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県民フォーラム意見等に対する回答(森林整備関連項目)
第1回県西地域
1.今夏の台風・大雨により、河川上流域での人工林の表土の流出・林道の法面の崩壊・沢筋の河床の流出により下流域での河川の中州に土砂の蓄積で流路が変わったり、本流の滞りにより、狩川流域の塚原地内では支流に逆流して住宅の床上浸水があったが、行政の担当者は地形によるものと言うのみ。また酒匂川の旧十文字橋の落橋も上記と同様の原因と考えられる。人工林を自然林に変換を行い、山林の保水力を高めることに水源税を使ってください。林道の開設やスギ、ヒノキの植林は止めるべきです。
(主な対応所属:森林課)
山腹斜面の土砂崩壊は、すべり面の深さによって表層崩壊と深層崩壊とに分類されます。表層崩壊はごく浅いところで発生するもので、樹木の根によりある程度抑えることが可能と考えられています。(ただし、健全な森林であっても表層崩壊を100%抑えられるわけではなく、力学的な限界があります。)一方、深層崩壊については、樹木の根が入っていかない土砂と岩盤の間、あるいはさらに深い岩盤の中で起こるもので、森林の力で抑えることはできないものです。
一方、森林の保水力は、水源かん養機能とも言われますが、降雨時には、一時的に雨を土壌中に貯留し、河川への流出を遅らせる働きをします。一気に河川が増水することをある程度抑えることで、洪水を緩和するものです。
いずれの機能も、森林内で高木だけでなく、中低木や笹、草などの下層植生が繁茂していることが重要で、このことにより、地表では草や落葉が表土をカバーして、降雨による流出を抑え、地中では様々な植物の根が土壌を保持するとともに、土中の小動物や微生物等とともに、地中に浸透した雨水を貯留するような大小の空隙を作り出すのです。
こうしたことを踏まえた上でご説明しますと、森林の(表層の)土砂崩壊防止機能や水源かん養機能は、一般に自然林の方が高いと言われていますが、人工林でも、手入れが行き届いた森林では、スギ・ヒノキのほかに低層の樹木が育って根系が発達するとともに、草や落葉などが地表をカバーし、土砂崩壊防止等の機能は自然林に匹敵するレベルであると考えられています。逆に自然林であっても、今日の丹沢大山地域に見られるように、下層植生が衰退した状態では機能が低下し、土砂流出が進んでおり、一概に人工林・自然林で機能が高い・低いと言えるものではありません。
本県の森林は、自然林・人工林を問わず、大気汚染やシカの採食圧、手入れ不足等により、荒廃が進んでいるため、県では水源環境保全・再生実行5か年計画をはじめとした様々な取組により、森林の持つ諸機能の高度発揮を目指して、森林の保全・再生を進めています。
この際の基本的な考え方は、地域特性に応じた森林づくりを進めるというもので、自然林(広葉樹林)が適当と思われるところ(林道から遠いところ)については、現状がスギ・ヒノキの人工林であっても、スギ・ヒノキを徐々に減らして広葉樹と入り交じった森林に変えていく「混交林化」を進めていきます。また、人工林として維持していくことが適切であると思われるところ(林道に近いところ)については、間伐等必要な手入れを行い、下層植生の回復を図りつつ、持続的な木材資源の有効活用が可能となるよう人工林を維持していきます。
(地域特性に応じた森林再生の考え方については「かながわ森林再生50年構想」として取りまとめてあります。下記の県ホームページをご参照下さい。)
さて、こうした対策を進めて、森林の土砂崩壊防止等の機能を高めても、冒頭でご説明したように、森林の力で抑えることができるのは、表層崩壊の一部だけであるということです。短時間に大量の降雨があった場合などは、森林の力では表層崩壊を抑え切れません。最近、こうした森林の土砂崩壊防止等の機能を上回るような、ごく局地的・短時間の豪雨が多発するようになり、憂慮すべき事態となっております。
なお、林道や作業路網等については、森林の適正管理、林業の労働強度の軽減、木材の搬出(搬出コストの低減)等のために必要な施設であると考えていますので、今後とも、生態系や景観に配慮しながら、必要な整備を進めていく考えです。
【かながわ森林再生50年構想】
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/xp8/shinrinsaisei/sinrinsaisei50nenkousou.html
2.水源地域の再生に伴う整備の強化をお願いしたい。おいしい水豊かなれば山林が大切な資源となりますので、水源地域の保全を図ってほしい。
(主な対応所属:森林課)
かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画では、「水源の森林づくりの推進」をはじめとした森林の保全・再生に係る事業に取り組んでいます。
3.管理(手入れ)の出来ない人の山林は山主の了解を得て公の機関(森林組合等)で施業できる施策が必要。
(主な対応所属:森林課)
県では、かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画の特別対策事業のひとつとして、水源の森林づくり事業を進めています。この事業は、森林所有者が自ら(又は森林組合に依頼して)森林整備を行う場合への助成や、森林所有者自ら管理ができない場合に、所有者と協定を締結して県が代わって森林整備を行うことなどを含む、4つのメニューにより私有林の公的管理・支援を行うものです。
4.山持ちの人が自分の山を再生した時も何ら収入がないが、何か良い方法はないですか。
私有林について何か良い方法はないでしょうか。
(主な対応所属:森林課)
県では、かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画の特別対策事業のひとつとして、水源の森林づくり事業を進めています。この事業は、森林所有者が自ら(又は森林組合に依頼して)森林整備を行う場合への助成や、森林所有者自ら管理ができない場合に、所有者と協定を締結して県が代わって森林整備を行うことなどを含む、4つのメニューにより私有林の公的管理・支援を行うものです。
5.小規模林家を大事にするべし、という意見には大賛成。これは農業、漁業に共通する問題。国の農業に対する品目横断助成など大規模農家のみを支援する政策は農業つぶしになってしまう。
(主な対応所属:森林課、農業振興課)
林業については、近年、長期の不振が続いており、森林所有者だけの力では森林を守っていくことは困難になってきておりました。そこで、県では、平成9年度から私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業を開始しました。平成19年度からは、この事業をかながわ水源環境保全・再生実行5か年計画の特別対策事業に位置づけ、より一層加速化して取組を進めています。この事業は、森林所有者が自ら森林整備を行う場合への助成や、森林所有者自ら管理ができない場合に、所有者と協定を締結して県が代わって森林整備を行うことなどを含む、4つのメニューにより私有林の公的管理・支援を行っています。
また、農業においては、農林水産省の水田・畑作経営所得安定対策(品目横断助成)については原則として都府県では個人4ha、共同(集落営農)20ha以上が要件となっており、新たに創設された市町村特認においては、面積規模の要件は撤廃されましたが、地域の水田農業ビジョンに位置づけられた認定農業者であることが要件です。
県は、小規模農家が多い都市農業の特徴を踏まえ、農作業受託組織の育成支援や、地産地消による有利販売の促進などにより、都市農業の振興を図っています。
6.(パネリスト川又氏への質問)
【森林整備への担い手不足対策】
一体、どの位、訓練すれば、山で仕事ができるのか。332名と聞いてあぜんとしました。川又さんの明るさはどこからくるのか。どうしたら川又さんのようになれるのか。次世代への継承の道を全県的にどのようにしたら可能か。実際、ご子息は同じ稼業ですか。
(主な対応所属:パネリスト川又氏)
今林業で全国的に進められているのは、作業道を敷設し、高性能林業機械を利用するということです。これを進めなければ少人数で低コストの木材収穫ができません。丹沢は急峻な山なので作業道を作ることが困難ですが、機械化を進めると林業は誰でもすることが可能になります。
また、一番最初に安全に配慮することができれば、仕事は一年もきちんと訓練すればできます。
さらに、木材生産をしなくても、自分の山に生き物がどれくらいいるか、自分の山がきちんと手入れされているか、こういうことがきちんと出来ればこれはもう立派な林業者です。
7.【担い手不足の原因と解決策について】
林業等の担い手不足について各パネリストからお話があったが、その原因と解決策について何かあればお聞きしたい。
(主な対応所属:森林課)
担い手不足の原因については、労働環境がきびしく危険、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)などが挙げられます。
したがって、路網整備や高性能林業機械の導入、施業団地化等により、労働強度の軽減を図りつつ、生産性の向上を図ることが必要であり、県ではこうした取組に対する支援を行っています。
また、林業作業の季節による偏りの解消に関しては、県が発注する森林整備業務については、従来、夏以降に発注することがほとんどであったものを、作業の内容を見極めた上で、可能な限り春先の発注を増やすよう努めています。なお、林業作業の季節による偏りに関しては、近年の林業不振から皆伐=木材生産が行われなくなっているために、春の作業である植栽や夏の作業である下刈りが極端に減っていることが大きく影響しています。一方で、県内の人工林の大部分が伐期を迎えているにも関わらず、伐採・有効利用されない状況となっているため、木材生産を促進し、資源の有効利用と同時に林業作業の平準化を図ることが今後の課題となっています。
また、就労環境の改善等に関しては、林業事業体の経営改善や基盤強化に関する指導助言等の取組を行っているところです。
8.担い手不足等の解消を!また、水源地域の森林だけでなく、地域そのものを守っていく必要を感じた。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)して、林業の担い手の確保・育成を図っています。
9.・本当に現金が配分されれば良くなるのか?
人の労力なければ、山は育たないと思う?
町民・県民が自分のことであるのに行動をしないのは何が原因なのか?
先の話ではないと思うし、今から何かをしなければならないと思う。
(主な対応所属:森林課)
県では、県民と協働して森林づくりを進めるため、水源の森林づくり県民運動を展開しています。この取組では、かながわ森林づくり公社が中心となって、「県民参加の森林づくり活動」(公募による森林づくりボランティア活動)や、「森林づくり体験講座」などの催しを、年間を通じて開催していますので、是非、ご参加ください。
また、同公社では、小・中・高校における森林環境学習の支援なども行っています。
また、森林づくり活動への参加・協力をお考えの企業、団体等のために、県では「水源林パートナー制度」を運用しています。これは、県と5年間の協定を結んでパートナー林を設定し、年間60万円の寄付と森林づくり活動を行っていただくものです。
この他、森林への理解を深めていただくために、NPO法人かながわ森林インストラクターの会の協力により、毎年、横浜、川崎、横須賀といった都市部で街頭キャンペーンを実施したり、足柄上郡松田町のやどりき水源林にて毎週土曜・日曜日に「水源林ミニガイド」を実施しています。秋には、「水源林の集い」というイベントも開催しています。
また、平成22年春季に本県で開催する全国植樹祭に向けてのプレイベントとして「森のリレーフェスタ」などのイベントも実施していきます。
詳しくは、下記へお問い合わせください。
【かながわ水源の森林づくり(水源林パートナー制度、街頭キャンペーン、水源林の集い)】
県森林課水源の森林推進班 TEL 045-210-4365
ホームページ https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/suigen.html
【第61回全国植樹祭】
県森林課全国植樹祭推進室 TEL 045-210-4373
ホームページ https://www.pref.kanagawa.jp/docs/xp8/shinrinsaisei/zenkokusyokujusai.html
【水源林ミニガイド】
NPO法人かながわ森林インストラクターの会
ホームページ http://www.forest-kanagawa.jp/
10.水源環境保全は人と金の有効活用がさらに必要であることを痛感した。特に担い手のたくさんの育成をする機関や機会を引き込むことも必要であろう。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)して、林業の担い手の確保・育成を図っています。
11.【仕事をする作業員について】
作業員が少なくなっているとのことで、1年を通し仕事があれば、作業員は増えると思います。
(主な対応所属:森林課)
林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)の解消に関しては、県が発注する森林整備業務については、従来、夏以降に発注することがほとんどであったものを、作業の内容を見極めた上で、可能な限り春先の発注を増やすよう努めています。
なお、季節による偏りについては、近年の林業不振から皆伐=木材生産が行われなくなっているために、春の作業である植栽や夏の作業である下刈りが極端に減っていることが大きく影響しています。一方で、県内の人工林の大部分が伐期を迎えているにも関わらず、伐採・有効利用されない状況となっているため、木材生産を促進し、資源の有効利用と同時に林業作業の平準化を図ることが今後の課題となっています。
12.水源税により森林整備が多くできる状況であるのに、担い手がいないのは問題である。補助金や寮などの待遇、賃金を上げるなどして、若い人を確保していかないと、森林を守る人がいなくなる。長野県が人材確保している様に、もっと税金を有効活用できないものか。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)して、林業の担い手の確保・育成を図っています。
これらの取組については、水源環境保全・再生のための直接的な取組ではないことから、県の一般財源により実施しています。
13.林業に関わる担い手が大変不足しているとのお話を聞きました。今後の担い手の育成手法についてご検討ください。非常に難しい問題かと思われますが、よろしくお願いします。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業他業種など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)して、林業の担い手の確保・育成を図っています。
14.【落札の件】
山林の整備で、落札の話がありましたが、技術のある人がいないのに落札して、大森さんのような人を雇用して、安い賃金になってしまうような話がありましたが、どのようにすれば高い賃金が確保できると思われますか?発注の仕方を工夫して、地域の技術を持っている人々にメリットのある仕組みのアイディアをお聞きしたい。
(主な対応所属:森林課)
県が発注する森林整備等の業務の中には、下刈りや間伐など比較的容易な仕事から、間伐材の搬出や、森林管理業務など高度な技術や全面的な知識を必要とするものまで様々なものがあります。そこで、入札参加資格の中に業務内容に応じた技術者要件を設け、適切な技術水準の業者に請け負っていただくような仕組みとしております。
15.【間伐材の利用について】
県民がもっと間伐材を利用するためにはどうしたら良いか?利用についてのアイディアがもっと必要だと思うがそうした機関はありますか?日本の木の文化の衰退をくい止めるために県の取り組みが必要では?
(主な対応所属:森林課)
県では、県産木材の評価を高めるため製材品の品質認証試験、低質材の利用促進を図るための合板やLVL(※)等の用途開拓、利用促進を図るための県産材を使用した公共施設整備等の取組に対する支援や、木の良さや県産木材の普及PRのための「かながわ木づかい運動」の展開や「森林循環フェア」の開催など、県産木材の活用促進に向けた様々な取組を行っています。
※LVL-原木を薄く剥いた単板を、繊維方向を平行にして貼り合わせたもので、通常、細長い部材に加工され、柱や梁など軸組材として使用される。類似の製品として、単板を、繊維方向を直行させて貼り合わせたものを合板と呼び、通常、板状に加工され、板として使用される。
16.水源林整備において、下層植生の衰退を理由に除伐が控えめになっているが、灌木が密に生えている所での作業は、非常に危険を感じる。林業は死亡災害も非常に多いので、担い手も増えないのではないかと思う。
安全面にも配慮した設計としていただきたい。
(主な対応所属:森林課)
森林の水源かん養機能を高度に発揮させるためには、森林内で高木だけでなく、中低木や笹、草などの下層植生が繁茂していることが重要で、このことにより、地表では草や落葉が表土をカバーして、降雨による流出を抑え、地中では様々な植物の根が土壌を保持するとともに、土中の小動物や微生物等とともに、地中に浸透した雨水を貯留するような大小の空隙を作り出すのです。
このため、水源林整備においては、下層植生の保全・再生が最も重要な目的となっています。したがって、除伐については、間伐や枝打等の作業上、必要最小限に止めるよう設計し、また、現場指導でもそのようにお願いしているところです。
しかしながら、ご指摘のように森林施業は非常に危険が伴うものであり、作業を行う場合には、個々の現場においては、監督員と綿密な打合せを行い、現場状況に応じた適切な対応をお願いします。
17.【水源林づくりについて】
今、水源の仕事をしているが、間伐した木を集積することに、作業内容の中で1番時間を使っているが、本当に集積は必要ですか?その分、他のことができると思いますが、どうでしょうか?
