事業を一つの団体にまとめてはどうか。水は、どこから来るのか?水質・水量の話が出たが、神奈川県内の地下に、網の目のように水道管が通っていることを県民は知らないでしょう。横のネットワークができるようにとつながっているにもかかわらず、別々に事業を行って事業費をかけているのは馬鹿らしい。その分水道料に上乗せされている。今後、水利用量は減っていくことも予測されている。この際、1つの団体にまとめるべきと考える。

(主な対応所属:土地水資源対策課)

企業団(神奈川県内広域水道企業団)は、酒匂川の水源開発を行うに当たり、水道用水の広域的有効利用を図ること、重複投資を避けること、効率的な施設の配置及び管理並びに国の補助金の導入を図ることを目的に、神奈川県、横浜市、川崎市及び横須賀市(4構成団体)が昭和44年に設立した団体で、現在、三保ダム及び宮ヶ瀬ダムで開発された水を浄水処理し、4構成団体に供給しています。
このように本県では、既に水道事業の広域化が行われていますが、4構成団体及び企業団の5水道事業者は、水道事業における広域化等の推進を図ることを目的に、平成20年に「神奈川県内水道事業検討委員会」を設置し、検討を行っています。
【5事業者による水道事業連携の取組(神奈川県内水道事業検討委員会)】
ホームページ

https://www.pref.kanagawa.jp/docs/wp5/keikaku/5zigyou.html

51.水道税をUPする事は許せない。(インセンティブが税金?)

(主な対応所属:緑政課)

かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(平成19~23年度)に位置づけた12の特別対策事業を推進するために、新たに必要となる年間約38億円(納税者1人当たりの平均負担額 年額約950円)の財源を、水を利用される県民の皆様に、個人県民税の超過課税によりご負担いただいています。
今後も、5か年計画の目標達成に向けて、効率的、効果的な事業展開を図り、着実に施策を推進していきます。

52.【高知県の町村自治体への森林環境税支援は】
私は馬路村の活動に共鳴し、
1.森の風番人ボランティア会員、
2.馬路村公募村民となり交流している。
交流の中から感じることは、村民が生き生きとした取組を発案実行していることにあります。都市化された神奈川の山側の居住地は同様にはいかないと思うが、アドバイスはないか。高知県の都市住民からの提案について知りたい。

(主な対応所属:パネリスト服部氏)

馬路村の活性化にご協力頂き、大変有り難うございます。馬路村ほど活発な自治体は本県でも数える位しかなく、自治体間格差があるのはいずこも同じです。 
高知県では、森林環境税も活用して、都市部住民の森林保全ボランティア活動の支援、都市住民との山村交流、子供たちへの森林環境学習の実施などを通じて中山間に都市部住民が入ることで、地域の魅力の再発見や住民組織の活発化に繋がる事業を応援しております。
ともすれば一過性に終わりがちな都市・山村交流を継続的なものにするには、首長を含めたリーダーの資質が重要ですし、「あの人にまた会いたい」と思われる人物の存在が重要ではないでしょうか。結局は「人」の魅力こそが「地域の宝」として人を引きつけ続けるのだと考えています。箱物などの「物」は到底「人」にはかないません。

53.【評価委員会について】
鳥取県の事業評価委員会に参加されているメンバーの構成は、神奈川県の県民会議とどのような共通点、相違点があるでしょうか?具体的には神奈川県の公募委員のような存在があるのでしょうか?あるのならば人数や顔ぶれ、選抜方法についてご教示いただきたいです。

(主な対応所属:パネリスト嶋沢氏)

鳥取県では納税者の多い川下側を主体に、消費者団体、ボランティア団体等多様な分野から委員を選任しており、公募は行っておりません。

54.【森林従事者不足について】
絶対量不足は否めませんが、従事者(間伐・枝打ち)をする方々(年間を通じた人々)はどのように集めていますか?神奈川も深刻な問題です。

(主な対応所属:パネリスト嶋沢氏)

緑の雇用等による労働者の確保や施業の団地化、作業道の整備、機械化等による労働生産性の向上に努めています。
また、月給制・通年雇用制を導入して、若い林業従事者を集めている事業体もあります。

55.FSC認証のメリットを知りたい

(主な対応所属:パネリスト宮島氏)

