CROSSTALK転職者座談会
民間企業等の経験を活かして活躍している職員に、
転職・入庁のきっかけや県庁に入って感じたことなどを語り合ってもらいました。
PROFILE
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椿 隆志
産業労働局
産業部企業誘致・
国際ビジネス課 主任主事2022年入庁
行政
(キャリアフリー) -
達﨑 理史
産業労働局
中小企業部
中小企業支援課 主査2012年入庁
行政 -
巽 章乃
健康医療局
生活衛生部
生活衛生課 主事2022年入庁
行政
(キャリアフリー)
Q1
前職ではどんなことを
していましたか?
また、どのようなきっかけで
県庁で働こうと思いましたか?
- 椿
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前職では地域金融機関に勤務し、法人営業を主な業務としていました。
以前、ある企業に県の外郭団体が中心となって開催しているビジコンへの応募を促したことがありました。その企業は業績等の諸事情で、前職の金融機関では取引が難しかったんです。しかし、事業内容を伺うと、これまで聞いたことのない新しい金属加工の技術だったので、お取引は難しくとも、せめて役に立つ情報提供をしたいと思い、そのビジコンを紹介し、応募を決めていただいた結果、その技術力が認められ見事上位入賞しました。そのことがきっかけで、これまでの金融サービスによる企業支援ももちろんやりがいはありましたが、取引ができるかどうかにとらわれず、技術力等のその企業の真価を見いだし支援するということは、公的な組織でないとできないのかもしれないと考えました。そこから、これまでの自分の知識や経験、スキルを活かし、より多くの企業支援に携わり、スケールの大きな仕事ができたらと思い、中途採用試験(行政)(通称キャリアフリー)を受験し神奈川県庁への転職を決めました。 - 巽
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私は元々OA機器(複合機)を扱う会社で一般事務として働いていました。主に顧客に対して、エンジニアを派遣したり調整したりというバックオフィス業務です。私も椿さんと一緒でキャリアフリーで入庁しました。私はインターネットで県庁の募集を見ました。最初は行政って堅苦しいイメージでしたが、幅広い人材を募集していて、私でも挑戦できる枠があることを初めて知りました。
元々このままでいいのかと悩んでいたこともあり、幅広いところでキャリアアップしたいなと思い、挑戦しました。 - 達﨑
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私の入庁は10年以上前になるのですが、その前はIT業界でシステム開発の支援に携わっていました。専門的な業務になってくることもあり、私の場合は今後のことを考えていくとずっとそこで働くよりはいろんなことにチャレンジできるような仕事がいいなと思い、転職を決めました。
また、私の場合はキャリアフリーという制度ではなくて、新卒の人と同じ枠(Ⅰ種行政)で入りました。
Q2
試験にはどのような問題が
ありますか?
また、準備しておいた方が
いいことはありますか?
- 椿
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論文と面接でした。
- 巽
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アピールするプレゼンもありましたよね?
- 椿
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そうですね、面接の中で自分をプレゼンするというのもありました。
- 達﨑
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私はマークシート形式の問題と論文、面接がありました。
- 椿
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準備しておくことについては、前職で何を経験して、その経験をどう活かしたいか、神奈川県で働いて何をしたいかなどを具体的にまとめておくと良いと思います。県の仕事は実際に働いてみないと詳細は分からないかもしれませんが、自身の強みを活かしたいという強い気持ちを持っていることが大事かなと思います。漠然と公務員がいいなと思っている人とはエネルギーが違うと思います。
- 巽
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そのとおりですね。県民の方にどんなことを還元できるか、イメージを持っておくと良いと思います。
Q3
実際に県庁に入ってみて
感じたことはありますか?
- 巽
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行政全般当てはまると思うんですけど、やっぱり業務の担当というのは民間よりもいろいろなことがしっかり決まっていると感じました。フローがしっかりしているということですね。そこをまず一番に感じました。
今まで分からなかった部分が見えたことは学びです。1つの決定に対してこのフローを踏んでこうなっているんだ、慎重に検討をして県民に発信していくんだ、ということを知ることができて良かったです。
また、福利厚生の面だとお休みがとりやすい・女性でも働きやすいというのを強く感じます。周りの職員も家庭を中心に勤務形態(時差勤務など)を適宜変えているので誰にとっても働きやすいというのは県庁職員の魅力だと思います。 - 達﨑
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私は行政ということでいろいろな方面からお話を伺うことが多いのですが、それがとても学びになります。本当に様々な方(県民・企業・各種団体など)に行政という立場で話を聞くことができ、もちろん批判的なご意見をいただくときもあるのですが、生の声を直接聞けるというのはすごく良いことだなと思います。あとは、私は前職で対システムでしたが、今は対様々な人というところも転職して良かったなと感じる部分です。
人に会うことで具体的にどういった影響を受けますか?