(主な対応所属:森林課)
伐倒した材は、枝払いし適当な長さに玉切りした上で、土砂留めになるよう、地面との間になるべく隙間を作らぬようにし、また、端部を切り株等にかけるなどして斜面を転がることのないようにします。また、流水が集まらぬよう、水平に置くことが重要です。
これが、伐倒木整理の標準の方法ですが、現場状況によっては、集積する必要があるところもあるかと思いますので、個々の現場においては、監督員の指示に従ってください。
18.林道の新規開設は止めてください。不法投棄の場所が増すのみです。
(主な対応所属:森林課)
林道や作業路網等については、森林の適正管理、林業の労働強度の軽減、木材の搬出(搬出コストの低減)等のために必要な施設であると考えていますので、今後とも、生態系や景観に配慮しながら、必要な整備を進めていく考えです。
なお、現在開設中の「林業振興型」林道は、林業活動専用としている林道で、起終点等にゲートを設置し、関係者以外の車両通行を制限することになっておりますので、不法投棄はしにくい状況となっています。また、現在、「林業振興型」以外の林道の開設予定はありません。
19.林業経験者を数人契約職員として設置し、実際の現場等を調査したり、整備等を行った後の検査を行ってはどうかと思う。
(主な対応所属:森林課)
ご意見は今後の参考にさせていただきます。
20.北欧の森林保全等の勉強をすると良いのではないか?
(主な対応所属:森林課)
ご意見は今後の参考にさせていただきます。
21.山北町は山が深いので作業員の宿泊施設を県(旧ハイツビラ)の跡地に県産材で建設してほしい。
(主な対応所属:森林課)
ご意見への対応は、現時点では困難と考えます。
22.時代の変化と共に、農林水産業の従事者は減少していくと思うが、水源の保全は永続していかなければならない。今後さらに人口減少等が進み、どういう対策が必要か国レベルで考えていかなければならないのではないか。
(主な対応所属:森林課)
水源林の保全については、国においても、様々な施策に取り組んでいると承知しています。
23.学生時代に見た檜淍丸のうっそうとしたブナ林が戻ってくれば良いと思う。
(主な対応所属:緑政課)
いただいたご意見は参考とさせていただきます。
24.【鹿害対策】
鹿柵だけでは、鹿の繁殖を止められない。鹿そのものの個体数を制限(減少)する具体策は?具体的活動は?
北海道では食肉としての研究が具体化しているようですが?
(主な対応所属:緑政課)
平成19年3月に策定した第2次神奈川県ニホンジカ保護管理計画に基づき、シカの個体数調整を強化して実施しています。高標高域でシカの採食により植生が劣化している場所については県が管理捕獲を実施しており、山麓域で農林業被害が発生している場所については、市町村等が管理捕獲を実施しています。
また、狩猟につきましても平成19年度からはシカの捕獲頭数制限に係る規制も緩和しています。その結果、平成19年度の捕獲総数は1479頭であり、平成18年度の902頭から大幅に増加しています。今後も、モニタリング結果を踏まえつつ個体数調整を実施して参ります。
また、捕獲したシカの有効活用についても、前述の保護管理計画で検討することとしておりますので、他県等の取組状況等の把握に努めているところです。
25.水源地域のシカやブナハバチ等の生態系の対策はどうしておりますか。具体的に成果が上がっている例があれば教えてください。
(主な対応所属:緑政課)
(シカ)
平成19年3月に策定した第2次神奈川県ニホンジカ保護管理計画に基づき事業を実施しています。高標高域でシカの採食により植生が劣化している場所および、山麓域で農林業被害が発生している場所について、防護柵の設置の推進と共に、県や市町村等により管理捕獲を実施しています。また、森林整備と個体数調整の統合方法について、モデル地域を設定して検証しています。具体的な成果としては、個体数調整について、平成19年度のシカ捕獲総数は1479頭であり、平成18年度の902頭から大幅に増加しています。
(ブナハバチ)
ブナハバチについては未解明の部分が多く、現在、自然環境保全センターで調査を行っております。そのため、その生態や生態系への影響、対策等はわかり次第、随時公表していきたいと考えております。
26.【水源林整備の内容の見直し】
水源の整備の際、間伐に木を集積しているが、材を積み上げるのは、非常に労力を要し、作業する人にかなりの負担をかけているように思います。土どめの効果を得るなら、立木にかけ、筋状にするのがよいのでは?
(主な対応所属:森林課)
伐倒した材は、枝払いし適当な長さに玉切りした上で、土砂留めになるよう、地面との間になるべく隙間を作らぬようにし、また、端部を切り株等にかけるなどして斜面を転がることのないようにします。また、流水が集まらぬよう、水平に置くことが重要です。
これが、伐倒木整理の標準の方法ですが、現場状況によっては、集積する必要があるところもあるかと思いますので、個々の現場においては、監督員の指示に従ってください。
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第2回県北地域
27.国・県・市有林には手が入りやすいが、私有林の中には、拒否する方も多いと聞いている。この問題をどう解決していくのか。
(主な対応所属:森林課)
荒廃した私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業は、森林所有者のご理解・ご協力と、市町村や森林組合等のご協力により、これまで9,912haの私有林を公的管理・支援する森林として確保しており、目標以上の進捗となっています。中には、ご協力いただけない所有者もおりますが、粘り強くご理解を求めていきたいと考えています。
28.【私有林の手入れについて(個人の力では無理な所)】
知人が松田町寄地区に住まいし、少しばかりの山林を持っているが、ほとんど山に行く事がなく、今の取組を自分の山に向けてもらう事が出来るのかどうか。待っているのではなく、働きかけるには、どうしたら良いか具体的に知りたい。
(主な対応所属:森林課)
県では、私有林の公的管理・支援をおこなう水源の森林づくり事業を実施しています。具体的なご相談は、足柄上地域県政総合センター水源の森林推進課へお問い合わせ下さい。
【足柄上地域県政総合センター水源の森林推進課】
TEL 0465-83-5111(代表)
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)しています。
なお、林業は特殊かつ危険性の高い仕事であり、こうした専門の研修を受けた方でなければ、携わることは危険であり、通常の人材派遣業では対応不可能と考えています。
30.整備に対する政策は進んできていると思いますが、それに関わる人手が大変不足していると思います。現状を踏まえて魅力ある事業とその広報も大切だと思う。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)し、林業の担い手の確保・育成を図っています。
また、担い手不足の原因については、労働環境がきびしく危険、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)なども挙げられます。
したがって、こうした就労環境の改善に取り組み、職業としての林業の魅力を高めながら、林業のPRを進めていきたいと考えています。
31.昨年度から水源林整備業務を受注させていただいておりますが、今後ますますの勉強、努力で取り組みたいと考えます。労働力→現場での実際労働を担う層の確保こそが最優先では?→教育?机上の空論と思える議論だけでは、決して森林は良くならないと思います。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)しています。
こうした研修では、必要な知識を身につける座学と現場での実地研修を組み合わせ、実際の仕事に役立つよう、カリキュラムを工夫しています。
32.【森林整備事業の担い手確保について】
1.担い手に必要な技能、資質
2.不足している現状に対して考えられる解決策または方策
3.一般市民が関われることがあれば知りたい。
(主な対応所属:森林課)
林業の担い手に必要な技能等には様々なレベルがありますので、県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベルの研修を実施(または実施の支援を)し、林業の担い手の確保・育成を図っています。
一方、県では、県民と協働して森林づくりを進めるため、水源の森林づくり県民運動を展開しています。この取組では、かながわ森林づくり公社が中心となって、「県民参加の森林づくり活動」(公募による森林づくりボランティア活動)や、「森林づくり体験講座」などの催しを、年間を通じて開催していますので、是非、ご参加ください。
また、森林づくり活動への参加・協力をお考えの企業、団体等のために、県では「水源林パートナー制度」を運用しています。これは、県と5年間の協定を結んでパートナー林を設定し、年間60万円の寄付と森林づくり活動を行っていただくものです。
この他、森林への理解を深めていただくために、NPO法人かながわ森林インストラクターの会の協力により、毎年、横浜、川崎、横須賀といった都市部で街頭キャンペーンを実施したり、足柄上郡松田町のやどりき水源林にて毎週土曜・日曜日に「水源林ミニガイド」を実施しています。秋には、「水源林の集い」というイベントも開催しています。
また、平成22年春季に本県で開催する全国植樹祭に向けてのプレイベントとして「森のリレーフェスタ」などのイベントも実施していきます。
詳しくは、下記へお問い合わせください。
【かながわ水源の森林づくり(水源林パートナー制度、街頭キャンペーン、水源林の集い)】
県森林課水源の森林推進班 TEL 045-210-4365
ホームページ https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pb5/suigen.html
【第61回全国植樹祭】
県森林課全国植樹祭推進室 TEL 045-210-4373
ホームページ https://www.pref.kanagawa.jp/docs/xp8/shinrinsaisei/zenkokusyokujusai.html
【水源林ミニガイド】
NPO法人かながわ森林インストラクターの会
ホームページ http://www.forest-kanagawa.jp/
33.林業労働者の安定した処遇になるような改善が必要。1企業では無理なのでこの水源環境税の導入を契機に行政にも一歩踏み込んだ改善を図っていただきたい。
(主な対応所属:森林課)
林業は、労働環境がきびしく危険であり、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)など、厳しい就労環境となっています。
そこで、路網整備や高性能林業機械の導入、施業団地化等により、労働強度の軽減を図りつつ、生産性の向上を図ることが必要であり、県ではこうした取組に対する支援を行っています。
また、林業作業の季節による偏りの解消に関しては、県が発注する森林整備業務については、従来、夏以降に発注することがほとんどであったものを、作業の内容を見極めた上で、可能な限り春先の発注を増やすよう努めています。
なお、林業作業の季節による偏りに関しては、近年の林業不振から皆伐=木材生産が行われなくなっているために、春の作業である植栽や夏の作業である下刈りが極端に減っていることが大きく影響しています。一方で、県内の人工林の大部分が伐期を迎えているにも関わらず、伐採・有効利用されない状況となっているため、木材生産を促進し、資源の有効利用と同時に林業作業の平準化を図ることが今後の課題と考えています。
34.山の仕事に慣れないために、県から文句も言われますが、どうしても作業が遅れ気味です(ケガも多いです。)。単価も安く決して良い仕事とは思えませんが、「水源林を守るため」というすばらしい仕事なのだと確認しましたので、作業員の方々にも、そのことを伝えたいと思います。
(主な対応所属:森林課)
今後ともよろしくお願いします。
なお、現場の作業においては、安全作業を第一優先とするようお願いします。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業の担い手の確保・育成を図るため、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)しています。
36.林業従事者の育成にもお金を使う必要あり。待遇保証・改善は難しい問題だが、「緑の保全の担い手」として、国は支援する仕組みをつくってほしい。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業の担い手の確保・育成を図るため、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)しています。
なお、前述の新規に就労した方を対象とした研修は、国の支援制度(緑の雇用担い手育成対策事業)を活用したものです。
37.担い手不足の解消に向け、造園他の人の関心度が高まったと伺いました。更に押し進める努力を自治体・企業共々強めてほしい。
(主な対応所属:森林課)
県では、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修を平成17年度から実施しているほか、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)し、林業の担い手の確保・育成を図っています。
38.県産材を活用するためのインフラの整備はどのように考えているのか。
(主な対応所属:森林課)
県では、県産木材の有効活用を促進するため、生産対策から加工対策、消費対策にわたる総合的な取り組みとして「県産木材活用総合対策」を進めています。
この総合対策の中で、県産木材の加工・流通の核として「県産木材供給拠点」の整備を位置づけており、現在、計画の実現に向け、事業主体である民間事業者と実施に向けた調整を進めているところです。
39.【県産材の有効活用について】
県産材は住宅の材料として使えるだけの量や質があるのか、供給されているのか。
県産材の有効活用についての県の施策と今後の方向について
(主な対応所属:森林課)
平成19年度の本県の木材生産量(スギ・ヒノキ)は、約1万1千立方メートルでした。この木材は、径級(太さ)に応じて、杭丸太などの土木資材、建築用の柱、板など様々な用途に使われております。
県産木材の有効活用については、生産対策から加工対策、消費対策にわたる総合的な取り組みとして「県産木材活用総合対策」を進めています。
この総合対策の中で、木材の生産支援としての間伐材の搬出支援、県産木材の評価を高めるため製材品の品質認証試験、低質材の利用促進を図るための合板やLVL(※)等の用途開拓、利用促進を図るための県産材を使用した公共施設等整備への助成、木の良さや県産木材の普及PRのための「かながわ木づかい運動」の展開や「森林循環フェア」の開催など、様々な取組を行っています。
このような取組を通じて、今後、段階的に木材生産量を増やしていき、将来的には、年間3万立方メートル(※)とすることを目標としています。
※LVL-原木を薄く剥いた単板を、繊維方向を平行にして貼り合わせたもので、通常、細長い部材に加工され、柱や梁など軸組材として使用される。類似の製品として、単板を、繊維方向を直行させて貼り合わせたものを合板と呼び、通常、板状に加工され、板として使用される。
※水源環境保全・再生かながわ実行5か年計画における27年度目標量24,000立方メートルに県有林や国有林等の伐採量を加えたもの。
40.【間伐材の活用】
課題は何か?どのように解決していくか?
(主な対応所属:森林課)
間伐材の活用に関しては、搬出・流通コストの低減、製材品の品質向上、県産木材の普及PR等が課題となっています。
このため、県では、生産対策から加工対策、消費対策にわたる総合的な取り組みとして「県産木材活用総合対策」を進めています。
この総合対策の中で、間伐材の搬出支援、県産木材の評価を高めるため製材品の品質認証試験、低質材の利用促進を図るための合板やLVL等の用途開拓、利用促進を図るための県産材を使用した公共施設等整備への助成、木の良さや県産木材の普及PRのための「かながわ木づかい運動」の展開や「森林循環フェア」の開催など、様々な取組を行っています。
41.県産材での住宅や家具への活用も進めてほしいが。バイオチップストーブの普及なども是非進めてほしいが現状は?
(主な対応所属:森林課)
県では、県産材を使用した住宅づくりに対する工務店等への支援や、神奈川県建具協同組合との連携による家具等の商品開発を行っています。
バイオチップストーブについては、本県の森林は、規模が小さくまた地形が急峻なため、チップを安定的かつ安価に供給する体制を構築することが、非常に困難であると考えています。
42.水源環境保全・再生事業や水源の森林づくり事業でフォローできない山林の整理(湖周辺や県道周辺など)の整備の仕組みをつくる必要がある。整備しない、できない説明が今後は必要となる。
(主な対応所属:森林課)
県では、水源環境の保全・再生を進めていくにあたって、県内全ての森林を同一の水準で、同時に進めていくべきとは考えておりません。水源保全上、重要な地域から優先して取り組むべきと考えています。
そこで、県内の水源地域を、横浜、川崎、横須賀をはじめ県内の大部分に水道水を供給している県営水道の水源地域である水源の森林エリアと、地域の水源地域である地域水源林エリアに区分し、水源の森林エリアでは、県が中心となって水源の森林づくり事業を進め、地域水源林エリアでは、市町村が主体となって取り組む地域水源林整備等に、県が支援をしていく仕組みとしています。
こうした棲み分けをした上で、県は水源の森林エリア内で水源の森林づくり事業による森林整備を進めていますが、この事業においても、エリア内を一律に取り扱っているわけではなく、水源保全上、特に重要な地域(源流部やダム湖周辺など)は、県が永続的に管理できるよう森林買取を進めるなど、重要度に応じた取り組みを行っているところです。
ご意見の箇所が具体的にどういうところか、個別の現場状況にもよりますが、道路沿線や湖岸の崖地など、水源保全上、優先度が低いと思われる箇所や、そもそも森林が成立すること自体が困難な箇所など、本事業の実施がふさわしくない箇所もあり得ると考えています。県民から水源環境保全・再生のために特別にいただいている財源ですので、こうしたことにご理解をいただきたいと存じます。
なお、水源の森林づくり事業で整備できない箇所であっても、従来からある造林補助事業は受けられる場合もありますので、詳しくはお近くの地域県政総合センターへお問い合わせください。
(主な対応所属:森林課、土地水資源対策課)
県が発注する通常の森林整備業務は、公正性・公平性、談合防止等を図る観点から、条件付一般競争入札により行っています(ただし、250万円以下は指名競争入札、100万円以下は随意契約)。特定の者しかできない特別な仕事はありませんので、特定の者への委託による発注は考えていません。NPOでも、所定の手続きを経た上で入札への参加は可能です。
なお、平成20年度から森林の枝打ち・間伐作業など本県の水源環境を保全・再生するための市民事業を推進するため、財政的支援として「水源環境保全・再生市民事業支援補助金」制度をスタートさせました。市民活動の推進、実施に向けてご活用ください。
44.地球環境の問題が大きく取り上げられている現在、環境に力を注ぐような企業が求められていくとともに、企業の価値を高めることとなるのではないか。そういうことから、民間の力をもっと活用し、民間企業が森林の一部などを守るような仕組みづくりを検討できないか。
45.私は一般的な会社員でどちらかというと便利性を求める傾向にある。環境問題等はテレビ、新聞等で報道されても実感が湧かなかった。しかし今回参加させて頂き森林保全事業の確保(313名では困難かな、森林家の将来、若者の定着かなど)、また猿橋付近のゴミはショックでした。いろいろ勉強になりありがとうございました。
佐藤さんの言っていた森林業労働力確保は「金」と言っていたが、お金がすべてではないと思う。給与が多い方が良いと思うが、仕事に対する誇り、喜び、達成感などであると思う。この辺りのPRと人材が必要と思う。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など、他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)し、林業の担い手の確保・育成を図っています。
また、担い手不足の原因については、労働環境がきびしく危険、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)なども挙げられます。
したがって、こうした就労環境の改善に取り組み、職業としての林業の魅力を高めながら、林業のPRを進めていきたいと考えています。
46.協力協約契約に関する業者とNPOとの活動方法について、規定を早く確認したく存じます。(書類で)
1 NPOが営利活動と見なされる協力協約では参加が出来ないと存じます。
2 とは申せ、完全なボランティアでは再生活動は出来ず、現在借用森林はあるも如何様に活動したものか思案しております。
3 県と市との規定・方針に不一の点がある様にも思いますが?