FSCは、環境、社会、経済の各分野、また先進国と途上国をバランス良くメンバーとした世界最大の森林認証機関であり、認証規準も最も厳しいものとなっています。
こうした国際認証を取得することにより、
1.県民への説明責任(取得)
県有林の森林管理の実績を内外にアピール。
2.森林管理レベルの向上(年次監査)
グローバルスタンダートの視点からのレベルアップ。
3.県有林材のイメージアップ(流通システムの活用)
森林管理から木材を消費者に届けるまでのFSCシステム(ラベリング等)を活用することによる県有林材の付加価値向上。
を図ることがFSC取得の目的(メリット)です。

56.【FSC取得の資金における工夫について】
県有林全域でのFSC取得及び認証の維持には多額の資金が必要になると思いますが、その問題を克服するためにどのような工夫をなされたでしょうか?できれば団体や他県も参考に出来るものをお願いいたします。

(主な対応所属:パネリスト宮島氏)

認証の取得、維持の経費は、対象となる森林の面積ではなく、審査に必要な日数に比例します。このため、全県統一の管理基準や計画の策定と、その内容の現場レベルまでの徹底・周知を図ることで、認証機関が効率的に審査できるようなプログラムを提案しました。また、FSCの認証機関は複数あるので、競争入札により審査機関を選定しました。

57.京都議定書の6%削減のうち、全国の森林で3.8%削減が決められています。これに対して、2012年までに各県でどれ位削減しようと考えていますか。

(主な対応所属:各パネリスト、森林課)

(高知県、服部氏)
高知県では、平成18~24年度の7年間で間で、117,000炭素トンの吸収量を確保する計画で、そのためには、98,000haの森林を間伐等により整備することを目標としています。
(山梨県、宮島氏)
山梨県では、平成19年度に「山梨県森林吸収量確保推進計画」を策定し、確保すべき森林吸収量に応じた、目標年次(平成24年=2012年)における森林整備・保全面積(森林吸収量の対象森林)を110,192ha(育成林)としています。
また、平成21年3月に策定した、山梨県地球温暖化対策実行計画では、「山梨県森林吸収量確保推進計画」等の推進により、目標年度(平成24年=2012年)における二酸化炭素の吸収量を約949,000炭素トンとし、京都議定書基準年(1990年=平成2年)比で15.7%相当のCO2を吸収することとしています。
(鳥取県、嶋沢氏)
鳥取県では、2010年度までに二酸化炭素の年間排出量を1990年度から8パーセント削減することを目標としています。
そのうち、森林吸収による削減については年間4,200haの間伐により13パーセントを目標としています。
(神奈川県)
神奈川県では、国との連携の中で、平成24年度までの育成林(人工林)のFM林(森林経営が適正に行われている森林)目標を22,000haとし、森林整備に取り組んでいるところです。

58.【JUON NETWORKへ】
森林整備や耕作放棄地(遊休農地)で活動しているが、メンバーは60才以上がほとんどです。若い人の参加を広げる努力をしてきたが、なかなかメンバー拡大とならないです。「森林ボランティアリーダー養成講座」では、現在活動しているNPOへの架け橋となっていただけますか?

(主な対応所属:コーディネーター兼パネリスト鹿住氏)

若い世代は、ライフスタイルが変わりやすく、なかなか活動を継続することが難しいというのが実感です。つまり、私たちの奥多摩での活動も、講座の卒業生(各期20名程度)全員が活動を続けているわけではありません。そういう状況ではありますが、もし、若い世代に参加して欲しいということであれば、是非ご連絡下さい。「森林の楽校(もりのがっこう)」という森づくりのイベントの参加者にも若い層はいますので、強制することはできませんが、声をかけることはできます。

59.【神奈川県の水資源環境保全・再生事業の中の市民事業活動支援補助金に関する質問】
NPOが外部(行政・企業・個人)からの援助金なしに、自前で行う事業からの収益や会員からの会費だけで活動を続けることは可能ですか?可能ならばそのやり方・方法、不可能ならば、支援者に縛られずに自らの目的・目標を貫くには、どんな注意をしていますか?