- 達﨑
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影響ですか…そうですね、人からお話を伺うと、様々な刺激を受けます。そして批判的なご意見も含め、それをきちんと受け止めて、ではどう対応していくか、と仕事に直結していきます。なかなか対応が難しいこともありますが、職場で相談しながら県として必要な対応をしていますね。
- 椿
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私は県の仕事は非常に多岐にわたっているんだな、というのを強く感じます。まだ1つの部署の経験しかないですが、「この部署ではこんな業務があるのか」、「こんなところにまで県の仕事ってあるんだ」と感じる機会が多いです。
また、民間企業との違いとして感じるのは、1つの仕事が県全体に関係しているということです。現在所属している部署では立地に関する企業支援を行っており、企業支援という部分で方向性は前職と同じですが、現在の企業支援は、県全体がより良くなることにつながっているという部分が、民間企業との違いだと感じます。
Q4
これまで経験した成功体験
について聞かせてください。
- 達﨑
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今の部署で、事業承継(高齢化が進む一方で後継者の不在状況が深刻となり、喫緊の課題となっている)を支援する補助制度を実施していますが、その見直しに携った話をご紹介します。
その制度は以前から県にあったのですが、なかなか広まらず…それを昨年大きく見直すことにしました。年度当初ではなく、年度の途中に補正で予算を組んで短期間で実現したいという状況でした。
私は関係者(公的機関、金融機関、士業団体など)へのヒアリング、国・他自治体の動向調査、予算調整などを進め、見直し内容を具体化していきました。その期間(3か月ほど)は大変でしたが、なんとか新たに募集を開始することができ、その後「使いやすい」と好評でしたので、すごく嬉しかったです。
それが今年度も続いていて、順調にご利用いただいているのもまた嬉しいです。
3か月なんて短くて、大変ですね
- 達﨑
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そうですね、大変でしたね、完成イメージがなかなかつかめなくて手探りで進みながらも、やることはたくさんあってよく時間に追われていました。でも、やりがいはあります。
- 椿
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私は、昨年度末までの「かながわグランドデザイン」第3期実施計画における所属の目標「4年間で200件の企業立地の支援を行う」の達成に携わったことです。
県内経済の活性化と雇用の創出のため、4年間をかけ、目標を達成できたということが非常に嬉しかったです。
4年間かけ、中期的なビジョンで目標を達成できたというのは歴代の担当者が地道に立地支援を積み上げてきた集大成として、非常に達成感がありました。
前職の金融機関での経験を活かされたんですか?
- 椿
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そうですね、経営者の方と設備投資に関する話をする機会は前職のときもあって、その部分は現在の立地に関する企業との打合せに活かせていると思います。当然、前職のときと立場が違うので多少視点は違いますが、それでも、やはり前職の経験はすごく役に立っています。
- 巽
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私は現在、食品衛生のグループで資格試験全般を担当しています。
「製菓衛生師試験」の計画~運営ですね、それを1年やっております。これは国家試験のため、受験生の生活や人生がかかっている試験になります。そう考えるとプレッシャーがありますが、やりがいもあります。
そのため何事もなく無事に試験を終了できたときが何よりも達成感があります。外部との調整業務も多くありますが、その部分は前職が活かされているかなと思います。
重要な業務ですが、チームで取り組まれているんですか?
- 巽
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主担当としては1人になりますが、グループ全体で取り組んでいます。
特に、食品衛生の知識が必要なところとかは「衛生監視員」(薬剤師や獣医師)が助けてくれます。大変ですが、1年目からこういう仕事に携われるのはすごくいい経験をさせてもらっているなと感じます。
転職されている方はみなさんの周りに多いですか?
- 椿
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私の部署は何名かいますよ。
- 巽
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私の部署は技術職が多い部署になりますので、民間企業だけではありませんが何名かいます。
- 達﨑
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そうなんですね、私も椿さんと一緒で何名かいます。
Q5
最後に、これから神奈川県で
働くことを目指す方に
メッセージをお願いします。
- 椿
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やはり、自身の業務が県内経済の活性化と雇用の創出の役に立っているということにやりがいがあります。
今後、どのような部署に配属となるかまだ分かりませんが、どのような業務も県をよりよくすること、大好きな神奈川県のプレゼンス向上につながるということが何よりも県職員としての魅力だと思います。 - 巽
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今まで経験できなかったことをしているという事が魅力です。これから異動などもあり、広い範囲でキャリアを積むことができます。(県民のために働けるというのは大前提にあって)自分自身のキャリアも積んでいけたり、女性の働きやすさも魅力の一つだと思います。
異動はどのくらいのペースで行われますか?
- 達﨑
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おおよそ3・4年に1回くらいですかね。異動先の希望を書いたりもできます。私は、結構ニュースが身近になったなと感じています。前職ですと一般的なニュースが直接仕事に関わることは少なく、さーっと流れて頭を通り過ぎてしまっていたのですが、今はニュースが仕事に関わることが多く、それについて職場で話したり、対応のために動くこともあります。
何よりも視野が広がる面白さを伝えたいです。県では個々の業界にとどまらず、広く社会情報をキャッチしながら仕事に取り組めるところが一番の魅力ですね。