4 借用している森林は里山林です。
(主な対応所属:土地水資源対策課)
市民活動への支援に対する具体的な質問については、土地水資源対策課へご連絡ください。
(本件については、個別に対応しました。)
47.1.水の発生源の現況を知る様な写真が見たかった。
2.林業でなく、水との取り組みを発表してもらいたい。
(主な対応所属:土地水資源対策課)
県民の皆様に水源環境保全・再生の取組へのご理解をいただくため、分かり易い広報、情報提供に努めているところです。
今後、水源環境保全・再生かながわ県民フォーラムや県ホームページ等において、水源地の現況を写真等により分かりやすくご紹介してまいります。
48.【林業発生について】
内外価格差についての県の取組は?
(主な対応所属:森林課)
昨年度のスギ柱材の価格は、競合関係にあるホワイトウッド集成柱より安くなっていますが、昨今、外材だけでなく、他県産材との価格競争も激しくなってきており、山元での木材生産コストの縮減や、木材流通の合理化等の取組が必要となっています。
そこで、低コスト生産のための林業従事者への技術研修や、林業事業体等への高性能林業機械の導入支援、県産木材の加工・流通の核としての県産木材供給拠点整備の支援等の取組を実施中、又は実施を計画しています。
49.【発生材の現場利用】
間伐等による発生材は、柵や土留めで利用できるのは(現場で使えるのは)、全体のどの程度の割合ですか?
(主な対応所属:森林課)
割合は不明ですが、間伐材は土留柵等に活用しています。
50.【間伐材を使った土留めについて】
間伐材は生木ですが、土留材に利用して早く腐るのではないでしょうか。そして材木が崩れ落ちてしまうようなことはないのでしょうか。間伐材の処分費が緑地の管理費の多くを占めているため、できれば使っていきたい。
(主な対応所属:森林課)
間伐材などによる丸太柵は、数年で朽ちてしまいますが、その間、土壌の移動・流出を抑えることにより草や低木などの成長を促し、柵が朽ちてしまった後は、逆にその草木の根が、土壌の移動・流出を抑えるようになることをねらいとして設置します。
51.(パネリスト滝澤氏への質問)
水源の森の重要性について、市民・学生の関心、反応はどうですか。何が人を動かすポイントと思いますか。
(主な対応所属:パネリスト滝澤氏)
関心、反応ということでは、私たちは、キャンプをする際にウォークラリーを実施し、参加したメンバーに森林の状況を見てもらうと、活動に参加してくれる学生がいます。問題意識を持っていない学生の意識を高めるにはまず現場に来てもらうということが大事だと思います。
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第3回県央・湘南地域
52.森林整備は必要です。整備人材が高齢のため(76歳)たいへんだ。私達共有林組合も年数回整備に出かけます。
(主な対応所属:森林課)
森林の整備ご苦労様です。
また、県においても、県全体の林業労働力の高齢化を憂慮しており、新規就労者の促進に関する取組を行っているところですが、貴共有林におかれましても、貴重な財産である森林を損ねることのないよう、こうしたフォーラム等をご活用いただき、若い世代へバトンタッチを進めていただくようお願いします。
53.県の林業は5か年計画終了時にどうなるのか。建材他の利用他
(主な対応所属:森林課)
森林の保全・再生は5年という短期間では達成できません。数十年という息の長い取組が必要となります。
そこで、この水源環境保全・再生施策においては、実行5か年計画のベースとして、平成19年度以降20年間の取組方向や施策体系、目指すべき将来像を定めた「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」を策定しています。
また、県産木材の有効活用により森林整備を促進することも重要であると考え、間伐材の搬出支援を始めとする生産対策から加工対策、消費対策にわたる総合的な取組を推進しています。実行5か年計画における間伐材の搬出支援は、計画開始前の実績約4,000立方メートルを、計画終了時の23年度には14,000立方メートルまで引き上げることとしておりますが、その後も、引き続き、こうした県産木材の有効活用に関する取組を進めていきます。
54.私有林の事にあまりふれていないが、なぜか?私有林の荒廃と県有林とのからみについてもっと力を入れてほしい。
(主な対応所属:森林課)
水源環境保全・再生5か年計画では、荒廃した私有林を、県が公的管理・支援により整備していく「水源の森林づくり事業」が、もっともウエートの高いものとなっています。また、市町村が主体となって行う地域水源林整備についても、私有林と市町村有林が対象となっています。
なお、県有林については、従来から県の一般財源等により適正な管理に努めています。
55.町の中に残っている土地が竹と雑木林になっていて、昨年も学生の投げたタバコで火災がおきました。市外在住の地主で管理もされません。こういった人々への責任のあり方もキチンと決めて欲しいものです。
里山が市民の財産であるとしたら、地元の企業や団体にも、もっと呼びかけてボランティア参加や寄附等の協力を投げてもいいのでは。
(主な対応所属:土地水資源対策課、森林課、農地課)
水源地域の森林については、企業・団体の皆様に水源の森林づくりに参加していただく制度として、神奈川県では「水源林パートナー制度」を設けており、現在、いくつかの企業・団体の皆様に水源林パートナーとして水源の森林づくりにご協力いただいております。
平成20年度から本県の水源環境を保全・再生するために取り組んでいる市民団体を支援するため、「水源環境保全・再生市民事業支援補助金」制度をスタートさせました。(企業は支援対象外)
また、神奈川県水源環境保全・再生基金では、個人県民税の超過課税のほか、法人・団体・個人からの寄付の受入を行っており、県の情報コーナー等にリーフレットを配架したほか、法人県民税・事業税申告書の用紙を送付する際の封筒に寄附が可能な旨のお知らせを記載するなどして寄付を呼びかけております。
なお、県では、平成19年度に「里地里山」を次世代へ引き継いでいくため、里地里山の保全、再生及び活用の促進に関する条例を定めました。今後、条例に基づき、土地所有者と地域住民の皆さんが連携・協力して保全等の活動を行えるよう、市町村と協力を図りながら、施策を実施していきます。
56.私達の共有林は、ほとんど「くぬぎ」(一部ヒノキ、杉)です。日当たりを良くするため、くぬぎ林間伐したところ、一部の組合員からおしかりを受け役員は大変でした。難しいものですね。(道路整備したいのですが、予算なし)
(主な対応所属:森林課)
共有林の整備、ご苦労様です。
なお、作業路等の整備については、水源の森林づくり事業による助成制度がありますので、お近くの地域県政総合センターへご相談ください。
また、所定の森林整備を行った森林所有者等の方に交付する自然保護奨励金という制度もあります。これについては、緑政課へお問い合わせください。
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第5回横浜・川崎地域
57.【林業従事者の育成】
森林整備を本格的に長期的に行うには、若い人が安心して森林整備業に従事できるようにしたい。給与等、県の職員として迎えられないのか。
(主な対応所属:森林課)
森林整備の仕事は、現場条件が厳しく危険であることに加え、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)など、非常に厳しいものがあります。
そこで、県では、路網整備や高性能林業機械の導入、施業団地化の促進等により、労働強度の軽減を図りつつ、生産性の向上を図るための取組を進めています。また、県が発注する森林整備業務については、従来、夏以降に発注することがほとんどであったものを、作業の内容を見極めた上で、可能な限り春先の発注を増やすよう努め、林業作業の季節による偏りの解消に務めています。
このような取組により森林組合や林業会社など林業事業体の収益向上や経営安定化を図り、林業労働者が安心して働ける環境作りや収入増につなげていきたいと考えています。
58.【地域水源林事業について】
秦野市のとりくみと水源再生保全施策とのつながりがよく分からなかった。
はたして、里山の保全が水の質に影響を与えているのか?
(主な対応所属:土地水資源対策課)
里山林は、河川表流水や伏流水、地下水、湧水など地域における水源の保全にとって、重要な役割を果たしております。秦野市は、地下水を主たる水道水源としており、そのかん養を目的に市内の里山林の整備に努めております。神奈川県では、この市の取組に対して、水源環境保全・再生施策の一環として財政的支援を行っております。
59.【水源環境保全税収でかなり増額された森林整備予算に対して、森林事業者が対応できるのか?】
森林整備に関する予算が一気に増額されたが、実際のところ、それをすべて担うことができるのか、つまり、神奈川県の森林事業者は対応できるのか。
(主な対応所属:森林課)
県では、森林整備量の増大や多彩な森林づくりに対応するため、林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、造園業や土木業など他業種から新規に参入する方のための研修、既に林業に従事している方が、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)して、林業の担い手の確保・育成を図っています。
また、平成21年度には「かながわ森林塾」を開校し、こうした様々な技術レベルの担い手を育成していくこととしています。
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第6回
60.【人材の確保・育成について】
森林や水源環境保全・再生を担う人材の確保への具体策は?
森林塾について知りたいと思います。ボランティア・NPO・企業等があると思いますが、専門職の養成の計画はありますか?
(主な対応所属:森林課)
かながわ森林塾は、林業への就業希望者から、中堅技術者、上級技術者まで、様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、21年度開校します。これはいわばプロの担い手の養成機関です。
また、森林づくりボランティア活動の指導者として、平成2年度から「かながわ森林インストラクター」を養成しており、一般の方のボランティア活動の指導のほか、森林・林業に関する普及啓発などに取り組んでいただいています。
企業・団体等の森林づくりへの参加の仕組みとして、平成11年度から「水源林パートナー制度」を設けていましたが、21年度から、より幅広く参加していただけるよう「森林再生パートナー制度」として制度の拡充をしたところです。
61.給与面等待遇改善に努め、森林再生に向けた人材の確保を早急に進めて欲しい。
(主な対応所属:森林課)
県では、林業労働力の確保・育成を図るため、林業事業体に対する林業従事者の就労条件の改善を含めた経営指導や、労働安全衛生に関する指導・講習会の開催等を実施しています。
62.林業の担い手不足が特に心配です。そのような中で、今回の話の中にあった林業の育成講座に期待しています。
(主な対応所属:森林課)
森林整備の担い手の確保・育成を図るため、林業への就業希望者から、中堅技術者、上級技術者まで、様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、21年度、かながわ森林塾を開校したところです。
63.【森林業務担当者の確保・養成について】
森林企業は特殊な技能(体力・知識)が必要と思う。従事者は少ないと言われる中での施策又は養成等はどのように対処しているのか現状はどうなのか、お聞きしたい。
(主な対応所属:森林課)
林業従事者等の育成については、これまでも林業事業体(森林組合や林業会社など)に新規に就労した方を対象とした研修や、より高度な技術・知識を習得するための研修、森林施業の中でも特に危険で高度な技術を要する、木材の伐出作業の安全で効率的な技術を習得するための研修など、様々なレベル・内容の研修を実施(または実施の支援を)してきました。
さらに、今年度、林業への就業希望者を対象に、林業への就業を見極めるための森林整備体験を行う研修を新たに開始することにしました。
また、こうした様々な技術レベルに応じた林業の担い手研修機関として、かながわ森林塾を21年度開校したところです。
64.【環境に矛盾しない経済性の創出】
水源環境の保全・再生(環境性)の為には、持続的森林経営の途(みち)(経済性)創出が必要と思います。
神奈川県・山梨県行政はどのように取り組んでいるのでしょうか。
(主な対応所属:森林課)
神奈川県では、かながわ森林再生50年構想を掲げ、県内の森林を地域特性に応じて区分し、区分毎に目指す森林の姿を設定して、森林再生に取り組んでいます。
この中で、林道から概ね200mの人工林を「森林資源を循環利用するゾーン」として、持続的な人工林経営を目指すこととし、森林所有者に対する森林整備や間伐材の搬出等への支援に取り組んでいます。
65.【「水源の森林づくり」事業について】
森林所有者としてまた森林づくりを進めようとしている者として考え方をお聞かせ願いたい。神奈川県で進めている「水源の森林づくり」施策はあくまでも「水源の森林づくり」が目的であるので、山林の育成、経営に重きを置いていない。山林材の活用の促進(地産地消)や既存森林の活用がされないので、戦後の国施策によって山林育成した山林所有者が経営不安から山林管理から手を引いているのが現状です。
木材(間伐材含む)の県内消費を含めた利用促進を行政が取り組むことを望みます。
(主な対応所属:森林課)
神奈川の森林を保全・再生していくために、県では、水源の森林づくりによる私有林の公的管理・支援と併せて、木材利用が可能な森林については、県産木材の有効活用による持続的な森林管理を進めることとし、県の総合計画である「神奈川力構想・実施計画」戦略プロジェクト6構成事業4「県産木材の有効活用の促進」に位置づけ、重点的・優先的に取り組んでいます。
具体的には、間伐材の搬出支援、県産木材の新たな用途開拓、県産材を使用した公共木造施設整備の支援、住宅への利用促進、普及啓発イベントの開催など、生産・加工・消費にわたる総合的な取り組みを展開しています。
66.林業家として経済的に自立できる林業環境をつくるべきだ。日本の林業施策への提言は。
(主な対応所属:森林課)
神奈川県では、かながわ森林再生50年構想を掲げ、県内の森林を地域特性に応じて区分し、区分毎に目指す森林の姿を設定して、森林再生に取り組んでいます。
この中で、林道から概ね200mの人工林を「森林資源を循環利用するゾーン」として、持続的な人工林経営を目指すこととし、森林所有者に対する森林整備や間伐材の搬出等への支援に取り組んでいます。
67.基本の林道拡幅に着手せよ。高性能林業機械稼動ができない。立方メートル5千円で可能であることを認識されたい。
(主な対応所属:森林課)
県が管理する林道は最低でも幅員が3mあり、高性能林業機械の活用には支障がないと考えておりますが、今後、さらに林道の利便性を高めていくために、林道の要所要所に作業ヤードを設置したり、作業道等の路網整備と合わせて林道との接続路を設置していきます。
68.【間伐材について】
現在、温暖化問題に合わせ間伐材の活用率が上がっています(約50%)。2009年では70%引き上げると言われていますが、現時点で、こうした点は余り向上しているとは言えないと感じている。間伐から合板して、外産より国産に見直してから需要が増えてきているようです。県もこうした流れに乗っていくようお願いしたい。
(主な対応所属:森林課)
県では、間伐材の有効活用を図るため、搬出に対する支援などを行うほか、柱材や板材には不向きで、利用されてこなかった曲がりや節の多い低質な材を合板等の原料として活用していくための取組を行っております。
そうした取組を通じ、通常は鉄骨等を用いる大規模施設の構造材に、低質材を使用して加工された、LVLや集成材という加工木材を使用した施設が建設されてきております。(県自然環境保全センター、秦野市表丹沢野外活動センター)
また、全国初の試みとして、県産材を使用したヒノキ合板の実用化にも取り組み、現在、内装材などとして利用が図られているところであり、今後も低質材の利用に向け取り組んでまいります。
69.【間伐材等の利用について】
長野県前知事(田中氏)は年間数回塩尻市にある林業センター(県分庁舎。長野県産材木で建築されている)で幹部会議を行っていた。県幹部が木の大切さを考える良い機会である。また、施策の中で、木造の素晴らしい小学校校舎、そして山間部にある周囲にマッチした木造ガードレール等行政が率先して出来る公共事業があると思われます。
神奈川県もこのように公の校舎等を木造にする計画はありますか。事業として成り立つためには、まず行政から行う必要があると思われます。
(主な対応所属:森林課)
本県では、県産木材の利用を促進するため、かながわ木づかい運動を展開しています。
県においても率先して県産木材を使おうと、平成17年に「公共施設の木造・木質化に関する指針」を策定するとともに、県庁本庁舎の腰壁や、新庁舎の庁舎案内板、分庁舎の食堂の壁、さらには、室内の班名板や机上の職名板などにも県産材を使用しています。また、公共工事等においても、木製ガードレールや木柵など県産木材の活用を進めているところです。
さらに21年6月にオープンした県自然環境保全センター新築等にも、県産木材を使用しています。
このほか、市町村や学校、幼稚園等の教育機関において、施設建設や内装に県産木材を使用する場合に、経費の一部を助成する取組みも進めております。
70.【県産材振興の視点より】
県産材を使用した住宅建築に対して、環境税を財源とした補助をすることは可能ですか?