(主な対応所属:パネリスト有川氏)

みろく山の会の場合、ホームグランドの丹沢を守るために清掃登山や登山道整備をおこなっています。清掃登山に必要なゴミを入れるビニール袋や土嚢袋、登山道整備に必要な資材を用意するのも、大規模になればなるほど金額的に大変になります。労力(人力)はありますが、財政的には苦しいので、資材の援助などをしていただけると大変助かります。また、行政や企業などから助成していただくことにより協働で行っているという一体感が生まれます。

60.【NPO、地域住民、行政という性格の異なる組織・団体の協力、協働の成功の秘訣を教えて下さい】
説明いただいた中で、各主体(組織・団体)の課題を重ねるというお話がありましたが、具体的な事例でこのことを教えて下さい。

(主な対応所属:パネリスト茅野氏)

アプローチは2つあると考えています。1つは、協働に参加する組織にはお互いの得意分野がありますので、ある活動についてそれぞれが補完しあって、よりよい活動にしていくことです。赤谷プロジェクトでは、地域に残る旧街道をエコツーリズムの資源として活性化させたいという地元の希望がありましたが、旧街道をループ状に活用できるようにするために国有林が管理している別の道を歩道としても活用できるように検討したり、エコツーリズム的な活用方法を検討するための自然環境の基礎調査をNGOが企画実施したり、助成金を受ける窓口になっています。
もう1つは、日々の活動レベルで常にプロセスを共有することが重要です。赤谷プロジェクトでは、さまざまな調査研究や教育活動などが行われていますが、行政は予算を獲得して配分し、NGOは調査研究をし、教育は地域住民が担当するという分担をはかるのではなく、日々の調査チームに行政職員もNGOも地域住民も参加して、活動プロセスや成果を、身をもって共有していることが、協働のコミュニケーションや事業の目標設定を効果的に行う基盤になっているように思います。

61.【NPOと行政について】
赤谷プロジェクトでは、うまく行政を"巻き込んで"いると感じました。対立関係にあったと思われる両者が、どのようにして良い関係を構築できたのかを教えていただきたいと思います。

(主な対応所属:パネリスト茅野氏)

赤谷プロジェクトの成立には、数十年にわたる行政とNPOの関係変化があります。1980年代までは、国有林における自然保護をめぐって行政とNPOは対立関係にあることが多く、NPOは事業に対する反対意見書を発信していました。
現在も一部でそのような対応を行わなければならない問題はありますが、1990年代には、行政の自然保護施策に対して、NPOが提言を行う機会が増えました。その過程で、行政施策に対してNPOが戦略的に活動し、NPOの活動を行政が積極的にフォローしたり、協働の芽を活かす基本姿勢を持ち得たのではないかと考えています。

62.啓蒙活動への参加者(市民)を増やす工夫はどうやっているか?活動写真を見ると参加者数が少ない。

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
ホームページや催事などでの、関心のある人々に対する参加の呼びかけはもっとも力を入れて行っている活動のひとつです。赤谷プロジェクトでは、その活動の性質上、大勢(例えば数百名)の人々が参加するイベントを単発的に実施するより、十数人~数十人の活動が継続的に行われ、成果の蓄積につながっていく方が望ましいと考えています。
(鹿住氏)
なるべく多くの人が目にするように、インターネットやマスコミ等を活用した広報活動に努めています。
(有川氏)
登山者の多い秦野駅、伊勢原駅、渋沢駅でゴミ持ち帰り用チラシと落とし紙の持ち帰り用袋を配布しています。

63.一般市民を各活動に参加させる工夫はどうしようとしているか?

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
活動の中に、多様な人々の多様な関心に対応した接点を設けるよう、心がけています。赤谷プロジェクトでは、野生生物の調査研究から、地域の人々に炭焼きを学んだり、子どもが参加する森林整備の取り組みなど、多様なニーズに対応した活動展開を試みています。
(鹿住氏)
ホームページに活動の報告を載せることで、多くの人が参加していることをアピールしています。
(有川氏)
清掃・登山道整備活動などを毎月発行している当会の情報誌に掲載すること、HPにも早くから掲載し、一般市民に見てもらうこと、新聞等にも掲載依頼することなどの工夫を行っています。

64.【活動規模(レベル)の維持と人材育成について】
本日は貴重なお話をありがとうございました。
皆様、それぞれの分野において多くの実績を残されていますが、長期にわたる活動(計画)の中で、活動の持続・規模の維持(拡大)に取り組まれていますか。また、必要な事は何だとお考えですか?
小規模なボランティア団体の場合、専従スタッフの確保が難しく、組織の維持運営が一つの課題となっていますが、効果的な対策はあると思いますか?