(主な対応所属:緑政課)
水源環境保全税を財源として活用する事業については、県議会における論議を踏まえ、「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に掲載されている12の特別対策事業に限られております。この12の特別対策事業の中には、県産材を使用した住宅建築への補助は位置づけられておりませんので、現行では水源環境保全税を財源として活用することはできないことになっております。
しかし、この12の特別対策事業の中には、間伐材の集材・搬出に要する経費に対する助成事業が位置づいておりますので、同事業により、水源環境保全税を活用した県産材の振興を図っているところです。
71.マイ箸ブームの中での間伐材利用のストラテジー(戦略)は?
(主な対応所属:森林課)
本県では、間伐材を割り箸や箸に加工する業者はなく、割り箸・箸の需要は本県の県産材活用対策には盛り込んでいませんので、影響はないと考えています。
なお、本県では、間伐材を中心とした県産木材の利用を促進するため、かながわ木づかい運動を展開しています。
まず、県において率先して県産木材を使うため、平成17年に「公共施設の木造・木質化に関する指針」を策定するとともに、県庁本庁舎の腰壁や、新庁舎の庁舎案内板、分庁舎の食堂の壁、さらには、室内の班名板や机上の職名板などにも県産材を使用しています。
また、公共工事等においても、木製ガードレールや木柵など県産木材の活用を進めているところです。
さらに21年6月にオープンした県自然環境保全センター新築等にも、県産木材を使用しています。
このほか、市町村や学校、幼稚園等の教育機関において、施設建設や内装に県産木材を使用する場合に、経費の一部を助成する取組みも進めております。
72.現在、桂川・相模川流域の5つの森林組合(富士北麓・南都留・北都留・大月・津久井郡)が連携して、間伐材を活用したパルプ化・リグニン化プロジェクトを進めております。日本初・世界初の、「森林革命」と関係者が驚くプロジェクトです。
知事が言われた広域連携のモデルだと思いますが、県をはじめ関係者は大至急情報収集に努めていただき、全力で応援すべきだと思う。
(主な対応所属:森林課)
森林の保全・再生を継続して進めていくためには、森林の手入れによって生じた間伐材等を有効活用することで、次の森林の手入れにつなげていくといった、森林循環の仕組みを構築していくことが重要であると考えます。
そのためには、出来るだけ多くの間伐材を有効活用していくことと併せ、間伐材の取引が、経済原理にのっとり、有価として採算が取れるものであることが重要となってきます。
このようなプロジェクトを含め、新たな間伐材の活用については、そうした視点を踏まえ、その実現性を見定めながら、検討してまいりたいと考えています。
73.【税金を使った森林で再生された木材の扱いはどうしているのか】
特に私有林を整備する場合、拡大造林でいい思いをした山主に対して、またしても税金を投入する。仕様がないなで終わらせないで、残った木材にはその販売権等を公有化する配慮が必要と思う。木材価格が上がったら、山主は売り惜しみをして、また昔のように価格アップが予想される。
30~40年整備をしていない山主は、山の保有資格がない。公有林化すべきとも考えます。
(主な対応所属:森林課)
戦後、木材生産を主眼とした森林の整備が進められてきましたが、木材価格の低迷等に伴う林業不振により、市場経済だけに依存していては、適切な森林の保全・管理は困難となっており、そのまま放置すれば水源かん養や土砂災害防止など森林の持つ公益的機能が損なわれていくとの認識から、本県では私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業を開始しました。
この事業では4つの手法により森林所有者と県が契約等を結び、森林の整備を進めていますが、それぞれ立木の扱いは次のとおりです。
協力協約・・・森林所有者自らが行う森林整備に対して補助などの支援を行う。立木の権利は所有者にあります。
水源分収林・・・県と所有者が、将来伐採して得た収入を一定の割合で分け合う「分収契約」を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。
水源協定林・・・県と所有者が、土地の賃借契約を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。人工林として経営を続けることが困難な森林については、混交林化を進めていきます。立木の権利は所有者にあります。
買取・・・立木だけ買い取る「立木買取」と土地ごと買い取る「森林買取」があります。いずれも立木の権利は県にあります。
森林買取については、多額の買収費用や永続的な維持管理費用が大きな財政負担となることから、直接、水質に影響するダム湖周辺など、県が永続的に管理する必要がある重要な森林に限定しています。
74.多量な税金を私有林に投入するわけだから、残った木材についての権利を公的なものとすべきと思う。木材価格が上がったら(=外国からのものが入らなくなったら)山主は売りしぶりをする!これに事前に手を打つ必要がある。さらに水源林は個人所有から公的所有にしていくべきと思う。
(主な対応所属:森林課)
戦後、木材生産を主眼とした森林の整備が進められてきましたが、木材価格の低迷等に伴う林業不振により、市場経済だけに依存していては、適切な森林の保全・管理は困難となっており、そのまま放置すれば水源かん養や土砂災害防止など森林の持つ公益的機能が損なわれていくとの認識から、本県では私有林の公的管理・支援を行う水源の森林づくり事業を開始しました。
この事業では4つの手法により森林所有者と県が契約等を結び、森林の整備を進めていますが、それぞれ立木の扱いは次のとおりです。
協力協約・・・森林所有者自らが行う森林整備に対して補助などの支援を行う。立木の権利は所有者にあります。
水源分収林・・・県と所有者が、将来伐採して得た収入を一定の割合で分け合う「分収契約」を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。
水源協定林・・・県と所有者が、土地の賃借契約を結び、県が所有者に代わって森林整備を行います。人工林として経営を続けることが困難な森林については、混交林化を進めていきます。立木の権利は所有者にあります。
買取・・・立木だけ買い取る「立木買取」と土地ごと買い取る「森林買取」があります。いずれも立木の権利は県にあります。
森林買取については、多額の買収費用や永続的な維持管理費用が大きな財政負担となることから、直接、水質に影響するダム湖周辺など、県が永続的に管理する必要がある重要な森林に限定しています。
75.【第2期計画に向けて】
多くの県で「水と緑…、森林再生…」としているが、森林の本来の機能を重視した価値観で取り組むことを、次期のテーマとして提案したい。それには、森林を「環境」という視点から見直して、林業や水源だけでない、もっと大きな価値を生むことをクローズアップすべきと考えます。
「水と緑と~」に「空気」を加えては。環境という視点から、新しい取り組みが可能と思う。都市住民への働きかけも有利になる、と思うから。将来は森林の個人所有すらも見直すべきと考えます。
(主な対応所属:緑政課)
県では、平成19年度以降の20年間における水源環境保全・再生の将来展望と施策の基本的方向について、「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」として取りまとめております。大綱では、今後の森林づくりの方向性として、水源かん養機能はもちろん、環境的な価値や保健・文化・教育的価値など、森林の多彩な価値を地域特性に応じて高める森林づくりを目指すことを示しております。
76.【都市近郊の森林地域の果たすべき課題】
自殺者の増加、高齢化対策として都市住民の最高の生活を追求し、実践する場をつくることが必要ではないか。
(主な対応所属:緑政課、森林課)
森林は心身をリフレッシュさせる効果があるとされ、ハイキングやキャンプ、最近では森林浴や森林セラピー等様々に利用されています。
「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」では、市町村が主体となり、比較的標高の低い地域の森林を整備する「地域水源林整備事業」を位置づけております。現在各市町村では、水源環境保全税を財源に同事業を推進しており、その中で都市近郊の森林の整備にも取り組んでいるところです。
ご意見の内容そのものを目的とした施設等ではありませんが、森林とのふれあいや、森林への理解を深めていただくため、「県立21世紀の森」(南足柄市)や「札掛森の家」、県内5箇所に「県民の森」などを設置しておりますので、ぜひご利用ください。詳しくは下記の県ホームページでご確認ください。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/xp8/shinrintonohureaishisetu.html
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第7回横浜・川崎地域
77.林業従事者の労働災害事故(転落、滑落、下敷き)は後を絶たないが、ボランティア従事者が事故にあった際には、充分な補償は得られるのだろうか。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
県が行う森林づくりボランティア活動は、個々の団体によりボランティア保険へ加入した上で活動しています。なお、間伐等の森林作業はご承知の通り非常に危険を伴いますので、作業を行う森林は、傾斜が緩く、間伐は手ノコで切れる木を選定すると共に、森林インストラクター等の指導者のもとで行うこととしています。
また、市民事業支援活動補助金では、ボランティア保険料について補助の対象としています。
78.ボランティアによる活動について、楽しくとか、なだらかに、緩やかに、とか表現していた。それはそれで良いが、
(1)森林整備手法にも新技術、新方法が開発されている。それもとり入れたらどうか
(1)皮むき間伐とかの新技術
(2)WEBGISとかの森林調査方法
(2)活動の「アウトプット=成果」を「見える形=データ化・数量表示」としても知ることができれば、「達成感」が現実的になる。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
(1)
(1)「皮むき間伐」とは幹の周囲の樹皮を1周むくことで、水分や栄養分を幹や枝に送らないようにして、木を枯らす方法の一つです。
この方法では立ち枯れの状態になり、枯枝が何時、落ちるか、幹が何時、倒れるかわからず、危険な状態が継続することになります。そのため、通常の間伐の手法としては取り入れていません。
(2)全地球地図情報システム(GIS)を活用した森林調査方法に関する提案ですが、県では、現在、地域森林計画の策定や運用に活用しております。今後はより多くのデータの収集、蓄積をすることで制度が高く、活用しやすいシステムとしていくこととしています。
なお、丹沢大山保全活動では「丹沢自然環境情報ステーションe-tanzawa」というGISシステムを活用しいています。自然環境保全センターのホームページで公開していますので確認してみてください。
(2)水源の森林づくり事業の目的は、荒廃した森林を整備し、森林が持つ水源かん養等の公益的機能を高め、良質な水を安定的に確保することとしています。
この目的を達成するためには、長い年月を要するため、県では、水源林の整備を行った流域での水質や水量の変化等を継続的な調査を実施しています。このように、短期間でのデーター化、数量化は困難なことから、単年度ごとには、毎年度、確保や整備した森林面積を公表しているところです。
79.本来は、林業がビジネスとして成り立つことが望ましいのではないでしょうか。現状では市民活動に依存せざるをえないと思いますが、林業のビジネスとしての再生のビジョンがあれば、なおよいと思いました。
(主な対応所属:森林再生課)
現在の状況では、林業が国や県等の支援なしに産業として自立するのは困難ですが、将来的に持続可能な人工林経営の確立に向け、林業事業体の経営基盤の強化や生産性向上等の取組に支援してまいります。
80.間伐材、国産材の需要が増える様、制度の整備を願います。
(主な対応所属:かながわ農林水産ブランド戦略課)
県では森林整備によって発生する間伐材を有効利用するため、平成17年度から県産木材活用総合対策事業を実施し、生産・加工・消費が一体となった制度の整備を行っています。
具体的には間伐材搬出経費への補助や製材加工施設への支援、県産木材を使用した公共施設整備への補助、普及啓発イベントの開催などを通じて間伐材の需要拡大を図っています。
81.(パネリスト平石氏への質問)
【竹林整備の地域の選定】
中井町、愛川町は神奈川県としての水源地に相応しいのでしょうか。
ここのフォーラムの目的に合致していない。
桂川地域の竹林を対象として活動することは考えるべきではないでしょうか?
もちろん、竹林整備が大切であると考えます。
(主な対応所属:パネリスト平石氏)
中井町は地下水を水道水として利用しています。私どもが整備している竹林は、水がわき出て川に流れている一番突端のところです。竹林の整備を通じて、地下水の浄化に役立っていると考えています。
また、愛川町の整備箇所は堤防林です。かつて手入れをしていなかったときは、大雨が降るたびに土が洗い流されて、岩石がむき出しになっていました。間伐によりいろいろな植生が出てきていますので、大雨のときの土砂の流出防止に役立っていると考えています。
82.・東京都在住なので、貴県の水資源について実感がわかないのだが、水資源保全は大切な活動だと思う。
日本の森林を水を得るために外国企業が買収を計画していると聞いたことがある。この面は日本の大事な資源なので他国に権利が渡らないことを願います。
(主な対応所属:水源環境保全課)
「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」に基づき、水が自然の中を循環する中で発揮される水源かん養機能や水質浄化機能などの水循環機能を保全し高めるための施策や、水源環境への負荷軽減を推進することによって、水源環境を良好な状態に保ち、将来にわたり県民が必要とする良質な水の安定的な確保に努めます。
83.水源環境保全活動ということですが、大きな意味では、健康な森というのは、動物達の生々とした生活も必要なのではと思います。
森林作りに、広葉樹や実の成る木をもっと沢山植林をして、かたよった森林づくりにならないようにして欲しいと思います。
(主な対応所属:森林再生課)
森林再生50年構想では、神奈川県の森林を4つのゾーンに区分し、「広葉樹林の再生」や「人工林から混交林への転換」、「人工林の再生」など、その区分ごとの特性に応じた森林づくりを進めていくこととしています。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
水源の森林づくりを進めるためには、県民企業団体の方々の理解と協力が欠かせません。
企業・団体との協働による森林づくり活動として、「森林再生パートナー制度」を進めています。現在、9社の企業・団体の方々の参加を得て、寄附と森林づくりボランティアによる協力を得て、森林再生を進めています。今後も、かながわ森林再生50年構想に賛同する多くの企業の方々と協働して進めるよう取組んでいきます。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
森林は、標高、地形、地質、気象、動物の生息状況など様々な要素から成り立っています。そのため、森林の整備にあたっても、現地調査を実施して、現地に則した整備となるよう日ごろから心掛けています。
86.【平成19・20年度事業実績のうち14ページ 5.地域水源林整備の支援(2)について】
予算執行状況の大幅超過の要因として「森林所有者の自主整備への市町村補助方式」から「市町村が自ら森林を整備する方式」を採用する市町村が多くなった為に事業費が大幅に増えたとあるが
質問1.当初想定していた方式ではなく、市町村が自ら整備する方式に選択が増えたのはナゼか?やむを得ないのか?
質問2.方式が想定外に片寄るとナゼ支援額が増えるのか。
質問3.今後の予算修正はあるか?