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
全国規模の団体の立場からは、社会的な支持を、会員や賛助企業の獲得、メディアへの露出の増大などで維持拡大していくことが、もっとも大事だと考えています。
(鹿住氏)
参加者や会員の募集を常に行っています。やはり、新しい人が常に入ることが必要だと思います。その意味では、新しい人が常に入ってくる仕組みがあるとよいのではないでしょうか。JUON NETWORKでは、東京と関西で「森林ボランティア青年リーダー養成講座」を毎年行っていますが、若者の活動の継続は難しい反面、毎年必ず新しい人が入ってくるという利点があります。
(有川氏)
1.丹沢は神奈川県民にとって毎日の生活になくてはならないいのちの水を育んでいる大切な森林です。
私たちはこの自然界からの授かりもの丹沢が、今より良い状態で次世代に引き継がれて行くように努力したいと考えています。この活動は1年や2年で終了するものではなく、これからの長い年月、人間と自然、生き物たちの間で継続されていくことでしよう。
2.専従スタッフは、活動の効率化からいっても大変重要です。当会は会員から徴収した会費から事務所借用料や専従スタッフの経費を捻出しています。組織運営における効果的対策は、活動に興味がある人の発掘と後継者の育成に尽きると思います。また、対策としては地道な努力が大切と思います。

65.【ボランティアの啓発活動】
ボランティア団体の行う啓発活動とはつまり、どのようなものだと考えているのか。

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
ボランティア団体の活動には、地に足のついた問題意識が根底にあると思います。それを伝え、交流していくことが啓発につながるとともに、自らの活動の目標を常に確認していく作業になると考えます。
(鹿住氏)
ボランティアの一番大きな役割としては伝えることだと思いますが、同じ市民として、近い立場から生の声で伝えることができると思います。また、ボランティアは、公平・平等の行政とは違い、好き勝手に自分の言葉で言えるということも役割ではないでしょうか。
(有川氏)
みろく山の会の場合は、事故のない山行を目指すことと自分たちが歩いている山の保全をめざすことと考えています。

66.【ボランティアの啓発活動】
ボランティア団体は啓発活動が社会で求められる役割の中で代表的といわれるイメージがあるが、それについて皆さんはどう感じるか。

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
啓発活動にとどまらず、具体的な状況を変える取り組みの一翼を担う活動が求められる局面が増えていると感じています。ボランティア団体のみで実現できるものではありませんが、多様な主体が協働する関係の、中核に存在することが求められているのではないでしょうか。
(鹿住氏)
おっしゃる通り最も重要なことの一つが啓発活動だと思います。その他にも、制度を変えるための提言なども役割としてあると思います。
(有川氏)
啓発活動も大切ですが、やはり活動を実行に移していくことが一番ではないでしょうか。

67.【ボランティアのネットワーク】
ボランティアのネットワークとは、どことのネットワークで、それはどのようなものであるべきと考えるか。

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
活動フィールドに関係する企業や行政、専門家、他の市民団体、教育機関など、あらゆる組織・団体とのネットワークであり、ボランティアという存在は、その結節点を担うことができると考えます。
(鹿住氏)
同分野、異分野問わず、様々なネットワークがあると思いますし、様々なネットワークを組む必要があると考えます。ただ、重要なのは、ネットワークは手段であり、目的ではないということでしょうか。
(有川氏)
8年前に丹沢大山ボランテイアネットワークというのが発足しました。これは丹沢大山地域で活動しているボランティア団体と行政が協働でネットワークを組織しています。

68.【NPOの財源について】
"税金"を受け取る覚悟は、NPOにあるのでしょうか?
例えば「こういうことをやってほしい」とか、「こういうことを協力してやりませんか?」とか、「こういうことをやりたいのだけれど、なんとかできますか?」などといった「行政=住民」の要望に、一部のNPOであっても将来的に応えられるようになって行くのでしょうか。
それとも、行くべきなのでしょうか。もしくはそうなるべきではないのでしょうか。
プロフェッショナリズムの清濁を併せ呑むことは有り得るのでしょうか。(欧米では、企業的なNPOも多いと聞きますので。)

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(茅野氏)
NPO活動は公益に資するという目的の上に行われるものであり、税金など公的資金の活用はその目標達成の手段として最適なものと判断されれば、必要に応じて活動費を受け取っていくことができると考えます。一方で、NPOは行政サービスの代行者ではなく、行政サービスでは抜け落ちてしまう課題に対応する視点や、地域が主体となる活動の実現に向けた役割を果たしていくことが求められています。
(鹿住氏)
NPOと言っても一括りにはできないと思いますが、税金を受けながら活動をするNPOも既にありますし、また、今後もそのような活動は必要だと思います。日本ではまだまだNPOが社会的に成熟しているとは言い難い状況ですが、行政、企業に並ぶ第3のセクターとしてNPOが力をつけていくことは、これからの社会にとって望ましいことだと考えています。
(有川氏)
税金を助成金としていただくという場合は、お互いが目指していることが同じであることが前提となります。

その上で、例えば、私たちNPOが実施している丹沢の清掃活動に行政・企業・市民から財政面や労力面での助成申し入れがあった場合は、その事業を各方面で評価していただいた証拠ですから、大変喜ばしいことと思います。行政・企業・市民・NPOが自分たちの得意な分野で力を出し合い、協働して一つの事業を実施していくのが理想だと思います。

69.NPO法人の活動や運営の経費はどのように?

(主な対応所属:第2分科会出演者)

(鹿住氏)
NPOの資金源は基本的に5つしかありません(融資を入れると6つと言うこともできますが)。つまり、会費、寄付、補助金・助成金、自主事業、委託事業です。団体によってそのバランスは異なりますが、この5つの特性を活かした活用方法が大切だと思います。
(有川氏)
会員からの会費が財源です。

70.【シミュレーションについて】
ダムの問題は手をつけられない大きな課題ですが、例えば1つのダムを壊してみるか水を止めてみたら現状がどうなるか、見ること(シミュレーション)ができるのでしょうか。

(主な対応所属:パネリスト佐土原氏)

今回のフォーラムの第3分科会で示したシミュレーションの結果は、土地利用以外の人工的な活動の影響がない場合のものです。したがって、ダムがない場合の結果です。ダムを建設した後の状態についてシミュレーションすることも技術的に可能です。

71.【協働実施について】
行動することが先決ということは賛成です。
行政と協働するような時、行政の壁がいつも弊害になることが多く、現実には行動まで難しい。
職員が短年で変わることで共有認識を続けることができない、など。

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

行政の壁は確かにあるし、国や都道府県の職員も数年で交代します。こうした現状をすぐには打開できないのですが、地元におられるリーダーを中心に組み立てていくのが良いと思います。市町村の職員、博物館の職員、学校の先生などがキーパーソンになることも多いと思います。

72.【生態系の評価について】
目標を設定しその後評価すると思いますが、これまで行った評価手法はどのようなものがありますか。また、各評価手法の長所・短所をご紹介下さい。

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

日本ではほとんど行われておりません。川の生態系ですと、水生昆虫を使った事例があります。ただこれは、水質が中心なので、川の構造を表現するには不十分です。海外では、様々な手法が検討されています。
川については、拙著「中村太士・辻本哲郎・天野邦彦 監修(2008)川の環境目標を考える-川の健康診断-.技報堂出版,122p.」をご覧ください。人工林では矢作川の「森の健康診断」さらに、天然林も含めて北海道でやった「中村太士・柿澤宏昭 編著(2009)森林のはたらきを評価する-市民による森づくりに向けて-.北海道大学出版会,168p.」があります。

73.【目標とする地域共有の原風景】
地域の人々と語り合うツールとしての航空写真について、いつ頃の航空写真を使われたのでしょうか。また、文化や自然を地域で住民が主体となり保全し、展示するエコミュージアムの考え方と重なることもあるのでしょうか。

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

基本的には最も新しい空中写真をニッセイのプロジェクトで撮影し、それを使いました。但し、その変遷を知るために、古い空中写真等も使いました。エコミュージアムと言えるのかどうかわかりませんが、展示のみならず、地域全体がエコミュージアムである、という視点も重要かと思います。

74.【「集団検診」、「広域調査」とは具体的にどんなことか?】
神奈川県や上流域の山梨県を含めた広域範囲での「集団検診」・「広域調査」とは、具体的にはどのようなことですか?

(主な対応所属:パネリスト中村氏)

現状の森や川を、現状に存在するデータで何とか評価する。人間の健康診断でいうと、レントゲン写真や血液検査くらいのイメージです。簡単な診断なので広域で実施することが可能です。自然再生を実施する際も、現状がどのようになっているか把握できていないと失敗する、もしくは優先順位の低い箇所から実施してしまう可能性が大です。それを避けるためにも、地域全体を網羅するカルテが必要で、それが集団検診です。

75.相模原市津久井町にヤマビルが増加中。平成20年現在の分布図はありますか?