(主な対応所属:水源環境保全課)
回答1
地域水源林整備事業は、20年間所有者から森林を借りて市町村が整備を行う協定方式又は森林所有者自らが整備する協約方式(補助金)により森林を確保・整備する事業です。当初、県では、市町村としては実行5か年計画期間を超える税財源の確実な担保が無いことから、ほとんどの確保手法は協約方式を活用するものと想定していました。
ところが事業を開始したところ、森林所有者の意向もあり市町村が整備する協定方式が主流となっています。
回答2
協約方式は、標準的な整備経費の概ね10分の8を所有者へ補助する仕組となっています。一方、協定方式は市町村が全整備経費を負担することとなるため、県から市町村への支援額が増加することになっています。
回答3
議会や県民の意見をいただきながら第2期実行5か年計画に向けて検討していきます。
87.やってみたい人・特に団塊世代の男性の力を結集できると力強い。
森林塾のPRをもっと多く行い、マンパワー作りにつなげて下さい。
(主な対応所属:森林再生課)
林業事業体の多くが定年制度を設けていることから、平成22年度には、就業希望者を対象とする森林体験コースの募集対象を54才以下とさせていただきました。
また、広報は県のたより、ホームページのほか、5月12日には森林塾の説明会を開催し、64人の方が来場されました。今後のPRにつきましては、ご意見を参考にさせていただきます。
88.(パネリスト武川氏への質問)
【森林整備に必要なマンパワーを増やすには】
人手が足りないと聞いています。
プロの林業家、セミプロの森林インストラクターやNPO法人、気持はあるが実作業に参画出来てない一般の人々これらのグループがどんなかかわり方が出来ると必要なエリアに技術・技能のある十分なマンパワーが確保できるでしょうか?
武川さんのキャリア、実体験を通じて思っていらっしゃることを教えてください。
(主な対応所属:パネリスト武川氏)
ボランティア活動には、一つ一つに達成感が必要だと思います。同時に、人から評価されることも重要なインセンティブと思います。
業務として請け負って行う作業ならば、誰も褒めてくれなくても当然であり、達成感は、賃金をより多く貰うこととなります。しかし、ボランティア活動においては、無償ですので、目に見える達成感、他者からの評価が重要な要素となります。これらが、活動の継続、新しい人々の参加のきっかけとなっていくと考えています。
プロの林業家は、基本的に素人の参入を認めません。なぜならどんな職業でも同じですが、プロと素人では、取り組む立場が全く違います。はじめにその立場の違いを素人は認識しなければなりません。森林整備作業は、本来プロが業務として行うものです。素人の参入を許さない厳しいものがあります。しかし、現状では、あたかも素人がプロと一緒になって森林整備を行っているように見えます。素人がプロを目指しより近づくというわけでは在りません。素人はあくまで素人として森の作業をやっているという立場を理解した上で森に関わって行くことが肝要と思います。そこから、素人の森林作業が始まると考えています。
89.一度破壊された自然(環境)はなかなか元には戻らない。荒廃する前に保護・保全すべき。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
県では、手入れ不足により荒廃した私有林を整備して、水源かん養等、森林の持つ公益的機能が高い森林とするため、平成9年度から水源の森林づくり事業をスタートさせ、平成19年度からは、水源環境保全再生施策により、さらに加速化させて取組みを進めております。
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第8回湘南・県央地域
90.(パネリスト川又氏への質問)
【森林・山地整備の技術、技能の確保・伝承について】
森林・山地整備でも、特に中標高地の保全には高度な技術が必要と思われます。その技術を持っておられる方々について
(1)現状の技術者数は?→川又先生、385人?OKでしょうか
(2)今後の確保の見通し、将来展望方策について
(3)都市、地域を総合した視点に立脚した考え方の必要性
(主な対応所属:パネリスト川又氏)
森林整備を伐採から造林、保育まで整備できる技能者は少ないです。このほか環境財として生態系に基づいた動植物の管理ができる技術者はもっと少ないです。安ければ応札できる今の森林整備の入札制度は一面的です。森林整備は地域性の高い仕事ですが、森林の恵みを享受するには都市部と地域が協力しなければ不可能です。幸い神奈川県では昨年度から森林塾を創設し担い手の養成に乗り出しており心強く思います。
91.【森林整備への人力投入は?】
広大な対象林にどう対処するか?
ボランティアでは無理でしょう。
(主な対応所属:森林再生課)
森林整備の担い手の主力は、森林組合や林業会社等の林業のプロの方々と考えています。
県民ボランティアの方には、比較的安全な箇所、容易な作業に限定してご協力をいただいております。
92.(パネリスト川又氏・行政関係者への質問)
【かながわ森林塾について】
予算をもっと減らすにはどうすれば良いのかもっと具体的に教えて下さい。
(主な対応所属:パネリスト川又氏、森林再生課)
(川又氏)
森林塾にはもっとお金をかけるべきと思っています。量と質を確保し高い技術者を養成するにはお金が掛かります。一方費用対効果は追求すべき課題で、企業内研修等も取り入れたら如何でしょうか。
(森林再生課)
かながわ森林塾推進事業については、今後の森林整備や木材生産の事業量や事業内容を詳細に検討し、必要最小限の労働力の量的・質的確保を行うこととしております。
また、効果的・効率的な運営に努めておりますので、御理解をお願いします。
93.森の手入れで生活が出来るような経済的な対策が無ければ森林整備の担い手は育たない。少なくとも、家族を生活させられる収入を得られるよう準公務員のような制度を創設すべきと思う。
(主な対応所属:森林再生課)
森林整備の仕事は、現場条件が厳しく危険であることに加え、林業作業の季節による偏り(枝打ちは秋・冬にしかできない、木材利用のための伐木は冬が適期など)に起因する低年収(年間就労日数が少ない)、不安定な雇用形態(日給制、出来高払いなど)など、非常に厳しいものがあります。
そこで、県では、路網整備や高性能林業機械の導入、施業団地化の促進等により、労働強度の軽減を図りつつ、生産性の向上を図るための取組を進めています。また、県が発注する森林整備業務については、従来、夏以降に発注することがほとんどであったものを、作業の内容を見極めた上で、可能な限り春先の発注を増やすよう努め、林業作業の季節による偏りの解消に努めています。
このような取組により森林組合や林業会社など林業事業体の収益向上や経営安定化を図り、林業労働者が安心して働ける環境作りや収入増につなげていきたいと考えています。
94.水源地域から遠いところに住んでいる人に担い手になってもらうのは難しいと思うので、水源地域の学校等で地域の特色を生かした教育を重点的に行い、その中から担い手が出てくるようにしていくべきと考えます。
(主な対応所属:教育局)
参考にさせていただきます。
95.(パネリスト川又氏への質問)
【間伐の進み方が早いのでは?】
荒れていた森が間伐され、明るくなってきていることは評価できるが、進み方が早いような気がする。生態系のこと、土壌流出のこと、人を育てることなど総合的に見て、どうでしょうか。
(主な対応所属:パネリスト川又氏)
丹沢の課題は、ブナの枯死、ニホンジカの異常繁殖、人工林の荒廃、担い手不足です。人工林の荒廃度は6割を超えていて、森林整備の進行状況は遅い位です。丹沢では年間0.9mmくらいの土壌侵食が進んでいて、早急に手を打たなければ再生不可能となりつつあります。
96.今回のフォーラムに出席して、税金を取る側が、何も現場の(今回のパネリストの様な方々)声を聞いていないように思った。
水源保全に必要な丹沢の再生についての正しい税金の使い方に不安を持ちました。今のやり方だったら、こんなに沢山の税金は必要ではないと思われます。
(主な対応所属:水源環境保全課)
水源環境保全・再生の取組を支える県民の意志を施策に反映し、施策の計画や事業の実施等に県民が直接参加する仕組みとして、有識者、関係団体、公募委員から構成される「水源環境保全・再生かながわ県民会議」を設置しています。
また、県民意見の集約、県民への情報提供を目的として、県民フォーラムを開催しています。
97.(コーディネーター木平氏・パネリスト川又氏への質問)
行政が森林整備をする際、むやみに木を伐っているだけのような気がする。
行政は学んでほしいし、行政を指導するマニュアルのようなものを作ってほしい。
(主な対応所属:コーディネーター木平氏、パネリスト川又氏)
(木平氏)
「森林を整備する」には、(1)現況を調べ、(2)将来の目標(どのような姿の森)を決め、(3)そのために必要な作業を考えます。この順序をよく考えて計画し、県民に判りやすく説明する必要があります。ご指摘のような印象を持つ方があることは、計画の内容か説明かに不十分な点があるからでしょう。
現在の県の整備の方法について、天然林の間伐や、人工林の下層かん木の保存について細心の注意が必要であるとの指摘があるのは事実です。そこで、水源涵養機能の高い森林を作るための「整備」について試行錯誤しながら、現場では努力が続けられています。
(川又氏)
森林整備を推進するために科学的知見に基づいた森林整備を行っており、むやみに木を伐ってはおりません。現場に来て頂ければよくわかると思います。どのように整備しているか一度見ていただきたいと思います。
98.(パネリスト川手氏への質問)
【正しい間伐法について】
無駄な間伐がかえってシカを増やすことに繋がると今日初めて知りました。正しい間伐法を研究していただいて是非行政の人を指導して下さい。行政の人は所有者を自信を持って説得し手入れしてほしいです。
清川村在住ですがなんでもかまわず丸坊主にしてしまう山を見ているととても不安です。クマタカにとって大切な時期に。
(主な対応所属:パネリスト川手氏)
最初にお断りしておきますが、私は間伐方法を研究する立場にはありません。林業の専門家でもありません。
手入れしていない人工林の間伐等の施業については積極的にやっていただきたいと考えています。そのことで生物が住みやすくなる森林が再生されると考えています。しかし落葉広葉樹林(二次林や自然林)については、手入れをすることがその森林の生態系に影響を与えてしまうでしょう。常緑樹林ではないので受光伐という考え方はおかしいと思っています。冬季には落葉し、春に葉が広がる前に野草や低木は花を咲かせ、葉を広げます。わざわざ伐採しなくても自然に任せていればいいわけです。地面に光を届かせようとするという受光伐は必要ありません。森林が明るくなりすぎると下草が繁茂し、シカの餌を増やしてしまいます。ここにも問題点があります。
この落葉広葉樹林における受光伐が水源の森づくりにつながっている科学的検証がなされていません。ぜひ検証していただきたいと考えています。
99.【市町村による森林の伐採について】
川手先生の発表された市町村による民有地森林の伐採はなぜ起こったのでしょうか?
森林の伐採は事業の目的と異なると思うのですが・・・市町村が実施する事業のチェック機能は無いのでしょうか?市町村への助成金の実施状況を教えて下さい。またこの様な事がおこらないためにはどの様な制度が必要でしょうか?
(主な対応所属:水源環境保全課)
地域水源林整備事業は、地域における水源保全を目的に、市町村が主体的に取組む水源林の確保・整備を進める事業として平成19年度からスタートしました。
紹介された森林について市町村へ確認したところ
(1)根こそぎ倒れていた木もあり、土砂の流出の懸念があった。
(2)大径木からなる森林で、扱いに困っていた所有者の意向があった。
(3)大径木であるため、伐採しても萌芽更新されない可能性が高い。
などから、大径木を伐採し、広葉樹を植栽して森林の再生を図ることを目的として整備したと伺っています。
しかしながら、市町村の森林整備の技術力の不足や、体制的も整っていないなどから直ぐには主体的に取組むといっても難しいこともあり、これまでに人的、技術的支援に関する県への要望も提出されております。
このため県では、事業目的や森林整備技術に関する研修や技術指導、整備マニュアルの配布などを行ない、意思の疎通を図りながら市町村の技術レベルの向上に努めています。
また、実行5か年計画に位置付けられている12の特別対策事業について、県民会議の専門家で組織する施策調査専門委員会を中心に実施状況の点検・評価を行っていただいており、施策への反映に努めています。
地域水源林整備事業に関する市町村への交付実績は次のとおりです。
H19:371,400千円 H20:728,600千円 H21:717,300千円
100.(パネリスト羽澄氏への質問)
【シカ柵は有効に働いているか?】
尾根は
(1)動物たちの通り道
(2)鳥たちの通過道
柵は斜面に
柵の地面から30cm位はアナグマ、タヌキが通れるようにする
維持管理をする
(主な対応所属:パネリスト羽澄氏)
丹沢で実施されているのは植生保護柵ですから、場所の選定の優先順位は、守るべき植物群落のある場所ということになります。尾根か斜面かということで決められているわけではありません。
当然、他の動物の移動や環境利用を妨げるということが考えられるので配慮が必要です。空を飛べる鳥類は問題ないですが、中大型動物にとっては柵はじゃまな存在でしょう。丹沢の柵は一辺が数10m四方という小さいブロックになっていて、一部が壊れてシカが進入しても影響をできるだけ小さく抑えるようになっています。このことは、結果的に、他の動物の移動をできるだけ妨げないような配置になっています。
しかし、柵内の空間を他の動物が利用できるようにするには、シカが利用できないような構造の階段やはしごをかけておくようなことを検討するべきでしょう。柵の周囲を見ていくと、網に穴を開けて潜り込んだ場所が見つかります。中型動物か、イノシシやクマなどが強引に開けたようにも見えます。穴が大きくなっていくと、柵は壊れますし、場合によってはそうした穴からシカが出入りするかもしれません。それでは意味がないので、維持管理は重要なことです。
穴の開いた場所に自動撮影カメラを仕掛けて、通過する動物を確認して、それらの動物が柵内に出入りできるような工夫につなげるとよいと思います。ただ、地上高30cmもの空間をあけてしまうと、シカも強引に潜り込むことになりますから、うまくありません。
植生保護柵は、生物多様性全体の保全のために必要であるから実施していることです。シカの影響が抑制できれば開放していくことができます。その意味で、柵は生物多様性を護るための緊急避難的措置として大事なことです。
101.【水源林管理の径路は必要か?】
水源協定林の径路作りによる水源林の破壊を行っている。
維持管理の無い路や柵は税金の無駄遣い。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
径路は、森林の整備や管理を安全に実施するために必要な作業用の歩道です。径路の設置に当たっては、水源林の崩壊を招かぬよう、幅は80cmと最小限の規格とし、適切な維持管理に努めています。
また、丸太柵については、雨水を分散させ、土砂の流出を防止・軽減させるための施設であり、水源の森林づくりに必要な施設であると考えています。
102.清川村の土山峠湖の法面が最近丸坊主にされました。このまま湖に沿って全部切るのでしょうか?湖の安全の為?コンクリートで固めるのと雑木林のままとどっちが安全なのでしょう。広葉樹の間伐についてはよく分からないのならどんどん切るのは止めてほしい。切ったら戻らないよね。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全センター)
ご指摘の法面の具体的な場所は不明ですが、水源の森林づくり事業で確保した森林ではないものと思われます。森林には全て所有者がおり、水源のエリア内の森林であっても、所有者の意向や道路、湖の管理者の判断により、コンクリート構造物で安全確保を図ることもあります。
なお、広葉樹の整備については、シカの採食による土壌流出や、光環境の改善の必要性など、森林荒廃の原因を十分検討しながら今後も慎重に対応していきます。
103.森林の保全・再生策は、シカ対策等を含めて「目に見える」けれども、大気汚染は効果の検証を含めて、手を出しにくい。
アオコは目に見えるが、アオコ発生のなぜも同じで、対応を広げにくいのが難点である。しかし、環境保全に関しては、「疑わしきは罰する」をベースに様々な方向から取り組んでほしいと思う。大事な税金ではあるが、平常予算では対応しにくい「調査・研究」にも力を入れていただきたい。
また、荒れた人工放置林の場合は、大幅間伐で広葉樹を植えるか、または皆伐して広葉樹林に切り替える方法を思い切って進めて、丹沢山地全体を広葉樹主体の山にできたらいいのにと思う。
(主な対応所属:水源環境保全課)
現行の5か年計画では、水源環境への負荷軽減(生活排水対策)として、県内ダム集水域における生活排水処理率の向上をめざして、市町村が実施する公共下水道や合併処理浄化槽(高度処理型)の整備を支援しています。
また、事業実施と並行して、河川のモニタリング調査(動植物等調査)などを実施し、事業の実施効果を測定していきます。
水源の森林づくり事業で進める人工林の間伐は、土地本来の広葉樹が自然に生えてくる条件を整えることで、スギ・ヒノキと広葉樹が混生する森林とすることを目指しています。多様な樹種で構成されることにより、様々な深さに張り廻らされる根が、土壌の流出を防ぎます。
ただし、急傾斜地で土壌の流出が激しい個所や、周囲が人工林ばかりで広葉樹の種子の飛来が期待できない場合は、広葉樹の苗木の植栽も検討していきます。
なお、手入れ不足などの荒廃森林において一度に大幅な間伐を実施すると、大風や雪害などの災害に弱い森林となってしまうため、少しずつ間伐を進めていくこととしています。
104.・市町村の助成金による事業の実施について新しいチェック機能を作った方がよいのではないでしょうか?現状のチェック体制では問題が生じているわけですし。
広葉樹の森を切らないという考えを、水源環境保全の「基本理念」としてほしい。
整備の優先度を検証するためにも、生態系も含めた調査を行う必要がある。
(主な対応所属:水源環境保全課)
地域水源林整備事業は、市町村が主体的に取り組む事業として平成19年度からスタートしています。毎年度の事業は、事業計画書を県へ提出し、内容を確認した後、整備を実施し、完了後は、県へ実績報告書が提出されます。
市町村が主体的に取組みながら、地域の水源保全を進めるという性格を有した事業であるため、市町村担当者の森林に関する技術レベルの向上を図ることが、問題を解決する上で最も必要であると考えています。
そのため、今年度から技術研修会や講習会を実施し市町村担当者のレベルの向上を図っていくこととしています。
なお、水源の森林づくり事業及び地域水源林整備事業は、荒廃した水源林を整備し、水源かん養等公益的機能の高い森林とすることで、良質な水を安定的に確保することを目指しています。
そのため、荒廃した広葉樹についても荒廃状況に応じて整備することとしているため、「広葉樹を伐らない」ことを基本理念とすることは困難です。
水源の森林づくり事業の効果の検証手法については、議会や県民の皆様方からのご意見をいただきながら、生態系調査なども含めて第2期実行5か年計画に向けて検討していきます。
105.・清川村に住んでいるのですが、蛭の存在が大きいせいか根こそぎ伐採、なめるように下草を刈るという状況です。
植林された杉、ヒノキが手入れをされていないと全く無価値だというのが勿体ないと思います。川又さんのお話は、全く同感です。燃料にしたり、建築に使ったりが出来るといいと思います。
(主な対応所属:水源環境保全課、かながわ農林水産ブランド戦略課)
森林の管理により生じる間伐材を有効活用し、資金を森林所有者に還元することで、さらなる森の手入れにつなげていく「森林循環」の仕組みを構築するため、平成17年度から生産・加工・消費が一体となった「県産木材活用総合対策」を進めており、その中で公共建築物等の整備や県産木材住宅建設工務店への支援を行っています。間伐材の消費が進み、よって森林の手入れが促進されることで人工林の価値が高まるという好循環を生み出すべく取組んでいます。
106.(パネリスト川又氏への質問)
【サルナシのツルを残して】
サルナシ、アケビ、ツルウメモドキなどツル植物もクマやタヌキ、鳥の食べ物です。辺室山周辺などではこれらが完全に切られています。これらを程よく残しておくことは熊を山にいてもらう大事なことだと思うのですが。
(主な対応所属:パネリスト川又氏)
水源林の整備指針で、動物の餌になるツル性の植物を選択的に残すべきだという意見に賛成します。今までも実のなる植物は残すようにしていますが、今後は生物の多様性の上からも明確にするべきだと思います。
107.群馬県では、森林整備や間伐材、枝、根を利用する動きが始まった。神奈川県でも是非残置にせず、搬出、利用するよう考えて下さい。材を使わぬ手はありません。
(主な対応所属:かながわ農林水産ブランド戦略課)
県では森林整備により発生する間伐材を有効利用するため搬出の支援、製材品加工への支援、需要拡大や普及啓発といった消費対策を行うほか、製材品には不向きな虫害材を合板に加工するなどの取組をしています。また、22年度より搬出が低調なスギA材以下、ヒノキB材以下の材の搬出促進及び有効活用の取組みを始めたところです。今後も少しでも多くの間伐材を利用するべく取組を進めてまいります。
108.(コーディネーター木平氏への質問)
【天然林の荒廃について】
なぜ天然林の土壌が流出してしまうのでしょうか。
(主な対応所属:コーディネーター木平氏)
丹沢の場合は、シカがササや下草や灌木を食べてしまい、地面の土がむき出しになり、強い降雨や木から落ちる雨滴により土壌が流されます。その他に、大規模な伐採により広い裸地ができるとき、林道工事や大型機械の集材作業により表土がかき回されるとき、土砂崩れが起こるとき、あるいは、地震による山崩れが起こるときに表流水により土壌が流されます。このような撹乱がなければ,天然林は落葉により土をつくり,豊かにする機能があるので「荒廃」はしません。天然林を人為的に撹乱することは禁物です。
109.(パネリスト川又氏への質問)
川又氏の話は、実際的で良かった。森と生き物と共生の大切さが重要
(主な対応所属:パネリスト川又氏)
拙い話ですが、日々現場で思うことが理解して頂き、とてもうれしく思います。
110.1.再生施策の事業実績の発表がありましたが、目標の設定の基準とは何か?荒廃の進行とバランスで現実的に何年毎にどの程度の改善の姿をイメージしているのか。
2.シカ対策の具体策について県の対応が見えない。
3.水源林の私有率の割合は。
(主な対応所属:水源環境保全課、自然環境保全課、自然環境保全センター)
1 水源の森林づくり事業の目標は、平成34年度までに水源の森林エリア内の手入れが必要な私有林2万7千haを確保し、水源かん養等森林の持つ公益的機能の高い「豊かで活力ある森林」とすることを目指しています。
平成19年度からの当面の5ヶ年間で6,215haを確保し、9,592haの整備を行うこととしています。
2 現在、ニホンジカ保護管理事業の一環として、森林整備とシカ保護管理の連携について、モデル的に取り組んでいます。モデル的取組の結果を踏まえ、森林整備個所でシカ個体数調整を実施する等シカ管理との一体的な取組を進めてまいります。
3 61,555haの水源の森林エリアのうち、国有林・県有林、市町村有林を除いた私有林は40,612haであり、約66%を占めています。水源の森林づくり事業は、この私有林の内、手入れが必要な27,000haを対象に確保・整備を行うこととしています。
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第9回県西地域
111.【水源の森林づくり事業について】
植栽しているのは針葉樹林か?広葉樹林でも良いのではないか。山林で金がもうかる、もうからないの話ではないと思うが・・・。広葉樹林(くぬぎ・なら)を使った資源循環型の生活ができればと思うがどうか(難しいとは思うが)。
(主な対応所属:水源環境保全課)
水源の森林づくり事業は、混交林、巨木林や複層林など将来の目指す森林の姿(目標林型)を数種類設定し、目標林型に向け森林を整備しています。そのうち、複層林(大きな木と小さな木の2段林)に仕立てていく箇所については、スギ・ヒノキの針葉樹を植えていくこととしています。また、混交林などに仕立てていく箇所では、その場所に自然に生えてくる木や草を大切に育てていくことを基本としていますが、一定の面積木が無い場所などには、資源循環を目的をとしたものではありませんが、クヌギやナラ類を含めた郷土に適した広葉樹の植栽を行っています。
112.【森林の整備】
自然林は整備する必要はないが人工林は整備する必要がある。人工林を自然林にもどすことは可能か?可能であれば、どのくらいの期間、費用がかかるのかお聞きしたいです。
(主な対応所属:水源環境保全課)
人工林を自然林(広葉樹林)に戻す(転換する)ことは可能であると考えられますが、非常に長い年月を要してしまいます。
水源の森林づくり事業を始めとする水源環境保全・再生施策での森林の整備は、良質で安定的な水を確保することを目的として水源かん養など公益的機能の高い森林を目指すものであり、また、水源環境の危機的な状況から、緊急かつ効率的・効果的に荒廃森林を解消していくことが必要であります。そのため、人工林については、自然林に戻すのではなく、下草の豊かな針葉樹と広葉樹の交じった混交林などを将来の森林の目指す姿としており、自然林(広葉樹林)に転換していくメニューはないため、その期間や費用については試算しておらず不明です。
113.パネルディスカッションでも質問されていただきましたが、人工林を自然林に戻すことは可能か?どのくらい期間費用が必要か?
(主な対応所属:水源環境保全課)
人工林を自然林(広葉樹林)に戻す(転換する)ことは可能であると考えられますが、非常に長い年月を要してしまいます。
水源の森林づくり事業を始めとする水源環境保全・再生施策での森林の整備は、良質で安定的な水を確保することを目的として水源かん養など公益的機能の高い森林を目指すものであり、また、水源環境の危機的な状況から、緊急かつ効率的・効果的に荒廃森林を解消していくことが必要であります。そのため、人工林については、自然林に戻すのではなく、下草の豊かな針葉樹と広葉樹の交じった混交林などを将来の森林の目指す姿としており、自然林(広葉樹林)に転換していくメニューはないため、その期間や費用については試算しておらず不明です。
114.水源環境保全・再生に関して県民の方々に人工林の荒廃状況はわかりにくく、森林整備の現場をまわる事で雨が降ったあとの土壌流出や作業道の水によるかんぼつやシカの植圧による下草植生の後退などひどいもので下草植生がないことで土壌の乾燥も丹沢の問題だと考えてます。
今後も森林整備事業に水源環境保全税にさらなる拡充するべきだと、山が泣いてると実感してますので御協力をお願いします。
115.【森林関係事業について】
かながわ森林塾について、次期計画に位置付け、適切な目標設定とは、森林塾事業のみなおしを考えてとゆうことですか?
(主な対応所属:森林再生課)
現計画に位置付けられていないため、次期計画に位置付け、目標等を明確化するということです。
116.【森林塾と卒業生のケア】
持続的な人材の育成と供給を図る事は丹沢大山再生の重要な要因と考える。次期の水源環境税の利用計画に森林塾を適切に位置づける必要がある。又、育成した後の就業に際しても、雇用した事業体にも社会保険料の助成等の施策がなければ、雇用が進まないと考えられる。
(主な対応所属:森林再生課)
森林塾の就業前研修を終了した人に対しては、「かながわ林業就職面接会、相談会」による就業支援や、国が実施している「緑の雇用担い手対策事業」を活用した就業後の研修等を行い、事業体への雇用促進を図っています。
なお、社会保険料については、県発注業務において諸経費として計上しておりますので、さらなる助成はできません。
117.【森林塾 意見書P5 2-1の発言について】
実際に森林で働いていますが、2-1の森林関係事業について多くは非常に納得できる物でしたが、「事業体が主体的に運営すべき」の一言に関しては通常の雇用と変わらず、また事業体にその余裕がないため主体は県、参考意見の吸上げを事業体に促すという方が良いと感じるがどうでしょうか。
(主な対応所属:森林再生課)
森林塾については、現場等のニーズを取り入れながら、県で運営してまいります。
118.人材育成について
かながわ森林塾の具体的組織活動人数等はどの位いるのか知りたい。
119.【木質バイオマス利用の振興策は】
木質資源の有効利用として建築材としての活用や、搬出に伴う経費の助成で県産材の利用促進を図っているところですが、木質燃料としての活用は設定されていない。県西部における虫害材の有効利用には合板だけでは消化しきれない現状であろう。虫害材の更新は必要でありその活用には燃料として熱源・電力としての活用をするべきと考える。
(主な対応所属:かながわ農林水産ブランド戦略課)
県では、虫害材の早期間伐と資源の有効活用を促進するため、県森林組合連合会と加工事業者が協定を締結し安定的に消費する取組に対して支援することとしており、平成23年度は1,200立方メートルの有効活用を予定しています。
また、平成18年度から平成22年度までの活用実績は約7,600立方メートルで、約330haの間伐面積に相当します。
虫害材の新たな活用については、ご提案の通り、バイオマス発電所での燃料としての利用が考えられます。
県内では唯一、平成23年2月から川崎市内に33,000kw/hの大規模のバイオマス発電所が稼働しており、主に建設廃材をチップに加工したものを燃料として購入して発電を行っています。チップの買取り価格は、建設廃材の処理料も見込んで安い価格に設定されています。
一方、伐採された虫害材などの原木は、含水率が高く燃焼効率が悪いため、発電所で使用する燃料とするためにはチップ化して乾燥させる必要があります。
ご提案にありました燃料としての活用につきましては、虫害材を集材・搬出・チップにした場合の経費を考慮すると、現段階で発電所に購入してもらい発電等に活用していくことは困難だと考えています。
120.間伐材の利用はこういう場をうまく使えるのではないのでしょうか。今日普通のイスの他に間伐材で作られたイスがあったら面白いと思いました。
121.【林業労働者の環境について】
林業は山の中で働く仕事なので、普段、女性との出会いがなく、自分の将来を考えると不安です。行政的にはこのような問題をどのように考えているのでしょうか。
(主な対応所属:水源環境保全課)
水源環境保全・再生施策は、将来にわたり県民が必要とする良質な水の安定的確保を目的として、水源環境の保全・再生への直接的な効果が見込まれる取組や、水源環境保全・再生を進めるために必要な新たな仕組みを構築する取組を行うものです。出会いは必ずしも職場に限ることではなく、また、施策の趣旨からご指摘のような問題に取り組むことは困難であると考えます。
122.水源環境保全・再生施策はもっと拡大すべきであるが、土木業(会社)の参入により林業会社の仕事がうばわれ、そこで働く自分達労働者の給料が減っている現状があるので、そこは行政として考えなければいけない問題である。
(主な対応所属:森林再生課)
県発注の森林整備業務における林業会社の受注割合は一般競争入札に移行した平成20年度以降は増加しており、総契約金額でみると平成20年度に約5億7千万円であったものが、平成22年度は約8億3千万円に増加しております。
今後も増加していく森林整備業務量に応じた林業労働力の確保が必要であると考えております。
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第11回川崎・横浜地域
123.水源環境保全は重要だと考える。
そのためには森の再生が必要と考える。
森の再生は、システム的(総合的)に行わないと効果がなく、又、ボランティアレベルではなく、行政としての取組み、リーダーシップが重要と考える。(単独ではなく複数)
そのため、財源が必要であれば、その点をPRし、恒常的に確保すべきである。
124.「シカ対策」
国定公園内、県道にシカ柵は無い。川にも柵は作っていない。シカはそこから下に入り、今年の秋、田んぼの稲穂まで被害が及んでしまった。対策の方法の大きな見直しをしない限り、頭数減らしにはつながらない。農家はひたすら自分達の田や畑に電気柵を張りめぐらす労を惜しまない。
125.【森林保全、間伐材の有効活用】
最近、横浜市内の県立公園(小水源里山エリア)で永年続けられてきた間伐材の炭焼が、少数の住民の抗議でできなくなったと云う(けむり、におい、ガマンできない)。
(県が中止を指導したときいている)
資源有効利用のためには「炭焼存続」が望ましいのではないか。
(主な対応所属:都市公園課)
県立都市公園での炭焼きは、環境学習や資源有効利用のために一定の効果を果たしてきたと認識していますが、けむりやにおい等の問題で困っている方の声もあり、現状では有効な対応策がないため、やむなく休止の状況となっております。
なお、公園内では剪定枝のチップ化等の資源有効利用を進めています。
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第12回湘南・県央地域
126.林家が(または企業が)育林施業で経済が成り立つよう、当面の国や行政の施策が必要。
127.丹沢地域の水源林の整備が最近多くの場所で見られるが、植林地においては整備が非常に遅れていると思う。所有者に任せておくだけでなく、国として強制的に管理してほしい。(花粉症などの事もある)
(主な対応所属:水源環境保全課)
水源の森林づくり事業の進捗については、人工林においても計画どおり順調に進んでおり、手入れ不足の森林の割合は着実に減少しています。しかし、対象となる手入れ不足の森林は広大であるため、その解消には多くの年月が必要です。これからも森林所有者の協力を得ながら着実な事業の進捗を図ってまいります。
なお、国においては平成23年4月に森林法の一部を改正する法律を公布し(施工期日は基本的に平成24年4月)、森林所有者が、早急に間伐が必要な森林(要間伐森林)の間伐を行わない場合に、所有者が不明であっても、市町村長の判断により施行代行者が間伐を行うことができるようにするなど制度を拡充し、行政による私権制限が強化されます。
128.A保安林を各々チェックして欲しい。
B水源の森林エリア、地域水源林エリアの地積調査の進捗率を知りたい。
(主な対応所属:水源環境保全課)
A必要に応じ適正に確認しています。
B正確な数値は把握していませんが、神奈川県において、森林の地籍調査の進捗率は極めて低くなっています。
なお、水源の森林づくり事業において公有林化している森林については境界を確定しています。
129.【人工林について】
先程、人工林率50%程と言っていたが、将来的にどの位まで減らしていきたいのか?早急に人工林を減らしていく事が生物多様性につながると思うのだが…。そのためには、林業関係者だけでなく市民、自然保護団体も使い、行っていったら良いのではないかと思いますが。