(主な対応所属:自然環境保全センター)

平成19~20年度に県が行った調査結果で、おおまかな分布が示されており、津久井町の広い範囲で生息していると報告されています。詳しくは、ヤマビル対策共同研究中間報告書(https://www.pref.kanagawa.jp/documents/15105/80621.pdf
(中間報告書リンク切れの為、ヤマビル対策共同研究報告書にリンクしています。))からダウンロードできます。

76.【シカの個体数管理について】
具体的なシカの個体数管理の方法について、現時点で最も効果的であると考えられるものは何でしょうか?また、将来的な見通し(新たな手法の開発など)がありましたら、教えて下さい。

(主な対応所属:パネリスト山根氏)

現時点ではメスを主体とした銃猟が主体ですが、入り口が一方通行の柵による捕獲など局所的なシカの過密化を防ぐ手法開発を進めております。

77.【シカの天敵】
シカが増えることは、シカにとっても環境が悪くなり、個体が小さかったりやせているとも聞いています。人間が天敵となり、保護の両面から考えることが必要ではないでしょうか。

(主な対応所属:パネリスト山根氏)

現在進めているニホンジカ保護管理計画では、過密化した場所などでシカの個体数を調整する一方、森林整備などによる生息環境の改善や植生保護柵の設置などシカ対策を一体的に行うことで、シカを含めた自然環境の保全、農林業被害の低減を図れるよう努めております。

78.【順応的管理を実現させるために】
『科学的モニタリング』というと、行政も研究者も"精度を上げる"ことに資金もマンパワーも集中してしまい、このパネル討論で強調されている「順応的管理」のために欠けている部門間(行政)、異分野間(研究者)、そして専門家(行政・研究者)と地域住民の間の、"コミュニケーション"や"情報・認識の共有"の促進が、単なるスローガンになってしまっているように思います。この現状を変えるためにどうすればよいでしょうか。
"コミュニケーション"や"共有"の促進のための取り組みについて、正面から考え実行していく(プロジェクトチームを作るなど)ことが必要ではないでしょうか。

(主な対応所属:緑政課)

関係者間の「コミュニケーション」や「情報・認識の共有」が重要であることは、ご意見のとおりです。そのためには、科学的データや専門的知見を分かりやすく情報提供することが必要です。
そこで、有識者(研究者)、関係団体、県民(公募)から構成される県民会議において、情報提供のあり方についても検討し、またニュースレターとして情報提供も行っています。
また、この県民フォーラムも「コミュニケーション」や「情報・認識の共有」の方法の1つとして、実施しているものです。

79.【総合の対策はどうまとめたら良いか?】
環境の悪化(変化)に対しては色々な機関が有り、個別には各々効果的な対策が進められているが、結果は総合で出るものであると思う。その為には各施策の連携が大切であるが…?
行政と民間との情報を共有化・協働等大きな問題だけに難しいが、全体の中心になるのはどこがよいか。論理と現実のギャップの調整等も

(主な対応所属:緑政課)

水源環境保全・再生施策は、森林・河川・地下水の保全や水源環境の付加軽減など、多岐にわたる課題に取り組む必要がありますが、いずれの事業も個々の市町村域を超えて、ある程度の広域性をもった地域課題として捉えるべきであり、広域的な自治体である県が中心となって、他の施策とも連携をとりながら、推進していくことが必要であります。
県では、水源環境保全・再生施策を総合的かつ計画的に推進するために、副知事を本部長とする「水源環境保全・再生施策推進本部」を設置し、関係部局と連携をとりながら、効果的な事業展開に努めております。
また、施策の計画・実施・評価・見直しの各段階に県民の意見を反映していく仕組みとして、有識者、関係団体、公募委員が構成員の「水源環境保全・再生かながわ県民会議」を設置し、県民参加のもとで施策を推進しております。

80.【水源・渓流が、強大な堰堤のため連続性を阻害されているが、どうしたら連続性が復元できるか】
清流に住むアユは2mの高さの「堰堤」で自然に溯上できない。水源流域にカジカが減ってきている。
四十八瀬川には30数箇所「堰堤」があり、生物多様性を維持するためには「堰堤」は必要悪だが、人間生活の安全のためには必要である。どこで折り合いをつけるのか?