(主な対応所属:水源環境保全課)
水源の森林づくり事業は、良質で安定的な水の確保を目的として、手入れ不足の森林について間伐などの森林整備を進めており、スギ・ヒノキの人工林については、人工林を広葉樹林に転換するのではなく、広葉樹が混じった混交林や、樹齢100年生を超える巨木林にすることを目標に水源かん養をはじめとした公益的機能の高い森林づくりを行っており、こうした取組は生物の多様性の保全にも結びつくものと考えております。
また、事業の推進にあたっては、県民の皆様には「森林づくりボランティア活動」で、企業・団体の皆様には「森林再生パートナー制度」による寄附や森林活動でご支援、ご協力をいただくなど、様々な主体との協働により事業を進めております。
130.人間とシカとの共生に限っていえば(シカに限らず、クマ、イノシシ、ウサギなどのすべてについて)
(1)過剰にふえすぎている個体数は適正な数にへらす必要がある。シカにとっても不幸なこと。
(2)とったシカは、無駄にすることなく、シカ鍋その他、地域おこしに利活用する。
(3)さらに大事なことは、ヒトの生活圏に入ると(近づくと)たいへん危険だ、ということをシカにしっかり教えること。とくに、子ジカや親子づれに、人里近くでは生命の危険がある、ということを知らしめること。(大昔は、わななどで、誰でもシカやイノシシをとっていたはず)
131.・シカの保護管理がうまくいっているのか。その点が具体的でなかった。現状は語られたが、方策の効果が語られていなかったのではないか。
132.・シカの食害などの実態の説明が少なかった。
ハンターが減少する状況下で効率的な頭数管理のためには外部(県外)からのハンター導入が必要では。あるいは、広域的な協力で(関東甲信越)ハンターチームを編成するのが良いのでは。
133.・生物多様性のある水源地作りをしてもらいたい。できれば駆除(動物)という形を取らずに。
多様性のある山にする事が、人への被害も少なくなると思います。
オオカミの導入について話されていたが、やめた方が良い。丹沢は狭いし、シカだけ食べる訳でもないでしょう。登山者の多い丹沢では人への被害も出るだろうし、もちろん農作物にも被害が多くなると思います。結局、オオカミ駆除という事になり、良い事はないでしょう。シカの事だけでなくその先もみて下さい。
(主な対応所属:自然環境保全課)
元々は、平野部から山麓部を広く移動しながら生活していたと考えられるシカが、急峻な山中に棲まざるを得ない状況であることに加え、昨今では暖冬による積雪の減少等もあって一年中奥山にシカが多数生息できるような状況となっていることが、森林植生に甚大な影響を与えている大きな要因であると考えられます。こうした背景の中で、シカの個体数調整を行わずに生息環境整備を進めても、整備した場所でのシカの集中による植生劣化・土壌流出が見られていることから、生物多様性の保全とシカとの共存を目指すためには、個体数調整をせざるを得ないと考えています。
なお、オオカミの導入については、予測できない事態が多数発生することが想定され、また、人の生活圏と森林が入り組んだ丹沢では、一旦被害問題が発生するとその影響が甚大になると考えられることから導入は考えていません。
134.【シカ等鳥獣害の天敵の移入について】
全国で鳥獣による農・林業への被害が増加し続けている。一方で猟師の数は減少しており、バランスは大きく崩れてきている。
こうした中で、一部市町村では天敵(オオカミ)の移入を環境省へ働きかけようとしている。神奈川県でもぜひ検討願いたい。
(主な対応所属:自然環境保全課)
オオカミの導入については、予測できない事態が多数発生することが想定され、また、人の生活圏と森林が入り組んだ丹沢では、一旦被害問題が発生するとその影響が甚大になると考えられることから導入は考えていません。
個体数調整の担い手の減少については、新たな担い手育成に取組むとともに、銃器によらない捕獲等あらたな捕獲方法の導入について検討したいと考えています。
135.【意見として】
現に、シカによる農林業被害が増加している中で一体管理ができるのか?まずは適正頭数にするための駆除が必要だと思います。
(主な対応所属:自然環境保全課、水源環境保全課)
ニホンジカ保護管理計画により、個体数調整に取り組んでおり、次年度以降は、さらに捕獲を強化して取り組みたいと考えています。
なお、「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画(案)」に、シカ管理捕獲の実施について新たに位置づけています。
136.【シカの管理について】
捕獲が有効というのが私見ですが、ハンターの高齢化が叫ばれています。ハンターの養成などの計画はありますか。
(主な対応所属:自然環境保全課)
個体数調整の担い手の減少については、新たな担い手育成を検討するとともに、銃器によらない捕獲等あらたな捕獲方法の導入について検討したいと考えています。
137.(パネリスト中村氏への質問)
荒れている人工林に比べて、森林整備をした後の人工林には、シカなどの野生動物が集まってくるものなのでしょうか?教えて下さい。
(主な対応所属:パネリスト中村氏)
結果から言えば、当然集まります。荒れた人工林の森林環境は、自然林のそれとは比較にならないほどの環境劣化です。その森林環境の改善は、低標高ほど、草食動物の餌環境および生息環境の改善に繋がります。本来、二次林など、野生鹿棲息範囲に拡大した人工林であり、立場を正確に理解するなら、「集まる」と言うより、「戻った」と言う捉え方も出来ます。しかし、そうは言っても、農林業者には死活問題でもあります。今後は、森林と野生動物の一体管理である、生息環境整備と森林管理を積極的に進める必要を感じます。しかし、これからの林業は、否応なく野生動物が生息する事を前提とした事業展開が求められます。その為にも県民理解を得ながら、水源環境保全税を有効活用すべきでしょう。
138.(パネリスト中村氏への質問)
【シカの減らし方】
現在4,000頭ぐらいの生息数と言われているが、全てのシカが安心して住めるとは思わない。自然淘汰も含め、個体数管理を人的に行っても良いと思うがいかがですか。
(主な対応所属:パネリスト中村氏)
このご質問は、農林業を前提に考えているのか、神奈川の自然環境を維持する上での考えなのか、あるいは、シカと言う「種」の存続を前提に考えるのか、判然としません。このご質問に答えるとすれば、個体管理の基本は、保護管理にあり、被害軽減と言う安易な手法である有害駆除と違う事を理解する必要があります。また、現在言われる適正頭数には大きな幅があります。これは自然環境や野生動物に対して正確な知識が不足する事を謙虚に捉えた、神奈川の良識と評価しています。
139.ブナハバチによるブナ食害対策の研究が行われるようだが、昆虫等の大発生は環境汚染で弱った樹木等に特異的にあらわれる。都会地のアメリカシロヒトリも、交通量の多い街路樹に大発生するし、数年前の八甲田山のブナ・ブランコ毛虫の発生も、県道など車の多く走る道沿いの被害が大きかったと聞く。丹沢山地への土日休日のマイカー規制なども検討する必要がありそう。
141.(パネリスト中村氏への質問)
【輸入材と国産材】
木材需要の80%が外国産に頼っています。今後外国産材の減少に対して国産材(植林地)の対応、シカとの問題、どのように協調出来るのか。
単一樹種林から複層林化、混交林化と森林資源の確保、シカとの共存は?
(主な対応所属:パネリスト中村氏)
ご質問に答える前に、木材の流通や利用実態を正確に捉える必要があります。
現在盛んに言われる木材の利用や搬出議論は、単に伐期齢を迎えた森林所用者(個人、企業、団体および市町村)だけに限定されています(水源環境保全税の事業配分の失敗例であると考えています)。国産材の有効利用は認めるところであり、木材輸入がこのままでいいとも思いません。しかし、都市部に限って言うならば、木材の有効利用促進のためには、建築基準法や消防法の見直しまで踏み込む必要を感じますし、野生ジカの問題以前に、森林所有者の意識改革が急務であると考えます。停滞していた林業が活発になったのは、神奈川では水源環境保全税による支援以降であると感じています。行政支援(税金)がなくても成り立つ「業」にする意識改革と取り組みが必要であると考えます。
なお、木材生産を主体に考えるならば、複層林は非効率であり、狭い解釈での混交林は意味がないと考えます。なお、神奈川では、木材搬出に奨励金を充てただけで、水源環境を荒廃させるという、本末転倒の林業が行われたと感じています。輸入材と国産材比率を逆転させれば、60年代に戻り、わが国土の森林は短期間で丸裸になってしまいます。時代の針を逆戻りさせるような反省に基づかない施策や事業は避けるべきであると考えます。
142.(パネリスト平田氏への質問)
【森が循環する為には県産材に助成金をつけたら!?】
林業が成立するためには、材が循環することが必要だと思います。間伐材の搬出量も少ないように思いますし、県産材は高くなる為、消費者には使いづらい状況です。県産材を使う場合に消費者に助成金が付けば成り立つのでしょうか。成り立つためには、具体的にいくらぐらいの金額なのでしょうか。
(主な対応所属:パネリスト平田氏)
ご質問の前段で材の循環を理解いただいている点は、林業に携わる者としてありがたい事です。県産材は高く使いづらい状況についての質問は、何の材と比較して高く使いづらいのかが不明確です。助成金が付けば成り立つかのご質問ですが、日本の第1次産業(林業・農業・漁業等)は、歴史的に工業製品等とは違い生産した物(材)の価格が、生産者自身で決められない市場の仕組みがあります。また、自然を相手にした人間が生きるための大切な産業で、儲からないから廃業と言う訳に行かない点をご理解願いたいです。こうした条件下で、県産材生産者も生産コストはもちろん、持続可能な林業に努力するなか、自然相手の産業で公的資金援助(予算枠)は必要であると思っています。では、林業の成り立つ具体的金額となると、前段で述べた市場の仕組みから、具体的金額を示す事は難しいです。
143.(パネリスト平田氏への質問)
【林業が成り立つために】
材として売る林業ではなく、環境林としての価値を生む林業、という考え方はないのですか?整備した森林の価値評価が必要となりましょう。
(主な対応所属:パネリスト平田氏)
環境林(仮称)として価値を生む林業の考え方はあると思いますが、貨幣経済の仕組みをいかに取り入れるかが難しいです。例えば、価値を評価する方法と価値に対する対価の徴収等を林業の中にいかに組み入れるかです。
145.(コーディネーター木平氏への質問)
山林所有者が勝手に外国人に売却されている事が問題になっています。当県でその様な事実がありますか?その防止策に役立つ事に先生方の考え方を聞かせて下さい。
(主な対応所属:コーディネーター木平氏)
神奈川県内で外国人へ森林が水源林として投機的に売却されたことは聞こえてきません。小規模な宅地開発などでの森林売買・開発はあると思います。
防止策
(1)大規模な森林の売買について届出制度を設けて、実態をつかむことが必要です。
(2)水源林や環境林などの公益性を損なう心配がある場合は法的な規制が必要です。
(3)バブル時代にリゾート開発として大規模な森林売買が行われて環境破壊が起こった問題と同じことです。
(4)外国人の所有をどこまで認めるかは森林の問題に限りません。国策としての議論が必要です。
(5)社会的な共通資本としての森林を誰が、どのように管理することにより、すべての国民が公平に恩恵を受けることが出来るかは国の基本にかかわります。森林の公益性について議論が必要です。
146.【外国人による森林買収について】
報道によると、中国人による手荒な買収劇が伝えられています。神奈川の山は大丈夫ですか?事前にストップできるような考えはスタートしていますか?
(主な対応所属:水源環境保全課)
外国人による土地購入禁止に関する法制化については、国が所掌する事務の範疇であることから、県による対応は困難です。
また、現在1ヘクタール以上(都市計画区域外の場合)の森林を新たに所有した場合、国土利用計画法に基づく届出が義務付けられています。さらに、平成24年4月1日からは、国土利用計画法の対象外の森林を新たに所有した場合、改正された森林法に基づき市町村への届出が義務付けられたため、森林所有者の情報を的確に把握し所有者に対する適切な指導ができるものと考えています。
147.(コーディネーター木平氏への質問)
【林道の修復、また工事について】
22年9月8日の台風9号により、東京神奈川森林管理署内の大又沢林道、水の木幹線林道が壊滅的被害に会い、復旧に10年以上かかるとの事である。その間、植林・間伐・除伐が出来ない状態であると思いますが?
また、現在、山北町内で八丁・神縄林道の工事が進行中であるが、その間、人の手により自然破壊が行われていると思うが?
(主な対応所属:コーディネーター木平氏)
台風により壊れた林道が修復されないと林業作業も森林保護も出来ません。しかし、修理には大きな経費が必要です。
(1)まず、壊れた林道についてその必要性が高いものは費用が大きくても修復します。
(2)次に、費用が大きく、必要性の低いものは修復しません。
(3)その中間の林道について、修理するか、しないかの判断は林道の管理者と利害関係者が行います。壊れた林道を無条件に税金で直すわけではありません。また、放置するわけでもありません。
(4)ところで、林道はしばしば台風で壊れます。したがって、林道をどこに、どのような構造で、どのようにして作るか、あるいは作らないかの事前の設計が大切です。
(5)沢沿いに作るのは避け、尾根筋に作ります。地盤の悪いところを避け安定したところに作ります。急な斜面には作りません。
(6)林道作設は安定している地面を崩す作業なのでどうしても自然破壊は避けられません。どうしても必要な林道に限るべきです。
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第13回
148.(パネリスト勝山氏・行政担当者への質問)
山の整備が進むにつれて、獣害も増えると思われるので効果的な立案を願う。
(主な対応所属:パネリスト勝山氏、自然環境保全課、水源環境保全課)
(パネリスト勝山氏)
現状では、シカの個体数管理をせずに、間伐などを行うと、明るくなった林床に草が生え、シカがそれを食料にして増えるという悪循環を断てない。シカの管理と連携した森林整備が必要である。第2期計画はそれを目指していると思う。
(自然環境保全課・水源環境保全課)
「第3次ニホンジカ保護管理計画(素案)」では、森林整備とシカの個体数調整を一体的に取り組むことにより、シカの生息環境整備の基盤をつくるとともに、森林整備効果の発現を図ることとしています。
また、「第2期かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」に、シカ管理捕獲の実施について新たに位置づけています。
149.シカの害、なんとかしなければなりませんが、森林だけでなく、農作物への鳥獣害が多いのですが、この野生動物との関係を、どうしていったらいいのか。
(主な対応所属:自然環境保全課)
神奈川県では、高標高域での自然植生への影響から山麓部での農作物被害までシカ対策に一体的に取組むためのニホンジカ保護管理計画を策定しています。計画では、各標高帯ごとに保護管理方針を策定し、問題解決に取り組むこととしています。
150.全国的な問題だが今、山はシカ牧場とまでいわれている。シカを増やさず絶滅させず、シカと植物を共存させる方法は。また、他県とはどのような協力が必要か。
(主な対応所属:自然環境保全課)
ニホンジカ保護管理計画では、高標高域では管理捕獲によりシカの低密度化を図り、自然植生を回復する一方で、中標高域で生息環境整備と個体数調整に一体的に取組むことで、地域個体群を安定的に存続することとしています。隣接都県との個体の交流が考えられることから、生息状況に関する情報交換や捕獲に関する連携を検討する等の協力が必要と考えています。
151.(パネリスト山田氏・行政担当者への質問)
撃ったシカは、どこで、どの位、どのように(まき狩り等の方法)、その後のシカは、どれ位利用されているか。利用のされ方はどのようなことか。県内と他県の状況を教えて下さい。
(主な対応所属:パネリスト山田氏、自然環境保全課)
(パネリスト山田氏)
他県での利用法としては、山梨県で鹿ソーセージや鹿カレーを製品化したり、カレーのチェーン店であるCOCO壱さんが鹿カレーをオンメニューしたりしています。鹿皮の利用を考えている企業もあると聞いています。
(自然環境保全課)
自然植生回復のための管理捕獲は、自然植生の劣化している高標高域を中心に実施され、農林業被害のための管理捕獲は被害の発生している場所やその周辺域で捕獲されています。狩猟は狩猟可能区域で実施されています。捕獲数は年度により異なるりますが、概ね自然植生回復管理捕獲が300頭程度、被害軽減管理捕獲は、600頭程度、狩猟が700頭程度となっています。捕獲されたシカは肉として使用できる部位については、自家用としてほぼ利用されています。他県の状況は地域により様々なので一概には説明できません。
152.シカの問題は全国的に問題になっている。ある所ではシカを食べる。レストランなどにも食する所もありますので、県や横浜でもやってみてはどうか。
(主な対応所属:自然環境保全課)
県内で捕獲されたシカは、概ね自家用として消費されています。食肉として流通させるためには、衛生面でクリアすべき課題も多いところですが、有効活用については、検討していきたいと考えます。
153.(コーディネーター木平氏への質問)
神奈川の場合「シカ対策」が重要であるとのことですが、「駆除」するだけでなく、共生することが大切だと思います。第2期ではどのような対策が有効と考えますか?