(主な対応所属:砂防海岸課)

近年、砂防えん堤の施工に際しては、上下流の河床の連続性が確保でき、魚類の遡上や小動物の移動ができるよう、えん堤中央部に開口部を設ける「スリットタイプ」を出来る限り採用することとしています。

81.【オオカミとの関係】
ニホンオオカミがいなくなり、シカが増えたという方もいます。

(主な対応所属:パネリスト山根氏)

神奈川県でニホンオオカミが絶滅したのは明治期と言われておりますが、当時丹沢山地でシカが急増したという記録は見当たりません。現在シカが過密化したのは、戦後にシカが乱獲などにより大きく減少したため保護措置が執られ、その時期に拡大造林が重なり餌環境が大幅に改善し、シカが急増したことに端を発していると考えられています。
また、最近は以前ほど狩猟が活発でなくなっていること、1980年頃までは雪が深く越冬が難しかった高標高部の保護区でシカが生息できるようになったこと、さらに猟期に保護区に逃げ込むシカの行動等が相乗して、一部地域でシカが増加、過密化していると思われます。

82.【効果的な環境教育の方法について】
森林保全への関心を引き起こすために、各自治体で環境教育が行われていますが、そのほとんどは森林での体験学習に留まるようです。関心を広げるためにより効果的な教育方法をご存知でしたら教えて下さい。(特に学校教育でできる方法について)

(主な対応所属:パネリスト片桐氏)

学校教育の場で有効な環境教育の方法には幾つかあります。その一つが現在行われている体験学習です。これまでも、体験学習の前には事前学習は行われていました。しかしそのやり方にひと工夫が必要です。それは、地域の環境に精通している農林業者などのものづくりの知恵、具体的な技術などを、直接子どもたちが聞き取るオーラルヒストリーの手法を取り入れることです。
これまで地域においてどのように自然と関わり、自然の厳しさや豊かさを体験してきたのか、先人たちの生身の話を聞き取り記録することで、子どもたちのねむっていた感性は呼び覚まされます。教科書に載っている遠い話ではなく、身近な地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちの話は子どもたちにより関心・興味を持って受け入れられるでしょう。
また、地域で活動しているNPOなどの活動内容を聞いたり、そのフィールドに子どもたちが入り、一緒に自然観察や作業を行うなど、異世代間の交流により、地域の環境を引き継ぎ、次世代に伝えるという具体的な課題を確認することもできます。環境教育の場を広く地域に求め、地域の達人や、NPOなどとの連携により、学校における環境教育は深まり広がることでしょう。

83.【超過課税の税収の格差について】
多くの都道府県で水源環境か森林保全のための超過課税が行われていますが、人口規模の違いにより、自治体間で税収に非常に差があるようです。
この税収の差は、自治体が保全すべき森林の広さに見合っていないため、地方での施策には限界があると思われます。やはり国の役割は大きいのではないでしょうか。

(主な対応所属:パネリスト諸富氏)

なかなか鋭いご指摘だと思います。東京都や大阪府で仮に森林環境税が導入されれば多額の税収が上がるけれども、森林面積は小さいのでそれほど必要税収額は大きくないのに対して、高知県などでは税収は小さいのに必要整備面積は東京都や大阪府よりも大きいという矛盾がたしかに生じます。これまでこの点があまり大きな問題とならなかったのは、事業規模があまり大きくなかったからだといえます。今後、さらに事業を進めていくときに財源が足りないならば、応益負担の論理や参加型税制の論理から言って、まずは森林環境税率を引き上げることが先決でしょう。
しかし、それはそれで住民の抵抗が大きいのは目に見えていますし、水源涵養や温暖化対策の観点からみて必要森林整備面積に満たないということであれば、国が財源保障をすべきだということになるでしょう。高知県の第2期森林環境税は実際、そのような方向に向かっています。
しかし、温暖化対策としてならばともかく、水源涵養を含めて地域の水環境をよくすることが目的ならば、簡単にこれは国の仕事だといって自治体は手を離してしまうのではなく、負担も含めてそれぞれの地域が取り組むべきこととして、まずやれることをやっていく枠組みを作ることは非常に大事だと思います。

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このページの所管所属は環境農政局 緑政部水源環境保全課です。