(主な対応所属:コーディネーター木平氏)
(1)シカの個体数と分布域の変化を継続的に調査する。
(2)林床植生の回復と種の構成を継続的に調査する。
(3)調査の結果から時間変化と場所変化とが分かるような地図を作る。
(4)実施可能な精度で、問題の深刻な地域で試みる。
154.(パネリスト勝山氏への質問)
シカが4,000頭位いますの弁。もっと適正な頭数(例えば1,500頭位)にするには、思いきって、殺すなり、つかまえることが、すぐ(2~3年)出来ないのですか?実施を確実にすれば、税金1人500円位に出来るのでは?
(主な対応所属:パネリスト勝山氏)
シカの個体数管理は順応的管理を目指しているので、シカの個体数が減らず、林床植生が回復しない場合は、さらに強い管理捕獲をかけることになる。しかし、シカの個体数はまだ減っていないというのが現状である。ハンターなど、管理捕獲の担い手も高齢化が進み、減少しつつあり、増大する管理捕獲を賄いきれない可能性がある。第2期計画のワイルドライフレンジャーに期待したいが、管理捕獲の担い手をどうするかも大きな課題と思う。
155.(パネリスト勝山氏への質問)
シカ対策について、シカの増加最大理由、恒久対策、個人として実行できることをお教え下さい。
(主な対応所属:パネリスト勝山氏)
増加のきっかけとしては、自然林の伐採によりシカの食料が増えたことが言われるが、それが定着した原因は、狩猟圧が低下したことも大きいと思う。恒久対策としては、野生動物の個体数について、常にモニタリングを行い、個体数の管理を行うこと。個人として実行できることは、具体的なものは思いつかないが、このような状況を理解し、公としての野生動物管理に税金が投入されることを理解していただくことと思う。
156.(パネリスト山田氏への質問)
【シカ対策】
植生を変えることは、緊急的であっても、慎重に行うべきと思います。
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
シカの食害が激しい場所では、人の思惑と無関係に植生は単調化してしまいます。おっしゃることは良く分かりますが、現状の植生を維持しようとすれば、土壌崩壊を防ぐことはできません。とりあえずは、シカの不嗜好性植物でもいいので、地表を覆い、土壌の流失を防ぐことが最優先だと考えます。なお、植生保護柵の内側では、まずは不嗜好性植物が再生しますが、その陰で本来の植生も徐々にではあるものの、戻ってきている場所もあります。そういう場所では、不嗜好製植物を柵の外に移植して土壌流失を防ぎ、柵の中では、本来の植生の回復を待つという手段がいいと思っています。
157.(パネリスト勝山氏への質問)
森林整備済のエリアでシカの捕獲ができると、効果が出るのですか?
(主な対応所属:パネリスト勝山氏)
シカの管理捕獲や植生保護柵など、シカ対策と連携して間伐を行わないと、間伐の効果が見られず、水源涵養効果を回復できない。また、高標高地ではシカを維持できないので、人工林エリアで林床植生の回復が見られないと、丹沢ではシカの住む場所はなくなってしまう。シカの存続のためにも、シカの管理と森林整備は連携して行われる必要がある。
158.(パネリスト勝山氏への質問)
森林の多様な種の保存を維持して行くためのシカの適正数は何頭ですか。
(主な対応所属:パネリスト勝山氏)
生物多様性を低下させないシカの適正密度は現状ではデータ不足で誰も答えられないと思う。当面、丹沢の高標高域では1平方kmあたり5頭未満の密度を目標にしている。順応的管理を行い、常にシカ個体数と林床植生の回復状況をモニタリングしながら、シカの目標密度を設定し直す必要がある。
159.(パネリスト勝山氏への質問)
丹沢の山ビル問題の解決(生物多様性の中で)
(1)イノシシやシカの食料不足による里地の移動で問題になって来たのか?
(2)無機物etcによる人工的対策のみでなく、自然環境保全をしつつの解決策は?
(主な対応所属:パネリスト勝山氏)
シカやイノシシなどの野生動物の増加がヤマビルの拡大の要因と思うが、ヤマビルはもともと照葉樹林域の動物で、低中標高域の樹木(スギ植林も含めて)が大きくなり、林床の湿度条件などがヤマビルに適したものになってきたことも増加の原因と思う。シカやイノシシの個体数管理とともに、人家や畑地周辺の草刈りなど、環境整備も必要と思う。ヒルを殺すために、山に薬剤などを撒くことは反対である。ネパールやブータンなど、たくさんのヤマビルがいるが、おおらかにヤマビルと共存している。私個人としてはヤマビル、ブヨ、マダニなど、山に入る人間の側で防御すればすむものと思う。
160.(コーディネーター木平氏への質問)
森の保全・再生について、バイオマスの視点からも、ご説明を頂きたかった。税金を対象にしたことから、お話が限定されたものと思いますが、残念でした。
(主な対応所属:コーディネーター木平氏への質問)
丹沢の水源林でのバイオマス問題は、人工林の管理目的と管理方法に深く関わります。面積で約40%におよぶ人工林は、植栽当時は木材生産のためでしたが、今、そして今後どうするかは重要な課題であり、意見の分かれるところです。森林所有者、地域社会の人びと、納税者の意向と、将来の木材・バイオマスの需要の見通し、森林の取り扱いとその結果の確証が必要です。専門家も行政官も県民も議論をすすめていますが明確な結論には至りません。これについては、現在、編纂中の本「丹沢の自然再生」で詳しく書かれます。
161.(パネリスト山田氏への質問)
【バイオマス発電の活用とIT基盤の構築】
鳥取県米子市でバイオマス発電を活用してコンテナ型ITサーバー基盤の構築計画をすすめています。キクイムシ対策で、木材の再生利用ができればと思います。この件に関し一度意見交換の機会をお願いします。
バイオマス発電の木製チップにキクイムシが食べてしまう木を活用できないか?いろいろ質問があるので連絡いただきたい。
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
個別に対応させていただきます。
162.(パネリスト山田氏への質問)
キクイムシ?虫のこと、現状のこと、もっと詳しく知りたいです。よろしくお願い致します。
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
来年一月に出版する筑摩選書(タイトル未定)に詳しく書きました。参考にしていただければ幸いです。
163.(パネリスト山田氏への質問)
巨木を食うという木食い虫の生態は完全に解明されているのでしょうか?
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
生態はほぼ解明されていますが、虫そのものの遺伝系や共生しているナラ菌・酵母菌の遺伝系などについては、まだまだ未解明の部分が多いです。
164.(パネリスト山田氏への質問)
キクイムシの現状をくわしくHPに公表下さい。
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
共同研究の成果が出次第、公開していく予定です。手近に手に入る資料としては、黒田慶子編著「ナラ枯れと里山の健康」をご参照ください。
165.(パネリスト山田氏・行政担当者への質問)
【キクイ虫への対策について】
もうすぐそこまで来ているのもわかっていて、対策も二つしかないとわかっているのに、なぜ、すぐ取りかかれないのか?行政の問題?手遅れになってからでは、ますますたいへんになってしまうのではないのでしょうか?早い取り組みをお願いします。
(主な対応所属:パネリスト山田氏、水源環境保全課)
(パネリスト山田氏)
昔のような里山循環林にもどすというのは、口で言うのは簡単ですが、実際にやるとなると膨大なお金と人手が必要になります。それだけの手間をかけても、伐り出した材の利用法がないというのが現状です。小さな区画でならボランティア的に整備できるでしょうが、山全体でやるのは不可能でしょう。ナラ以外の木による多様性に富んだ森に作り直すのは理想でしょうが、その場合も、地元のDNAにこだわった苗木生産から始めなければなりません。サントリーでは、そうした取り組みを始めていますが、県全体で考えると、これもお金と人手という障壁が立ちふさがるかもしれません。ただし急傾斜の崩壊危険地でナラ以外の主木がないような場所でのナラ枯れは、そのまま大規模な崖崩れに直結する危険があるため、行政には優先的に手を打って欲しいと願っています。
(水源環境保全課)
カシナガ被害の対象となる樹木(ブナ科樹木)は県内のいたるところに分布しており、被害発生前にその全てを対象として樹種転換や巨木の伐採を行うのは経済的・時間的に現実的ではなく、現時点では被害発生に対し、単木的に対処するほかに方法がないのが実情です。
カシナガの被害が発生した場合は初期防除が非常に大切であることから、関連機関・団体・ボランティアに対し、情報提供・共有を呼びかけて、早期発見・早期駆除の対応をすることとしています。
なお、被害対策は、所有者・森林管理者の協力のもと、被害対策計画を立てていくこととしています。
166.1.水源保養林の区域での降水量と蒸発量の推移(ここ10or20年間)
2.神奈川県民の人口数の推移(ここ10or20年間)
3.神奈川県におけるナラ枯れ病の最近10年間の状況報告
(主な対応所属:自然環境保全センター、統計センター、水源環境保全課)
1.(自然環境保全センター)
当センターでは、水源環境保全・再生実行5か年計画における水環境モニタリング調査(対照流域法等による森林環境調査)の一環で、平成19年度より降水量や河川流出量等の観測による総合モニタリングを開始したところです。
長期的なデータの推移までは把握できておりませんが、平成22年の大洞沢試験流域(清川村煤ケ谷)の水収支では、降水量3131mmに対して、NO3観測流域で蒸発散量547mm、NO4観測流域で716mmと算定されました。なお、蒸発散量とは、森林からの蒸発量と蒸散量を合わせたもので、直接観測することが困難なために、年降水量から年間河川流出量や深部浸透推定量(地下深くに浸透する水の量)を差し引いて算出しております。
長期にわたる降水量データについては、気象庁のアメダス・データがあり、水源地域内の観測地点である「相模湖」では、年平均降水量1600mm程度、「丹沢湖」では、2100mm程度です。これらの観測地点では、気温や風速等の蒸散量に関係する観測データが無いために、現状では蒸散量の算定は困難です。
2.(統計センター)
神奈川県の人口を5年ごとに見てみますと、平成23年1月1日現在で約905万人、平成18年1月1日現在で約880万人、平成13年1月1日現在で約850万人、平成8年1月1日現在で約825万人、平成3年1月1日現在で約800万人となっています。ここ10年は年間で平均約55,000人の増加となっていますが、直近の2年では年間で4万人台の増加となっています。
3.(水源環境保全課)
過去10年間では、ナラ枯れ被害の発生は確認されていません。
167.森林におけるゲリラ型豪雨に対する土壌流失の方策は何か。
(主な対応所属:水源環境保全課)
森林においては、下草が豊かであることが雨滴による表土流出を防ぎ、また、多様な樹種で構成されている森林は様々な深さに張り廻らされる根が土壌の流出を防ぐため、これら森林の機能を高め発揮させることがゲリラ型など集中豪雨に対する土壌流出防止対策として有効です。
かながわ水源環境保全・再生の取組として実施している水源の森林づくり事業を始めとした森林整備においては、間伐により森林内を明るくし下草を繁茂させるとともに、混交林など多様な樹種で構成される森林づくりを行っています。また、森林整備のなかで間伐した丸太を利用した土留柵などを設置し、森林の土壌流出の防止策を実施しています。
168.(パネリスト山田氏への質問)
神奈川県に限らず全国的に、日本人以外の資金による水源地域の買占めが話題にのぼっていますが、その真偽の程は?また、危機を持っていますが、どの程度買占められているのか知りたいと思います。
(主な対応所属:パネリスト山田氏)
地下水を狙った森林の買占めは、実際にはほとんどないと聞いています。実際、ミネラルウォーターという商品は、価格の割りに物流費が非常に高くつくものなので、海外に運んでも事業としては成立しないだろうと思われます。現在、外国企業が買っているのは、水のためではなく、リゾート開発などが目的のようです。いずれにせよ、現状よりは多少なりとも厳しいネットを張っておく必要はあるかもしれません。
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第14回
169.間伐事業地のとりまとめは、小規模林家が多く、施業に関心のない人が多い中、大変苦労があろうかと思いますが、具体的な苦労、課題点、それに対する工夫点、及び今後改善していきたい点について教えて下さい。
(主な対応所属:水源環境保全課)
神奈川県が進める水源の森林づくり事業では、森林の借り上げや森林の買取りなど、森林の所有者との契約により森林を確保し、間伐など森林整備を行うことで私有林の公的管理を進めていますが、確保を行うには、所有者の承諾を得るほかに、複数の隣接所有者の立会いによる契約区域の確定や、土地の権利関係の確認など、様々な作業が必要になります。
こうした作業は、所有者単位で行うため、ひとつの大きな筆をたくさんの小さな筆に分筆した「割山」や、複数の個人が所有権を持つ「共有林」など、小規模な所有者が多いほど、とりまとめに多くの労力を必要とします。
また、森林への関心の薄さなどから、相続の手続きがされないなど、権利関係の確認が困難なケースも多くみられます。
県としては、所有者ひとりひとりに対し、引き続き、きめ細やかな対応に努めるとともに、平成24年度からは、より多くの所有者から合意が得られるよう、森林の所有者にとってより身近な存在である森林組合等が、県に代わって水源林の管理、整備を行う「長期施業受委託」の制度を導入して、着実な確保を推進することとしています。
170.人工林の荒廃は60%→24%とあるが、どのような評価方法ですか?
(主な対応所属:森林再生課)
H15及びH21に県内水源保全地域の人工林における整備状況をランク分けして比較調査しており、H15に「長期間手入れされていない森林等」が66%であったのが、H21では24%に減少しています。これらは、主にこの間に実施された水源林整備による効果と考えられます。
171.間伐材の搬出について「補助金」はどのように出ているのですか?
(主な対応所属:森林再生課)
間伐材を搬出するには、森林内から道路まで架線等で引き出す費用や、トラックに積み込んで市場等へ運搬する費用がかかります。
森林所有者や林業事業体等が、県内水源保全地域から間伐材を搬出するのに要した費用の一部について補助金を出しており、申請受付や確認の事務は各地域県政総合センターで行っています。
172.昨今非常に危惧されている外国資本による上記買収について、神奈川県としてどのように認識しているか?どのようなスタンスを取るつもりかお聞きしたい。
(主な対応所属:森林再生課、水源環境保全課)
本県の外国人による森林の土地取引については、H22以降林野庁、国土交通省、神奈川県による把握を行っており、箱根の既存別荘地において3件の土地取引の実績が公表されています。これらはいずれも過去に分譲地造成が行われた既存別荘地であり、別荘・保養所等以外の開発は関連法令により許可されない箇所のため森林管理上の問題とはなりません。また、水源施策として水源林整備に際しての土地情報収集、立木伐採等の森林法による規制、水源林の取得・協定など森林の公的管理・支援を進めています。
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